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「この人、ダメだ…」約1億円貢ぎホストと結婚も1年で離婚を決めた接客業の女性が「すべてのホス狂に伝えたいこと」

集英社オンライン / 2024年12月5日 17時30分

今年4月の歌舞伎町ホストクラブでの売掛(ツケ払い)全廃以降も、悪質な店舗の摘発報道は後を絶たない。その根底には“恋愛詐欺”と言っても過言ではない、ホストによる女性客への感情操作が問題にある。そんな中、元ホス狂で担当ホストと結婚するも、「その将来性や経済力のなさに冷めた」と離婚した女性が、「すべてのホス狂に伝えたいこと」を打ち明けた。

【画像】「ホス狂」時代に総額1億円ほどを貢いだというA子さんと担当ホスト

「ホストクラブでは金を多く使った女が一番偉い」

歌舞伎町のとあるグループ店のホストにハマり、1年で3000万円以上、約3年間にわたり1億円を貢ぎ結婚するも、わずか1年で離婚したというA子さん(29)。

「いま現在ホストにハマっている方で“自分がエース客になって一緒にホストを上がって結婚したら幸せになれる”と思っている方がいれば、決してそんなことはないと伝えたい」と言う。

A子さんに、ホストにハマり「ホス狂」となった経緯と、目が覚めた瞬間を聞いた。

「高卒で18歳から風俗で働いてて、それでいてお酒も好きで、20代前半からホストクラブにちょいちょい行ってました。ホストクラブはなんと言っても酒好き女性にとって“初回で安くベロベロになるまで飲める場”としては最高なんです」

22歳の頃までは、初めて入店するホストクラブの料金の安さを利用し、何店舗も巡って飲み散らかすという、俗に言う“初回荒らし”をしていたA子さん。だが、23歳のときに出会ったホストによって運命は大きく変わる。

 「彼は“ザ・ホスト”って感じで、オラオラな営業法で顔もめちゃタイプ。最初は女友達と行ってたけど、そのホストを本指名するようになってからは週に2、3回ひとりで行くように。そして“あっちのあの卓の子、◯◯◯(シャンパンの名前)入れるらしいよ”とか煽ってくるようになったんです」

一般的な感覚なら「だから何?」という感じだが、ホストに好意を持っている女性にとってこういった “煽り”は、女性客に「負けたくない」という競争心を芽生えさせるようだ。A子さんは「歌舞伎町で言うところの札束で他の女性客を殺す」かのように、それ以上に高いシャンパンを入れたという。

「ホストクラブにおいては金を多く使った女が一番偉い、カッコいい、強い。だから他の客以上に自分がお金を使い、軽く叩き潰す感覚で一晩で高額なお金を使いました。当然、私がそのホストのエース客になりました」

結婚してようやく幸せな日々が過ごせるかと思ったら…

それまで都内ソープ店でマイペースに働いていたA子さんだったが、エース客の座を保つために北海道から福岡までさまざまな地方風俗店に“出稼ぎ”をした。

「だいたい1エリア5日間コースで50から70万稼ぎ、また次の地方を2、3エリア巡って、生理のときだけ都内に帰り一晩で150万円から200万円を使う流れでした。そのうち担当ホストと同棲することになると、もっと逃げ場がなくなりました」

同棲してからは、担当ホストのこんな弱い一面も見たという。

「私の次に太い客が切れそうとか、その客が切れると今月の目標額に達成しないとか、弱音を言うんです。そうなると“じゃあ私がもっと稼ぐね”って気になる。弱音を吐く彼を見たくないし、担当ホストの目標を保つことが自分の目標かのようになってしまう」

そしてこの担当ホストは、結婚をエサにA子さんにこんなことを言ったという。

 「バースデーで1000万円のシャンパンを売りたい(注文してほしい)。そしたら入籍しよう」

その言葉を信じて、生理中も含めた1ヶ月半もの地方出稼ぎに出たというA子さん。

「帰ってきたときにあまりに心身が疲弊してしまって、思わず寝ていたホストの首を絞めてしまったこともありました。そしたら起きた彼から“いいよ、好きにして”と言われて、我に返りました。その後、無事に1000万のシャンパンを入れて結婚しました。やった!報われた!と思いましたね」

ようやく幸せな日々が過ごせると思ったA子さんだったが、現実は違ったという。

「そのホストは入籍後、ホスト時代に稼いだ金でバーを開こうとしていました。私は店の経理を担当するはずでした。ふたりで店を持つ夢を叶えるためです。でも店を借りる際のトラブルに巻き込まれお金を持ち逃げされた挙句、投資詐欺にまで引っかかったんです。それがわかった瞬間“この人はダメだ”と目が覚めました」

「ホス狂のみんなに、その夢はいずれ覚めるよと言いたい」

目が覚めた瞬間にA子さんが思ったことは「こいつといかにスムーズに別れるか」だった。

「その男は女に金を使わせることはできても、自分で金を稼ぐことはできないんだと気づいたら、完全に冷めました。その瞬間から距離を置くようにして、夜逃げ同然で家を出て結婚から1年で離婚しました」

A子さんは「担当ホストと結婚しても幸せになれない」と断言するも、それは「人から言われて気づくものではない」とも言う。

「今はホストのために海外に出稼ぎに行く子も多いと思いますが、渦中では誰にどう反対されても“その先に幸せはない”と気づけないと思います。私もそうでした。だから自分の体力の限界を迎えるか、そのホストの人間としての薄っぺらさを目の当たりにして覚めるか。そうでなければ気づかないと思います」

ホス狂時代を振り返り、「もう2度とやりたくないけど楽しかった」という。

「ハードSM店に勤め、毎日客から体を切られ、客のウンコ食べて得た金をホストに貢いでた元ホス狂の友達も、“ホストの薄っぺらい一面”を見て目が覚めたと言ってました。私もその子も“まあ、ホス狂時代も楽しかった”と振り返ってます。もちろんもう2度と経験したくないけど。だからホス狂のみんなにも、その夢はいずれ覚めるよ、それと同時にホストへの思いも覚めるよって言いたいです…」

A子さんは現在、会社員と再婚し、関東近郊の長閑な街で暮らしながら専業主婦をしているという。

「今日、歌舞伎町に来たのも久々です。今は夫と犬と3人暮らしで何も刺激はありませんが、不安や苦痛は何もありません。これが幸せなんだなと噛み締めています」

そう言って笑うA子さんの左手の薬指には現在の夫との結婚指輪が光っていた。

取材・文/河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班

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