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〈懲役9年〉「抵抗しようと思えばできたはず」13歳少女に性的暴行、児童ポルノ動画29点所持の”鬼畜”わいせつ校長に実刑判決

集英社オンライン / 2024年12月9日 18時56分

教え子の女子中学生に校内で性的暴行を加えてけがをさせたなどとして準強姦致傷と児童買春・ポルノ禁止法違反(所持)の罪に問われた東京都練馬区立中学校の元校長・北村比左嘉被告(57)の裁判員裁判が12月9日、東京地裁であった。細谷泰暢裁判長は「被害者が抗拒不能だったと被告が認識できなかったことは考え難い」として懲役9年(求刑懲役10年)の実刑判決を言い渡した。

【画像】北村被告の自宅。保釈中だというが人の気配はなく、近隣住民は「妻も子も事件後みかけなくなった」と話していた

「恋人のように付き合っているつもりだった」などと主張していた

北村被告は練馬区立三原台中学の校長だった昨年9月、校長室の執務机の引き出しの中に児童ポルノ動画29点と画像19点が入ったビデオカメラを所持していたことで警視庁捜査1課に児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で逮捕され、同29日に教え子の女子生徒に対する準強姦致傷容疑で再逮捕された。

都教育委員会が設置した相談窓口に元教え子から性暴力の被害申告があり、おぞましい犯行が次々に明らかになった格好だ。

「実際に北村被告から性暴力を振るわれ、行為の場面を写真や動画に撮られた教え子Bさんからの情報提供が、鬼畜教師を追い詰めました。北村被告はマッサージを口実に校内の一室に呼び出し、わいせつ行為を繰り返していたわけですが、Bさんが被害を受けたのは2012~2013年のこと。行為自体は準強姦罪を問えるものの、この罪名は公訴時効が10年という制約があった。

ところが押収した証拠動画の中に、別の女生徒Aさんへの暴行の模様が映っており、体の一部に炎症反応が起きたとみられる変色が認められため、東京地検はこの行為については『準強姦致傷罪』が問えると判断。動画撮影が2010年で、同罪の公訴時効が15年であることから、Aさんへの準強姦致傷と2少女のわいせつ動画などを所持していた児童買春・ポルノ禁止法違反の罪で起訴したのです」(社会部事件担当デスク)

初公判は11月20日に始まり、12月3日までの集中審理ではAさんとBさんも証言に立ち、裁判員らの前で自らが中学生時代に受けた性被害について勇気を振り絞って証言した。

これに対し北村被告が「恋人のように付き合っているつもりだった」などと主張。弁護側は児童ポルノ所持は認めたものの「被害者がけがを負ったことは証明できない。仮に準強姦罪にあたるとしても時効が完成しており起訴は無効」「抵抗しようと思えばできるものの、あえて自分から行動を起こさなかったに過ぎない可能性を否定できない」と反論、懲役10年の論告求刑に対し、執行猶予付きの判決を求めていた。

「Aさんは交際関係に支障をきたし、結婚に興味を失った」

こうした被告側の主張を、細谷裁判長は懲役9年という実刑判決で一蹴した。争点となった「障害を負わせたかどうか」については検察側の全治約一週間のけがを負わせたとする起訴内容を認定。

「Aさんが抗拒不能だったか」「それを認識していたか」については、「仕事のストレスで認知に歪みが生じた」とした被告側の主張を「その後も問題なく執務に当たり、校長にまでなっており、認知能力に歪みがあったとはいえない。被告の供述は信用できない」などと断罪。

犯行時に抵抗できなかったAさんについては「Aさんは中学入学当初から偏差値の高いトップ高に進学したい旨を明かしており、明確な拒否の態度をとることは困難だった」「被告に恋愛感情を抱いていると思い込む理由として理解できるものではありません」「Aさんは交際関係に支障をきたし、結婚に興味を失ったなどの影響が残っている」と慮った。

 判決公判では最後に、「AさんBさんはもちろんのこと、ご両親、当時同じ学校に通っていた他の生徒や保護者や地域は、この事件を知って学校に対する不信を抱き、社会の多くの人々にも影響を及ぼしています」「反省を深め、確実に更生してほしい」など裁判員からの意見も読み上げられた。

その声は、決して取返しはつかない罪を犯した彼の胸に届くだろうか。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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