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あのビル・ゲイツも休日にはデジタルデトックス? マイクロソフトのエリートたちが人生を楽しくする休日を過ごすために実践する5つの簡単なこと

集英社オンライン / 2024年12月15日 11時0分

「日本人は疲れてから休み、世界の一流は疲れる前に休む」休むために働くという欧米パワーエリートたちの休日の過ごし方とは〉から続く

「ワークライフハーモニー」という言葉を知っているだろうか? 休日が生活の原点であり、休みのために仕事をするという考え方だ。

【写真】パソコンの産みの親であるこの人も、休日にはデジタルデトックスでリフレッシュしていた

書籍『世界の一流は「休日」に何をしているのか』より一部抜粋・再構成し、日本人には理解しにくいこの考え方を、世界の一流たちの休日の過ごし方を紹介しながら解説する。

自己再生とエネルギー・チャージ

マイクロソフトには、約300人のバイスプレジデントがいますが、彼らの休日の過ごし方を観察してみると、大きく二つの共通点があることに気づきました。

一つは、土日の休日を、次の1週間を成功に導くための準備期間と考えて「自己再生」(本来の自分を取り戻す)を意識していること。

もう一つは、スポーツや趣味、家族や友人とのバーベキューやキャンプなどを楽しむことで、身体と心、脳のリフレッシュを図り、次の1週間に向けて、エネルギーを「チャージ」(充電)していることです。

彼らは休日を休息のための時間ではなく、仕事で成果を上げるための「原動力」と考えているのです。

私が注目したのは、彼らがそれを「楽しんでやっている」ことです。

仕事を成功に導くための準備というと、多くの人が「苦行」や「修行」を連想してウンザリした気持ちになると思いますが、マイクロソフトのエリートたちは、スポーツや趣味を楽しみ、休日を満喫することで、自己再生とエネルギー・チャージという二つの目的を実現していたのです。

「充実した休日を過ごすことで、仕事の成果が上がる」→「成果が上がれば、休日が楽しくなる」→「休日が楽しくなれば、さらに成果がアップする」……というサイクルを回すことによって、「人生を楽しくしている」のだと思います。

彼らが休日に実践しているのは、次のような5つのことです。

【実践①】休日と仕事を切り離す

休日と仕事を完全に切り離すことを意識しています。

仕事のことは頭の片隅に追いやって、スポーツや趣味など、目の前の楽しさに集中することを徹底しています。

仕事を忘れることで、脳と心と身体を「完全リセット」しているのです。

【実践②】エネルギーを再充電して、創造性や集中力を高める

休日は怠けるための時間ではなく、自分の中のエネルギーを再充電して、創造性や集中力を高めるための機会と考えています。

充実した休日を楽しむことで、ストレス・レベルを下げ、長期的なパフォーマンスの向上を目指しています。

【実践③】デジタルデトックスの時間を作る

休日には、デジタルデバイスから距離を置くことを重視しています。

メールやSNSの確認を控えることで、仕事の圧力から解放され、リラックスした気分で休日を満喫できるといいます。

必要な連絡は事前に済ませるか、休日明けに対応することを周知徹底しています。

パソコンの産みの親であるビル・ゲイツも、休日にデジタルから離れる時間を意図的に作っていました。

あのビル・ゲイツでも、デジタルデトックスによって脳をリフレッシュしていることに、何か本質的な「解」があるように思います。

【実践④】健康管理を徹底する

平日だけでなく、休日も健康管理に気を配っています。

「健康的な食事」と「十分な睡眠」、「適度な運動」は、彼らのルーティンの一部になっており、これらを徹底することで、仕事中の高いエネルギーレベルを維持し、ストレスに強い身体を保つことを意識しています。

