「格差エグくない?」「悪趣味としか思えない」パリ五輪の開会式で世界を騒然とさせた珍演出!“血しぶきの中で生首が歌唱”は 日本ではコンプラ的に絶対NG【2024 スポーツ記事 1位】
集英社オンライン / 2024年12月21日 8時0分
2024年度(1月~12月)に反響の大きかったスポーツ記事ベスト5をお届けする。第1位は、7月26日に開幕したパリ五輪で、誰もがあっと驚いた開会式の演出についての記事だった(初公開日:2024年7月27日)。ついにパリ五輪が幕を開けた。7月27日の深夜2時半(現地時間で26日19時半)より開会式が行われ、オリンピックならではのお祭りムードの中、今回もさまざまな“珍演出”が話題になった。
入場シーンに国ごとの「船の格差なんかエグくね?」
開会式の舞台となったのは、パリ市内の中心部を流れるセーヌ川。この川は1923年より水質汚染による健康被害を理由にして遊泳が禁止されていたが、今回、パリ市は五輪を誘致するにあたって14億ユーロ(約2400億円)を投入して浄化作戦を展開した。
ところが、それでも今年の6月には川から基準値を超える大腸菌が連日検出されるなどして、相変わらず世界の各国から、水質汚染を指摘されることに。
すると開会式を間近に控えた7月17日、65歳のイダルゴ市長が自ら川で泳いで、水質が改善したことをアピール。かなり強引な策を講じて、なんとか“安心・安全”な開会式にこぎつけた。
そんないわくつきの川だが、選手の入場シーンでは、噴水をド派手にまき散らし、その中を船に乗った選手たちが登場。気になる水質だが、やはりお世辞にもあまりキレイには見えず、テレビを見る視聴者からは〈この川で噴水して大丈夫なの?〉〈選手にかかりませんように〉〈大腸菌浴びてるようにしか思えないんだけと大丈夫?〉など心配の声も……。
そして、この斬新な船による入場演出そのものも、物議を醸す対象になってしまった。というのも、今回は100隻以上の船に選手たちが乗って、セーヌ川をおよそ6キロ航行したのだが、国ごとに船がそれぞれ違い、じつに多様な船で登場した。
出場選手が多いアメリカやフランスが、大戦艦や豪華客船のような船を“貸し切り”で登場する一方で、ほかの国は4か国で一つの船に同乗したり、出場選手が数人しかいないブータンにいたっては、小さなモーターボートで登場したりと、ネットの反応ではそれを“格差”と捉える人もいたようだ。
また、海外の報道で「世界で最も美しいユニフォーム」と注目されたモンゴル選手団のユニフォームが、ウワサ通りのオシャレさだとポジティブな面でも注目を集めた選手入場だが、やはりこの“格差問題”にはネット上でも〈船の格差なんかエグくね? 揉めたりしないといいが〉〈小さい船が工作船とか難民船とか言われてて笑えん〉〈格差の可視化みたいで見ていて恥ずかしくなる気持ちが…〉〈船の豪華さは単純に人数の差であってほしい そうだよな? な?〉など動揺の声が広がっていた。
フランスらしい? マリーアントワネットの生首パフォーマンス
ちなみに日本の選手団もかなりの大人数だったが、船の貸し切りまではいかず、他国の選手と同乗。旗手はブレイキン男子の半井重幸選手とフェンシング女子の江村美咲選手が務めたが、NHKのテレビ中継で紹介された時間はわずか数秒だった…。
また、中継映像の中では、フランスの世界的ブランド「ルイ・ヴィトン」も登場したが、NHKではその言葉を放送できないため、アナウンサーが「カバンなどを作る工房のようですね……」と精一杯の説明をする一幕も。
フランスらしい(?)グレーな演出はまだまだある。日本では確実に物議を醸すであろう、キャバレーの“大人なショー”や、首を切り落とされたマリーアントワネットが、メタルロックを歌うというパフォーマンスも敢行。
