〈浅草・夫婦逮捕から10ヶ月〉「生まれたときから殺人者になってるわけじゃねーんだわ」実父が語ったボンボン息子の妻・志保被告への思い
集英社オンライン / 2024年12月24日 17時0分
〈「ケンちゃんにはお金を任せられない」浅草のボンボンが“接客業”の妻とともに娘、姉さらに父を殺害した容疑で再逮捕。伯父の重大証言とは…〉から続く
春まだ遠い2024年のバレンタインデー、4歳になる次女を「毒殺」したとして国際的な観光名所・浅草のホテル経営者夫妻が逮捕された。車の不凍液を使って我が子をじわじわと弱らせ、亡き者にするという残忍な手口。これだけで十分におぞましいが、この事件は一族の資産を独占しようと肉親を次々に手にかけた、衝撃の“家族喰い”の序章に過ぎなかった。
鬼畜夫妻、犯行の経緯
次女を毒殺した事件で警視庁に殺人容疑で逮捕されたのは、東京都台東区で「浅草ホテル旅籠」などを経営する「ホソヤ産業」代表取締役の細谷健一(43)と志保(38)夫妻。
容疑事実は2023年3月、当時4歳だった次女の美輝ちゃんに不凍液(エチレングリコール)や向精神薬を摂取させて中毒死させたというもの。
発生から1年近く経っての強制捜査着手は警視庁の慎重な姿勢を感じさせたが、それもそのはず。健一容疑者の両親と姉の3人が2018年にそろって薬物中毒死とみられる不審死を遂げていたからである。
同年1月18日に母親の八恵子さん(当時68歳)が入院先で死亡、5月2日に姉の美奈子さん(同41歳)が自宅で死んでいるのが見つかり、6月5日、前年から体調を崩し入退院を繰り返していた父の勇さん(同73歳)が病院で亡くなった。
美輝ちゃん事件を入り口に内偵捜査を進めていた警視庁は今年3月に美奈子さん殺害容疑で2人を再逮捕、東京地検は3ヶ月の鑑定留置を経て9月に起訴。
そして健一・志保の両被告を警視庁は勇さん殺害容疑で再逮捕(10月25日)、八恵子さん殺害容疑で再逮捕(11月22日)するなど立件を重ねた。
集英社オンラインはこれまで10回にわたってこの事件を詳報してきた。父の勇さんは千葉県東金市から若くして上京、浅草の地場産業の皮革加工業で頭角を現して独立、「ホソヤ産業」を立ち上げて一代で財を成した名士だ。
八恵子さんとの間に美奈子さんら2女、末っ子で初めての男の子である健一被告を授かり、「跡取り」として大事に育てたが、ボンボンは期待通りに育たなかった。
客として入れ上げた志保被告と駆け落ち同然で結婚、父親から「期待外れ」とさじを投げられ、金遣いの荒さから「ケンちゃんにはお金を任せられない」と姉の信頼も失った中年男。
夫妻を鬼畜の所業へと駆り立てた動機は、公判が始まれば自ずと明らかになるだろう。
親族が証言する母・八恵子さんの言葉
親族の女性は、夫妻が母の八恵子さん殺害まで関与していたことについて、こう肩を落とした。
「私はケンちゃんとは全然会ってなかったし、勇ちゃんも仕事が忙しいから全然会っていませんでした。でもヤエちゃんとは数ヵ月に1回会って2時間ほど話をしたり、お芝居を見に行ったりしていました。歌舞伎とか明治座とか、新宿コマ劇場や銀座のディナーショーにもよく出かけました。
でも、ヤエちゃんが家族の話をするのは全然と言っていいほどなくて、せいぜい2、3回ぐらいだったかしら。
勇ちゃんの会社の経理をやっていたヤエちゃんはケンちゃんのお嫁さんに対して『本当は手伝ってもらいたいけど事務もできない』ってこぼしたり、『何もしなくて、洗濯も掃除も料理もしない。いつもゴロゴロ寝てる』と愚痴っていました。でも話題はそれぐらいしかなかったので、どんな家族だったのかということはあまりよくわからないんですよ」
立て続けに家族が亡くなったことについては、こう証言した。
「ケンちゃんがあんなに財産のことについて揉めていたなんて報道見るまで全然知りませんでした。ヤエちゃんも勇ちゃんも入院中にお見舞いに行ったけど、詳しい病名までは聞いていませんでした。
ただヤエちゃんは透析をしていて、その関係でも病院に通っていたこともあったので、お見舞いに行っても普段通りに『また一緒に出かけましょ』なんて元気に言っていたんですよ。勇ちゃんはなんか血液の病気だと聞いた覚えがあります。
2人の葬儀の時にはもちろんケンちゃんもいましたが、落ち込むというよりは普段と変わらない状態に見えましたね。
当時は『なんでこんなに続くのか……。一年のうちに家族3人も亡くなるなんて珍しいねえ』って話をしたんですけどね。まさかこんな事件を起こすような子だと思っていませんでしたしね。ショックだし、ガッカリしましたよね。
今年の5月に3人の7回忌をもうひとりのお姉ちゃんが主になってやったんだけどね。この時はまだ勇ちゃんとヤエちゃんのことでも事件になるなんて思ってもなかったからね。本当びっくりよね」
志保被告の父親に電話をしてみると…
そして、捜査のきっかけになったのは3人が立て続けに“病死”してから5年後に起きた次女の変死事案だった。
夫妻にとって3番目の末っ子である美輝ちゃん殺害の動機は異質であるのは間違いないが、5年前の“成功体験”が下地になったのではないか。
ネグレクトや虐待の疑いで、東京都や台東区が2016年から家庭訪問を始め、「養育困難」という相談を受けるなど「子育て」に関しても札付きだった健一・志保夫妻。
2019年には浅草署の通告で子供全員を一時保護したり、2022年9月には美輝ちゃんに引っかき傷があるのを保育所が見つけていた。
美輝ちゃん殺害の動機の心当たりがあればと志保被告の父親の携帯電話を鳴らしたが、取材を申し込んでも「それは受け付けてないわ。悪いね」と取り付く島もなかった。
それでも、娘がどんな子だったのかを尋ねたときだけ、吐き捨てるようにこう答えた。
「どんなお子さんって、お子さんみんなかわいいに決まってるだろーよ。そんなもの生まれたときから殺人者になってるわけじゃねーんだわ」
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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