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筋トレも美容もすべてムダにしてしまう「野菜不足」…野菜をきちんと摂ることで強化される人間のあるシステムとは

集英社オンライン / 2024年11月28日 11時0分

毎日きちんと食べているつもりでも、実は体のためになってない!? まず、野菜に関して言えば、厚生労働省が1日350g摂ることを推奨しているように、私たちの健康には欠かせないものだ。でも、実際はぜんぜん量が足りなかったり、間違った食べ方のせいでその栄養を十分摂取できていなかったり、など、野菜の栄養をからだに活かすことは意外に難しいといわれている。

【画像】からだづくりの基礎はコレ!

効率よく野菜の栄養を摂取できる方法を『間違いだらけの「野菜」の食べ方』(青春出版社)より一部抜粋・再構成してお届けする。

肌荒れ、便秘、だるさなどの不調はまず野菜不足を疑う

便秘や肌荒れ、貧血に悩んでいる人は多くいます。また、「からだがだるい」「疲れやすい」「風邪を引きやすい」など、長引く不調に困っている人もいるでしょう。



もしかしたら、それらのトラブルは野菜不足が原因かもしれません。

野菜にはビタミンやミネラル、食物繊維が多く含まれており、それぞれ次のようなはたらきがあります。

●ビタミン
からだの機能を正常に保つサポートをします。体内ではほとんど合成できないため、食事から摂取する必要があります。ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの計13種類です。

●ミネラル
からだを構成する酸素、炭素、水素、窒素以外のものの総称で、無機質ともいいます。筋肉や神経、ホルモンのはたらきを調節するほか、骨や細胞などの材料になります。代表的なミネラルは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデンです。

●食物繊維
人の消化酵素で消化できない物質です。善玉菌のえさとなって腸内環境を整えるほか、脂質や糖の吸収を抑制し、血糖値の急上昇を抑えるはたらきもあります。炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルを5大栄養素といいますが、食物繊維は「第6の栄養素」ともいわれています。

野菜不足によりビタミン、ミネラル、食物繊維が足りていないと、心身にさまざまな不調が現れます。

たとえば、野菜の摂取量が少なく食物繊維が不足すると、食物繊維をえさとする善玉菌のはたらきが悪くなり、腸内環境が乱れます。すると便が固くなって排便が困難になります。その結果、便秘になりやすくなるのです。さらに、腸内環境を整えることは、免疫力を高めるうえで重要とされています。

腸内環境が乱れると肌の調子も悪化します。加えて、野菜が不足していると、ビタミンCやビタミンA、ビタミンB群も不足しがちです。これらのビタミンは肌をすこやかに保ったり、弾力を支えたりするのに欠かせないため、ニキビやシミ、しわ、たるみなどの原因にもなりかねません。

野菜は体内の免疫システムを強化してくれる

女性に多いとされる鉄欠乏性貧血も野菜不足とかかわっています。

鉄は血液の赤血球中にあるヘモグロビンのもとになります。ヘモグロビンは酸素を全身に運ぶ働きがあるので、貧血でヘモグロビンが少ない状態になるとからだは酸素不足になり、頭痛やめまい、立ちくらみなどの症状が現れます。からだが疲れやすくなったり、だるくなったりもします。なお、貧血には巨赤芽球性貧血というタイプもあり、こちらは、ビタミンB12や葉酸の不足が原因でおこります。

疲労感やからだのだるさは、前述の通り、貧血の症状の一つです。また、ビタミンが足りないと、エネルギー源である炭水化物やたんぱく質、脂質を体内で十分に活用できず、エネルギー不足になりかねません。このエネルギー不足が、疲労感やだるさを招いているケースもあるのです。

風邪を引きやすいのも、野菜不足が原因かもしれません。

私たちのからだには、細菌やウイルスといった病原体の侵入を防いだり、戦ったりする機能があり、これを免疫システムといいます。

免疫システムの担い手である免疫細胞は、その70%が腸に生息しているといわれます。野菜不足で腸内環境が乱れていれば、免疫システムがうまく機能せず、風邪をはじめとする感染症にかかるリスクが高まります。加えて、ビタミンAには粘膜を強化する作用が、ビタミンCやビタミンB群には免疫細胞のはたらきを助ける作用があり、これらのビタミンが野菜不足により足りていないと、免疫システムがさらに弱くなってしまいます。

