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おごらせるのは「デートDV」? 内閣府が認定で“デート代論争”再燃…内閣府の担当者に真意をきいてみた

集英社オンライン / 2024年12月12日 18時0分

これまでも白熱したバトルが繰り広げられてきた「デート代論争」。男性が払うべきという意見や割り勘にすべきという意見…それぞれの価値観がSNS上で激しい議論になっている。そんな中で話題になっているのは、内閣府・男女共同参画局が《デート費用を全く払わない》行為は「デートDV」だと認定しているという件だ。内閣府の担当者にその真意をきいた。

【写真】瞬く間に拡散された内閣府認定DVの画像

“デート代論争“勃発!

12月11日、X上で「デート代」というワードがトレンド入りした。あるユーザーが、

「え、待って!? デート代出してもらうのって内閣府認定のデートDVだったの?」

と驚きの声とともに、画像を投稿。

その画像は内閣府・男女共同参画局の公式サイトより「デートDV」の例を挙げたページを切り抜き引用したもので、その投稿は瞬く間に拡散、コメントの嵐となった。

切り抜かれた画像では4つの暴力を紹介し、「精神的な暴力・身体的な暴力・性的な暴力・経済的な暴力」と分類し、それぞれ5つの具体例が挙げられている。

その「経済的な暴力」の中で、《生活費を渡さない》《貯金を勝手に使う》などと同列に《デート費用を全く払わない》が「デートDV」に認定されているとして、大きな議論に発展したわけだ。

一般論として、デートにおいては男性が女性におごるのが当然と見なされてきたとし、内閣府がそれについて「DV認定した」と受け取る人々が続出。

そこから男性がデート代をおごるべきか、割り勘にすべきか、稼ぎが多い方が支払うべきかなどを巡り、老若男女それぞれの立場で意見が分かれた。

2023年2月には、人気セクシー女優の深田えいみさんがXで、なぜ男性がデート代を支払わなければならないのかという声に対し、

「女性はそのデートの為に準備して洋服、メイク、美容代も入ってると思う 全部安くない。リップだってブランドなら4000円はする。可愛いって言って欲しくて、その為に凄く早起きして準備してる それを考えた上で、女性に出してあげて欲しいって思う!」

と投稿したところ、賛否が分かれ論争に発展した。深田は後日謝罪し、投稿を削除している。

これ以降もたびたび「デート代論争」は起こってきたが、男女や世代間の価値観の違いにより決着はついていない。

男性側の意見としては、「昨今は男性もメイクをしたり美容にお金をかけている」、あるいは「時計などデートに付けていくものや、お迎えの車などは高価」だとし、女性のデート準備と同じだとする声も多い。

「自分にも稼ぎがあるから割り勘で」という女性は、経済的に自立しているという称賛の声もある。

ただ、高齢の男性の中には、「女性に支払われたら恥ずかしい」との価値観もまだあるという人もいた。

女性側の意見としては、依然として深田えいみさんの“女性はデートの準備代がかかる”との投稿内容を引用し「おごってもらうのが当然」「喜んでおごってくれる人とだけ付き合う」という声もあれば、「借りを作りたくないし割り勘でいい」といった声もあり、様々な意見が飛び交っている。

そこで、内閣府男女共同参画局の担当者に話を聞いた。

「以前からある」資料だった

――《デート費用を全く払わない》は、男女問わず「デートDV」に当たりますか?

性別にかかわらず「デートDV」に当たると考えております。男性に支払わせる場合だけを指しているわけではありません。結局はご本人同士の関係性かと思います。

ご本人たちが本当にそれでいいと思っているのであれば、それが当人同士の関係性なので、例えば男性側がデート代を支払いたいと思い、女性側もそれに相応の感謝をしていれば良いのかと思います。

――《デート費用を全く払わない》という項目を入れたのはなぜですか?

「デートDV」を含むDVは、配偶者か交際相手という違いはありますが、一般的に「殴る」「蹴る」といった身体的暴力というイメージが強く、「殴ったり蹴ったりしていないからこれはDVではない」と思っている方もまだいると思うんです。

ここで紹介した趣旨としては、そういう身体的なものだけでなく、精神的なもの、例えば「罵(ののし)る」や「バカにする」「束縛する」もDVですし、性的なものや経済的なものもDVにあたるということを周知したいという考えからです。

そういった例をいくつか紹介しているなかのひとつに《デート費用を全く払わない》も挙げられるということです。

一方的に支払っているのが本当は嫌なのに、相手に言えないでいるということは「デートDV」またはDVにあたるということです。

前提として「対等な関係を築いていきましょう」「健全ですり合わせができる関係を築きましょう」という結論を男女共同参画局のサイトではお伝えしています。

この資料はここ1、2年で作成されたようなものではなく以前からあるのですが、今回のXの投稿を拝見し、SNS上で《デート費用を全く払わない》だけ切り取られてしまうとは考えておりませんでした。
 

――《デート費用を全く払わない》という項目を含め、サイトでDVとして挙げられているものは、実際の被害の声を取り上げたものですか?

各都道府県でご相談をいただく中で挙がってきた声や、男女共同参画局が3年に1回実施している「男女間における暴力に関する調査」(直近では令和5年の調査)で被害に遭った方からの話を踏まえ、事例が多いものをピックアップさせていただきました。

                   ※

男女問わず、相手の意に反し「デート費用を全く払わない」ことは「経済的な暴力」であり、「デートDV」にあたるという。

令和にアップデートされた価値観は再度、「デート代論争」に一石を投じることとなった。

 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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