離婚翌日にマッチングアプリに登録。4日後に出会った男性と1年以内にスピード再婚した35歳女性の原動力とは
集英社オンライン / 2024年11月24日 17時0分
〈「34歳独女は夢見ちゃダメなの?」結婚・妊娠・キャリア…結婚相談所に入会した女性の本音「まだ可能性がある年齢だからこそ悩む」〉から続く
35歳の節目となる今年、3歳年上の男性と再婚を決めた千葉県在住の女性がいる。2年前、4年半続いた結婚生活に終止符を打ったが、絶望に打ちひしがれることなく、離婚翌日にマッチングアプリに登録。4日目にして出会った男性が現在の再婚相手だ。結婚から離婚、そして再婚へと力強く進んでいった女性の歩みとその原動力に迫った。
二回目の結婚は「コミュニケーションを大事にしたい」
35歳の節目となる今年、3歳年上の男性と再婚を決めた千葉県在住の染井さん(仮名、女性)。来春に挙式を控えているというが、新たなステージへと人生の駒を進めることに対して率直な思いを聞いた。
「来春の挙式も決まって、今は未来に意識が向いていますが、付き合っている最中は『どうしてこういう風に大切にしてあげられなかったんだろう』って、元夫に謝りたいと思うときは何度もありました。
ただそれは自己満足だし、もうできないので、二回目の結婚生活では今の彼とコミュニケーションを取る時間を大事にしていきたいなって思います」(染井さん、以下同)
20代は埼玉県に本社を置く広告代理店でバリバリ働いていたという染井さん。
結婚願望はそこまで強くなかったものの、職場と自宅を往復するだけの日々に危機感を覚え、パートナーを探すべく、街コンやマッチングアプリで恋活に励んでいた。
そんな矢先、会社の先輩から「たまには東京のお洒落なところで呑みに行こう!」と銀座のバーに連れていってもらった。そこで声をかけてきた1歳年下の長身イケメンの男性が、元夫だった。
3回目のデートで告白され、約3年の交際期間を経て29歳のときに結婚。元夫側の両親や親族にも可愛がってもらい、2人の新婚生活も充実感に満ち溢れていたという。
「新婚の頃は、帰る家に好きな人がいることがすごく楽しくて、喜びを噛みしめる日々でした。狭い家だったけど、お互いが好きなことして過ごして、『こんな日々がずっと続いていくんだろうな~』って思ってましたね」
金銭トラブルが発覚、夫婦生活は崩壊へ
そんな幸せに満ちていた結婚生活だったが、突如暗雲が立ち込めたのはコロナ禍の2021年のことだった。
「彼の金銭トラブルが発覚したんです。ある日、彼から突然『お金を貸してほしい』と頼まれて、かなりの大金だったので事情を聞いたんですが、なんだかはっきりしなくて…。ただ私も突然のことだったので、ものすごく取り乱してしまって、冷静になるために一旦、電車で2時間ほどの距離にある実家へ帰省しました」
実家に戻って冷静になったとき、これまでの彼の言動に関して、いくつかの矛盾点や不信な点が浮かび上がってきた。
染井さんは翌日、再び彼と住む住居に戻り、問いただしてみたところ、彼が以前から金銭トラブルを抱え、その事実を数年近く隠し続けていたことが発覚したのだった。
感情的になるのを抑え、頭を整理すべく再び実家に戻った染井さん。当時は「離婚」の二文字が頭をよぎることはなく、「どう生活を立て直そう」「そのためにどう気持ちを持ち直そう」ということで頭がいっぱいだったという。
「彼は人に弱みを見せるのが苦手で、表で作った自分のイメージを絶対に崩したくないってタイプの人でした。だから『金銭トラブルのことは、親戚にも言わないでほしい。誰にもバレなければ全部元通りだから』って言われたんですけど、何年も嘘をつかれ続けたことで夫婦関係に自信をもてなくなりました。そもそも私一人で抱えきれないと思い、実家の家族に相談したんです。でも彼にとってはそれが許せなかったらしくて…。
それ以降は、2人の家に帰ると口喧嘩が絶えませんでした。付き合いたての当初、『大好きだよ』とたくさんの愛情を注いでくれた彼の姿からは想像できないぐらい、憎しみや怒りをぶつけあうようになりました」
金銭面以外では、とても朗らかな人だったという元夫。何度も関係修復を図ろうとしたものの、一度生じた綻びが元に戻ることはなかった。
家庭内別居状態を半年続けながら離婚準備を進め、結婚5年目の2022年10月、正式に離婚に至ったという。
離婚翌日にマッチングアプリ登録、4日後に再婚相手と出会う
離婚後はどのような心境だったのか。
「だいぶ自信を失いましたね。私も仕事が忙しかったときに、彼に威圧的な態度をとってしまったり、彼が相談しづらい環境を作ってしまった部分はあって…。優しい彼を変えてしまったのは私だなと責任を感じていました。あとは元夫の親族にもすごくよくしてもらったので、謝罪もお礼も伝えられずに離れるのが申し訳なかったし、すごく辛くて…。」
ただそんな状態からでも染井さんの前を向く力と行動力はすさまじかった。
2人で役所に離婚届けを出した翌日にマッチングアプリに登録。4日目に出会った3歳年上の男性と3カ月後に交際を開始し、半年後にプロポーズを受けた。35歳の来春、挙式を控えているという。
「自分の気持ちと置かれている状況は別物ですから」
そうサラっと答える染井さん。その言葉の真意を詳しく聞いてみると、
「もちろん離婚はショックだったし、誰かと生活を続けることに自信をなくして『私は誰も幸せにできない』って思ってたけど、その気持ちに従って出る行動は絶対ネガティブなので、それは間違っているなと冷静に考えればわかります。『こうありたいな』と自分の姿を考えたとき、次のステップは『出会うこと』だと思ったので、それに従ったまでです。ここで歩みを止めたら一生止まってしまいそうな気がしたので」
それにしてもなんとも怒涛の展開だが、染井さんが再婚へと力強く進むに至ったその原動力とはなんだったのか。
「『誰かを大事にしたい、大事にされたい』『いろんなことを分かち合いたい』っていう想いを諦めたくないと思いました。子どもが欲しいとか、結婚したいって、まだずっと先にある家族の形だと思うので、まずは気持ちの面で純粋に『もう一度誰かを大切にしたい』って思いました」
30歳目前で一度目の結婚を経験し、35歳で二度目の結婚を控える染井さん。30歳と35歳の違いや、二度目の結婚に対しての思いを聞いた。
「職業もののドラマとか見ていても30代って仕事も私生活も波にのっていて、かっこよくて頼りがいのある女性ってイメージがあった分、30歳のときは『何者かになりたい』って思いが強かったし、自分が持っていないものばかりに目が向いていました。人の目も気にしてたし、誰かが私を見て『順調』とか『立派』って思っていてほしいみたいな。
でも35歳の今は、自分が持っているものに目が向いていて、自分の基準で幸せになれそうな方向に歩みを進めていければいいかなって。今の彼とは一緒に過ごす時間をもっと大切にしながら、一つ一つ生活を積み重ねていきたいなと思っています」
取材・文/木下未希 集英社オンライン編集部
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