すべての不調の原因が野菜不足だということはありません。つらい状態が続くようなら、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

ただ、野菜不足が心身の不調の引き金になる可能性があることは間違いありません。「最近、なんだか調子がよくないなあ」と感じているのなら、野菜不足になっていないか、1日350gの目安量などを参考に自分自身でチェックしてみてください。

たんぱく質の吸収には野菜のビタミン・ミネラルが不可欠

食べ物に含まれる栄養素のうち、炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質をエネルギー産生栄養素といいます。エネルギー産生栄養素のうち、近年とくに注目を集めているのがたんぱく質です。プロテインドリンクをはじめ、たんぱく質を強化した食品も増えており、たんぱく質ブームといっても過言ではありません。

たんぱく質はエネルギー源として利用されるだけでなく、筋肉や臓器、皮膚、毛髪などのからだを構成する成分になります。また、ホルモンや酵素、抗体など、身体機能を調整する成分の材料にもなる重要な栄養素です。

ではこのたんぱく質は、1日にどれくらい摂取すればいいのでしょうか。

年齢、性別、妊娠中あるいは授乳中かどうかで必要なたんぱく質の量は異なりますが、「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、1日あたりの推奨量は男性15~64歳は65g、65歳以上は60g、女性15~17歳は55g、18歳以上は50gとなっています。

また、1日の食事量全体に対する目標量は、総エネルギー摂取量に対して1~49歳は13~20%、50~64歳は14~20%、65歳以上で15~20%となっています。仮に1日の総エネルギー摂取量の目安が2000kcalの場合、65~100g(13~20%)となります。1食あたり25~30g程度は摂るようにするといいでしょう。

たんぱく質が不足すると、筋力だけでなく活力や身体機能も低下するうえ、肌がたるむ、髪がパサパサになる、爪が折れやすくなるなど、美容面でもさまざまな弊害があります。

また、前項で取り上げた赤血球はたんぱく質がないとつくることができないため、鉄欠乏性貧血の原因にもなります。ですから、肉類、魚介類、牛乳・乳製品、卵類、大豆・大豆製品など、良質なたんぱく質を含む食品をしっかりとり、推奨量や目標量を摂取するよう心がけることが大切です。

ビタミンB12の不足には要注意

ただし、がんばってたんぱく質だけをとっても意味がありません。

たんぱく質の消化吸収には、ビタミンB6、B12、葉酸、亜鉛などがかかわっています。ビタミンもミネラルもほとんどは体内でつくり出すことができないため、食品から摂取する必要があります。つまり、いくらたくさんたんぱく質をとったり、筋トレにはげんだりしても、ビタミンやミネラルが不足していれば消化吸収の効率が悪くなり、せっかくの努力がムダになってしまうのです。

なお、たんぱく質には動物性たんぱく質と植物性たんぱく質があります。植物性たんぱく質はおもに大豆や大豆製品からとれますが、大豆・大豆製品にはビタミンB12が含まれていません。野菜や果物にもビタミンB12は含まれていません。また、植物性たんぱく質は動物性たんぱく質に比べて利用効率が悪いとも言われています。

たんぱく質をおもに植物性たんぱく質から摂取している人や、動物性たんぱく質を避けている人は、ビタミンB12の不足に気をつけましょう。また、高齢になると胃酸の働きが悪くなり、ビタミンB12の吸収効率が悪くなることがあります。ビタミンB12が不足すると悪性貧血の原因にもなるため注意が必要です。

『間違いだらけの「野菜」の食べ方』(青春出版社)

林芙美(監修)
『間違いだらけの「野菜」の食べ方』(青春出版社)
2024年11月19日
1177円(税込)
192ページ
ISBN: 978-4413212199
毎日たくさん食べていても、実は栄養になってない!? 厚生労働省が1日350グラム摂ることを推奨しているように、私たちの健康に野菜は欠かせません。でも、実際はぜんぜん量が足りなかったり、間違った食べ方のせいで栄養が十分摂取できていなかったりして、野菜の栄養をからだに生かすことは意外に難しいのです。たくさん食べるためのアイデア、栄養素を生かす調理法、野菜ギライな人もいつの間にか食べられるちょっとした工夫も紹介。この一冊で、あなたの家庭の“ベジライフ”はもっと豊かになります。

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