演奏中にはまるで血しぶきを表現するかのように赤い煙が飛び交っており、〈平和の祭典なのにあんな演出するんだと驚いた〉〈冷静になったらオーストリアに激失礼ではあるな〉〈自由でおしゃれなんじゃなくて悪趣味としか思えない〉〈なんかフランスのこういうとこ本当好きだ〉と賛否を集めることになった。
船の入場でほかにも注目されたのは、紛争中のパレスチナの出場があったこと。わずか8人でありながら選手たちは船頭に立って笑顔で手を振っていた。そのうち、3名がガザ地区の出身だという。
そしてこの大会には、パレスチナからの不参加要請が却下され、大規模な軍事侵攻を行っているイスラエルも参加。パレスチナよりも規模が圧倒的に大きい選手団が、満面の笑顔で船の上から手を振っていた。
その後、クライマックスの方では、炎に包まれるピアノの横で、ジョン・レノンとオノ・ヨーコの「IMAGINE」が演奏されていたが、こうした経緯もあり、なんとも強いメッセージ性を感じてしまう演出になっていた。
とはいえ、全体としては華やかでオシャレさが際立っていたパリ五輪。フランス国籍のサッカー選手・ジダンを中心に、スペイン国籍のテニス選手・ナダル、アメリカの陸上選手・カール・ルイス、ニューヨーク出身のレディー・ガガやカナダの歌手・セリーヌ・ディオンがパフォーマンスするなど、国の枠にとらわれない世界のスーパースターたちが式を盛り上げているのも印象的だった。
ところで、過去の五輪の開会式ではどんなハプニングなどがあったのだろうか。五輪のうっかりシーンをまとめた書籍『うっかりオリンピック』の著者、こざきゆうさんに話を聞いた。
世界の同時中継でとんでもない事故映像
「私の独断と偏見で、これまでのオリンピック開会式の中で起きた珍事ベスト3をご紹介すると、まず3位は、1988年第24回ソウル大会の『ハト事件』ですね。
開会式では、“平和のシンボル”でもあるハトを飛ばして盛り上げていました。しかし、本来、聖火台に火が灯されるあとにハトが放たれるところ、うっかり、その前に放してしまったのです。
ハトは聖火台付近をうろうろ。点火されると聖火に包まれ焼け死んでしまいました。この悲劇は世界中に放映され、人々は大ショック。以後、生きたハトを開会式に使うのはやめましょうということになったのです」(こざきゆうさん、以下同)
インターネットやSNSが発展した今、このような事故映像が流れたら、この当時以上の大騒動になるのは必至だろう……。
「つづいて2位は、2012年第30回ロンドン大会での、『消えた日本選手団』事件です。開会式では参加各国が国旗を掲げて競技場に入場し大集合。
これが開会式の見どころのひとつとなっていますが、この大会では、日本選手が入って来た際、競技場への誘導スタッフが『日本選手団は途中退場する』と勘違い。競技場内を半周すると、そのまま退場してしまったのです。
そして1位は、2016年第31回リオデジャネイロ大会。このときは、その時点で過去最多となる207の国、地域が出場。しかし、参加団体が多ければ、入場行進が終わるまでの時間がかかるものです。
先頭で競技場に入ってきたギリシャ選手団から、ラストのブラジル選手団が入場し終えるまで2時間近くもかかってしまいました。長すぎて疲れてしまったのか、座り込んでしまう選手があちこちで見られました」
今大会でも船での入場ということもあって、かなりの時間をかけていたが、選手入場とパフォーマンスが交互に行われて、選手はもちろん、テレビを見る人も飽きさせない構成になっているのは見事であった。
果たしてここから、パリ五輪ではどんなドラマが誕生していくのだろうか。この勢いのまま、大いに盛り上がる2週間となってほしい。
取材・文/集英社オンライン編集部
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