〈加古川小2殺害事件〉「少女が血を流す姿に興奮した」ついに逮捕された男の父は警察官。小柄な好みの女児を物色、尾行、犯行に及んだ鬼畜の極み
集英社オンライン / 2024年11月27日 17時38分
〈〈たつの市・小4児刺傷〉「みんな犯人はアイツしかいないって…」勝田容疑者の幼馴染が見たイジメと“優しい家庭”〉から続く
兵庫県加古川市で17年前に小学2年の鵜瀬柚希(うのせ・ゆづき)ちゃん(当時7歳)が刺殺された事件。県警は11月27日、別の女児の殺人未遂容疑で逮捕して取り調べていた勝田州彦容疑者(45)の関与が強まったとして、殺人容疑で再逮捕した。勝田容疑者は2004年に岡山県津山市で起きた小3女児殺人事件で無期懲役が確定しており、女児を標的にした連続殺人事件が、20年の歳月を経て解明されつつある。
風穴をこじ開けたのは岡山県警の執念か
勝田容疑者は2007年10月16日午後6時過ぎ、加古川市内の路上で柚希ちゃんの胸や腹を刃物で刺し、失血死させた疑いがある。
柚希ちゃんはその日、下校後に近くの公園で友達と遊び、門限が近づいたため急いで帰宅しようとしていた。勝田容疑者は、柚希ちゃんが裏口に自転車を停め、徒歩で玄関に向かうわずかな間隙を狙った。
悲鳴を聞いて姉や妹、母、祖母が飛び出したとき、柚希ちゃんは立ったまま「痛い、痛い」と泣いていた。病院に運ばれる救急車の中で柚希ちゃんが「おとなの男の人に、たたかれた」と最後のメッセージを残したのは、刃物で刺されたと認識できないほど瞬時の、勝田容疑者の「手慣れた」犯行だった証左だろう。
その前年の2006年9月には、同じ兵庫県西部の播州地区・たつの市の路上で塾から自転車で帰宅途中の小4女児が胸などを刺され重傷を負った殺人未遂事件があったが、県警は両事件の捜査で勝田容疑者を絞り込むことができなかった。
そして2009年、姫路市で6歳女児の腹を殴ったとして逮捕され、2015年には同市で14歳の女子中学生の腹を刃物で刺して殺人未遂容疑で逮捕された勝田容疑者は、懲役10年の実刑判決を受けた。
この事件の受刑中、捜査は一気に進んだ。風穴をこじ開けたのは岡山県警の執念だった。
「犯人はあいつしかいないだろ」と言われていた
2004年9月、岡山県東部の津山市の民家で小3女児が刺殺された事件で2018年5月、岡山県警捜査1課は勝田容疑者を殺人容疑で逮捕した。
下校中の女児の後をつけて自宅に侵入、首を絞めたうえ胸や腹などを刃物で刺して殺す異常な犯行だった。
「この事件の取り調べでも明らかになった『少女が苦しむ姿を見ると興奮する』という性癖が、勝田容疑者がシャバにいる間、兵庫県西部から岡山県東部にかけて頻発した事件のキーワードでした。
2015年の姫路市の殺人未遂事件の公判で勝田は、『少女が血を流したり激痛に苦しむ姿に興奮を覚え、帰宅後に自慰にふけった』『自分の腹を刃物で刺して血を出し、少女の流血を想像して興奮した』などと証言し、自傷が勢い余って入院するほどのケガを負ったこともあったようです。
岡山県警はこうした勝田の性癖に注目、兵庫県警からの情報提供も生かして発生15年目にして小3女児殺害事件を解決しました。当時から今回の加古川やたつのの事件に勝田が関与していた可能性は指摘されていましたから、兵庫県警としてはようやく一矢報いたというところでしょう」(社会部事件担当デスク)
父親は兵庫県警の警察官、母親は県警の職員という家庭に生まれ育った勝田容疑者にとっては、皮肉とも因果応報とも表現しようのない帰結だが、そんなことは被害者やその関係者にとっては何の関係もない。
♯3で証言を寄せた幼馴染は少年時代の勝田容疑者とその家庭について、「本人は物静かで、家庭も普通というより優しい家庭」と回顧した。
しかし、一方で「当時の同級生の間では、今回の事件に関しても『犯人はあいつしかいないだろ』と言われていた。小さい女の子にあんな酷いことをできるやつが世の中にいっぱいいてほしくないとみんなが思っていた」と胸中を明かしていた。
勝田容疑者は逮捕前の任意聴取で、「防犯カメラのない場所を選び、事件前から女児を物色していた」「小柄で抵抗されにくい、好みの服装をしている女児を尾行して刺した」と供述していたが、逮捕後は黙秘をしているという。
シリアルキラー、勝田州彦。鬼畜の手で無念の死を遂げた少女たちが、天国で幸せに暮らしていることを祈るしかない。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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