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〈大発生〉「猛毒の赤いキノコが“東京”の公園に」手足のしびれに、小脳萎縮も…ヤバすぎる「カエンタケ」現地レポート「すぐそばに子どもが…」

集英社オンライン / 2024年11月21日 7時0分

年間で100人ちかい食中毒患者を出している「毒キノコ」。10月初旬、青梅市や福生市のハイキングコースや公園などで、触れただけで皮膚がただれる猛毒キノコ「カエンタケ」が相次いで見つかった。両市は除去を進めるとともに、子どもたちが誤って触らないよう注意を呼びかけている。

〈画像〉「クマ出没注意」の下に貼られた「カエンダケ」注意喚起のパネル

毒性が強く、2日後に死に至ることもある

厚生労働省の「自然毒のリスクプロファイル」によると、カエンタケは見た目が「表面はオレンジ色から赤色」で、「地上から手の指が出ているように」発生する。

毒性が強く、症状については「食後30分から発熱、悪寒、嘔吐、下痢、腹痛、手足のしびれなどの症状を起こす。2日後に、消化器不全、小脳萎縮による運動障害など脳神経障害により死に至ることもある」とされている。また、触れるだけで炎症を起こすとも。

早速、編集部はカエンタケが見つかったという青梅市の公園緑地課の担当者に話を聞いた。

「青梅市は市の6割が森林で覆われており、一昨年に1件、去年にも1件、カエンタケが見つかったという報告はありました。今年は10月初旬から中旬にかけて、青梅の森と隣接する永山公園のハイキングコース付近でカエンタケが2回見つかりました。

このハイキングコースはお子さんからご高齢の方までさまざまな方が年中、行き来する場所なので、市の職員が向かい、すぐさま除去するとともに看板の設置をしました」

実際に現地を訪れると、午前10時時点で子どもから高齢者までさまざまな年代がハイキングを楽しむ姿があった。

ひとりで歩いていた60代女性に声をかけた。

「カエンタケが生えたというのはニュースで見ました。赤いキノコというと『タマゴダケ』っていう高級食材もあるのよ。知り合いの男性なんかはそれを探して採ってきてご近所さんにあげたり、私ももらったことあるけど、食べるの怖いわよ。バターで炒めたけどそんな美味しくもないし(笑)。赤いキノコには気をつけるわ」

お孫さんとともにハイキングを楽しんでいた70代男性にも話を聞くと、「毒キノコは赤だけじゃない」と言う。

「相模原のほうから孫を連れて来たけど、うちの周辺にもいっぱい見るよ。孫には赤いキノコは触れちゃダメだよーって言ってるけどね。まあ毒キノコなんて赤だけじゃないしね、特に子連れのときは気をつけないといけないよね」

実際に、永山公園ではカエンタケ以外にも毒キノコが発生しているようで、その看板も設置されていた。前出の公園緑地課の担当者は言う。

「なるべく公園内のものを採らない、食べない、売らないでくださいということは呼びかけています。でもこればかりは監視するわけにいかないですし、なかなか難しいですね…」

住宅街の真ん中にもカエンタケが…

10月9日にカエンタケが発生したという福生市の「武蔵野台西公園」も訪れた。ここは公園の前に建つ団地とともに建設された公園なのだろうが、住宅街の真ん中にあるため、人が誤って触れてしまう可能性のより高い場所と言える。

福生市の環境政策課の担当者によれば、「これまでこの公園でカエンタケが生えたという報告はなかった」そうだ。

「10月9日に草刈を担当する者が発見し、市の職員が駆けつけて除去しました。カエンタケは周りにも生えてくるようなので、その周辺の土も除去しております。こちらは住宅街のど真ん中の公園でお子さんが遊ぶ可能性もあるので、当面の間は2日に1回のペースで市の職員が見回りに出るようにしています」

毎日この公園に散歩に訪れるという60代女性は、日ごろから注意して見ていると話す。

「報道で赤いキノコだっていうから、よく注意して見てるわよ。きっと胞子が風に乗っていろんな場所に飛んで、その着地したところに生えるんでしょ? 都心の公園まで風に乗っていったら怖いわよね。注意して見てると全部赤に見えちゃう。これなんか、違うの?」

また、犬の散歩で訪れていた女性に声をかけたところ、「看板でも立ててくれたら」と指摘する。

「えー! 毒キノコですか? それは初めて聞いたわ。ここら辺は子どもも多いけど、この公園は完全に犬の散歩や高齢者の散歩コースになってて、子どもが遊んでるのはほとんど見ない。職員の方が見回り来てくれるのはありがたいけど、そんなキノコが生えたのなら、看板でも立ててくれたほうがわかりやすいよねえ?」

確かに女性が言う通り、看板はあったほうがわかりやすいだろう。厚生労働省によれば、カエンタケを摂取したことによる患者数は2000年に中毒患者が2名、死者数が1名、2006年には中毒患者3名を出している。

また2015年以降に関しては未発表のため、患者数はわかっていない。市の多くが森林に囲まれた青梅市や福生市だけでなく、街の中の公園などにも生える可能性のあるカエンタケ。赤いキノコを見かけたら要注意だ。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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