エグゼクティブの多くが、休日に軽い有酸素運動をしています。

ゆっくりとしたジョギングは、膝を傷めないだけでなく、糖尿病になるリスクを抑えたり、寿命が伸びるという医学的データもあります。

ジョギングは場所や時間を選ばず、道具も必要ないため、手軽な健康法として習慣化している人が多く見られました。

【実践⑤】良好な人間関係の維持

親しい友人や家族と一緒に過ごす時間を重要視しています。

人とのつながりや信頼関係、愛情を深める行動は、オキシトシンの分泌を促します。

オキシトシンは、「愛情ホルモン」や「絆ホルモン」とも呼ばれ、脳内にオキシトシンが分泌されると、長く続く幸福感を得ることができます。

人間の脳は、達成感が得られるとドーパミン(快楽ホルモン)を分泌したり、軽い運動などによってセロトニン(リラックス・ホルモン)を分泌しますが、これらのホルモンは一時的なもので、長続きすることはありません。

世界の一流は、気心の知れた友人や家族と一緒に時間を過ごすことで、長期的な幸福感を手に入れているのです。

こうした考え方から、彼らエグゼクティブが目指しているのは、「ワーク・ライフ・ハーモニー」(仕事と生活の調和)の実現であることがわかります。

ワーク・ライフ・ハーモニーとは

英語には「ワーク・ライフ・バランス」という表現があり、日本でも古くから知られていますが、この二つの考え方には大きな違いがあります。

ワーク・ライフ・バランスというのは、釣り合い人形の「弥次郎兵衛(やじろべえ)」のように、仕事と生活のバランス(均衡)を取って、どちらかに傾かないようにする……という考え方ですが、ワーク・ライフ・ハーモニーは、両者を切り離して考えるのではなく、上手に統合して調和させることを意味しています。

頑張って仕事をすると、プライベート(私生活)が犠牲になります。

私生活を優先させると、仕事がおろそかになります。

日本のビジネスパーソンは、仕事と私生活を「対立構造」で考えがちですが、マイクロソフトのエグゼクティブは、仕事が個人の成長を促し、個人の生活が仕事のパフォーマンス向上に役立つ……と考えています。

彼らは、仕事と私生活の両方のクオリティを上げて、両方の満足度を高めることを目指しているのです。

それを上手に統合して、調和を図る役割を果たすのが「休日」であり、彼らは休日を、ワーク・ライフ・ハーモニーの「原点」と考えています。

「休みのために仕事をする」という言葉には、そうした決意と覚悟が現れているように思います。

写真/shutterstock

世界の一流は「休日」に何をしているのか

越川慎司
世界の一流は「休日」に何をしているのか
2024/11/1
1,738円(税込)
224ページ
ISBN: 978-4295410300

世界の一流が休日に必ずすること、絶対しないこと
年収が上がる「週末2日間」の過ごし方


日本のビジネスパーソンは、休日を「休息」の時間と考えて、身体を休めたり、ストレスの発散を心がけていますが、必ずしも思い通りにはなっていません。
休みが明けても、疲れは依然として残ったままで、ストレスも解消されていない……と感じている人がたくさんいると思います。

一方、世界水準のエリートであるエグゼクティブの休日の過ごし方には、大きな共通点があります。彼らは、休日を「何もしない時間」と考えるのではなく、「積極的にエネルギーをチャージする時間」(休養)と「知的エネルギーを蓄える時間」(教養)と位置づけているのです。

彼らは休日を休息のための時間ではなく、仕事で成果を上げるための「原動力」と考えています。筆者が注目したのは、彼らがそれを「楽しんでやっている」ことです。
仕事を成功に導くための準備というと、多くの人が「苦行」や「修行」を連想してウンザリした気持ちになると思いますが、筆者が在籍したマイクロソフトのエリートたちは、スポーツや趣味を楽しみ、休日を満喫することで、自己再生とエネルギー・チャージという二つの目的を実現していたのです。

世界の一流の休み方を知って、休日の解像度を上げることは、これまでとは違った視点で自分の休み方を見つめ直すきっかけになります。
「こんな考え方もあるんだな」という新たな気づきが、あなたの休日を充実させて、毎日の生活にメリハリを与えてくれることになるのです。

【本書の構成】
第1章 日本人は、なぜ疲れていても休めないのか? 
第2章 ここが違う!「世界」の休日と「日本」の休日
第3章 世界の一流は休日に「自己効力感」を高める
第4章 「土曜」と「日曜」を戦略的に使い分ける
第5章 休日に「1日7分」の新習慣

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