〈浜名湖・17歳遺体〉「ゴミもタバコもポイ捨て、騒音もひどい上に『なんだテメー』とからんでくる…」亡くなった元バレーボール少年が最後に訪れたアパートは不良少年たちの“巣”。遺体発見現場との接点は?【2024 スクープ記事 4位】
集英社オンライン / 2024年12月19日 8時0分
2024年度(1月~12月)に反響の大きかったスクープ記事ベスト10をお届けする。第4位は、静岡県の浜名湖で湖面に浮いているところを発見された17歳の少年の遺体に関しての記事だった(初公開日:2024年2月17日)。静岡県湖西市新居町の浜名湖で今月9日、若い男性の遺体が湖面に浮いているのを釣り人が発見して110番通報した。遺体には殴られてできたような皮下出血が複数あり、県警捜査1課は13日、殺人事件と断定し湖西署に捜査本部を設置した。
アパートはヤンチャな少年少女たちのたまり場、トラブル多数
遺体は同県袋井市在住の通信制高校生、斉藤宇川さん(17)で、今月4日午後7時ごろに「遊びに行く」と自宅を出た後、行方不明になり、同7日に家族が袋井署に捜索願を提出していた。司法解剖の結果、死因は溺死で死後約1週間経過していた。
社会部デスクが解説する。
「斉藤さんは自宅を出た後、5日未明には浜松市内の知人宅のアパートを訪れ、複数の友人と過ごしています。この際、停めてあったバイクを倒したことなどからトラブルになったのを最後に斉藤さんの姿が見えなくなっており、捜査本部は当時アパートに集まっていた友人らの所在確認を進めてトラブルの詳細を調べています。
このアパートの部屋にはふだんから同世代の不良少年たちがたむろしていて、近隣住民と頻繁にトラブルを起こすことで知られていたようです」
実際、不良少年たちの周辺での悪評は想像以上だった。近隣住民がこう肩をすくめた。
「あいつらは本当に本当に迷惑でした。夜になると何人も集まってきて夜中までギャーギャーうるさいし、改造車やバイクをふかすし、ゴミはそこらに捨てる。タバコ、お菓子のゴミ、洋服が捨ててあったり、路上に吐しゃ物をまき散らしてたこともありましたよ」
事件後に捜査員が1階の部屋を捜索する様子を、この住民は見ていた。
「警察が調べていた部屋は、黒髪の小柄な女の子が金髪の彼氏と住んでいました。なんでも、その女の子の“親戚”が借りていたようです。アパートの前に日常的に停まっていた黒い軽自動車の中にはクロミ(サンリオのキャラクター)のぬいぐるみがびっしり入っていて、他にはレクサスとバイクも停まっていました」
ふだんから夜に大騒ぎを繰り返していたため、警察に通報する近隣住民もいたという。住民が続けた。
「そこらでたむろしてるから怪訝な顔したら『なんだテメー』って絡んでくるガキもいました。ペット禁止なのに猫飼ってたしね。そのくせ、他の部屋がうるさいと怒鳴り込んだり、生意気に説教しだしたりとやりたい放題でしたよ。あいつらが嫌で引っ越しした住人もいるぐらいです。
最初にこの事件の報道があった前日ぐらいに、警察が来ていたと思います。なんか外でワーワー騒ぐ声の中に、『令状がどうだ』とか『弁護士』とか『ヤクザ』とか物騒な言葉が混じってましたから。結局そこに住んでた女の子と金髪男は15日にはどこかに引っ越していきましたよ。管理会社の人は『猫を飼っていたのがバレたから』とか理由を言っていましたけど、どうなんでしょうね」
「最初は『ヤクザに拉致られた』って聞いていました」
斉藤さんは中学時代にはバレーボール選手として活躍し、磐田市内の私立高校に進学したが退学し、アルバイトをしながら通信制高校に通っていたという。年上のある友人が語る。
「彼はみんなから下の名で『ウカワ』って呼ばれていました。ノリもよくて、少しおちゃらけた、いいやつだっただけに寂しいです。中学ではバレーを頑張っていて、高校でもバレーをしていたんですけど、辞めて通信にいくようになったんです。
それで時間もあるからって浜松の街中で客の“呼び込み”のバイトをしていたんですよね。街中ではけっこう名前も知られるようになって、見た目も随分とあかぬけていた。去年の夏くらいに呼び込みのバイトは辞めて、最近は土木とかのバイトをたまにしていました」
キックボクシングジムに通うようになった斉藤さんは、腕っぷしにも自信があったという。
「ウカワは背も高くて、最近はキックボクシングも始めてだいぶガタイもよくなったんです。そこらの同年代じゃケンカも勝てないですよ。ちょっとトッポイところもあるんで、調子にのると『やんのか!』ってよく腕まくりしてふざけてきたり、軽く殴ってくることもありましたね。
それこそ、行方不明になる2、3日前も街中で友達と遊んでいるとこを見かけました。悪ノリなのか、本気なのかわかりませんが、ツレの友達と胸ぐらをお互いにつかみあってましたよ」
高校を中退し、夜の街にデビューした斉藤さんには、派手な一面もあったようだ。
「高校生のときは彼女もいたみたいだけど、最近はいなくてナンパもよくしていました。遺体が発見される2、3日前に『ウカワが行方不明になった』って話がでまわってきて、最初は『ヤクザに拉致られた』って聞いていました。
だからよほどヤバイ女にでも手をつけたのかなって心配していたんです。仲がよかった友達もインスタで『行方不明になって金もまったく持っていません。見かけた方はもしよかったら連絡してください』って呼びかけていました」
取材に応えた友人は、失踪前に斉藤さんが立ち寄った浜松市内のアパートや、そこに集まる知人たちのことも知っていた。
「ウカワの自宅は袋井だったけど、しょっちゅう街(浜松駅周辺の繁華街)に遊びにきていて、少し前までは“家康前”(浜松駅前の徳川家康をモチーフにしたモザイクアート広場)でたむろしていました。仲がいい仲間が4、5人いて、ほとんどがバイク持ちだったんですが、宇川はもってなかったから誰かの後ろに乗っていました。
最後にいた知人宅っていうのも、街の近くのみんなのたまり場で、そこには年上の先輩も何人か出入りしていました。その家にはよく、遺体発見現場の近くに住んでいる女の先輩も出入りしていました。黒い軽自動車に乗っていた人です」
快活なスポーツ少年が高校をドロップアウトして踏み込んだ「ヤンチャ」仲間との溜まり場で、何があったのか…。捜査本部は注目している。
※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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