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〈立花孝志氏・市長選落選も〉「選挙は一番金がかからないPR。出続けます」来年は南あわじ市長選、千葉県知事選にも照準。一方、兵庫県警が出頭要請も

集英社オンライン / 2024年12月16日 17時34分

NHK党の立花孝志党首(57)が出馬した大阪府泉大津市長選の投開票が12月15日に行なわれ、無所属現職の南出賢一氏(44)が立花氏を破り3選を果たした。11月の兵庫県知事選に出馬し、当選した斎藤元彦氏との“2馬力”と呼ばれる選挙戦を展開した立花氏は、高い知名度を引っ提げて地元の首長を目指したが、結果は惨敗。敗戦の翌朝には兵庫県知事選に絡む名誉棄損容疑で事情を聴きたいと兵庫県警から呼び出しがかかったとも公表した。

〈画像〉まるでアイドルの撮影会のように立花氏のもとに集まった人々…非難するプラカードも

南出氏の2万1700票に対し立花氏は4439票

得票は南出氏の2万1700票に対し、立花氏は4439票。当日の有権者数は6万239人で投票率は44.07%と、前回より6.27ポイント上がった。

立花氏は兵庫県知事選の期間中、斎藤元彦氏の疑惑を告発した元西播磨県民局長・Aさん(60)の公用パソコンから斎藤氏の側近らが見つけた私的な文書の“中身”と称する話を、街頭演説やSNS、選挙ポスターで拡散させた。

7月に急死したAさんを貶める内容で、「県議会やマスコミはこれを隠して無実の斎藤氏を陥れた」と立花氏は主張し、この言動が斎藤氏の支持拡大につながったとの見方がある。

立花氏自身も泉大津市長選告示日の12月8日、「俺が(発信を)出すことで斎藤さんが勝った」と発言している。(♯1

 知事に返り咲いた後も斎藤氏の疑惑がくすぶる中で迎えた泉大津市長選。

告示日に南海本線泉大津駅前で行なわれた立花氏の最初の演説会は、市内外から数百人の支持者が集まった。しかし、立花氏を非難するプラカードを持った抗議者も数十人集まり、罵声が飛び交う騒動になった。

この日、立花氏はホリエモンら有名ユーチューバーが店を並べる商店街をつくり、ユーチューバーのオリジナルグッズをふるさと納税の返礼品にすることで市の収入を増やすと宣言。

NHKが受信可能なテレビを捨ててチューナーレステレビを購入した人に助成金を出すことも公約に掲げた。

演説を聞いた後、「NHKをぶっこわーす」の決め台詞とともに立花氏と記念撮影をした40代の女性は、「立花さんは正直な人だと思うし、面白いことが起こる気がします」と喜んでいた。

聴衆の中には立花氏をYouTube動画で追ってきた県外の人も多く、中には東南アジアに在住し、一時帰国に合わせて演説を聴きに来た人もいた。

この50代男性は「立花さんは本当のことを隠さず、臆さずに話してくれていると思いますよ。正義感があるんだと思いますね。アンチの人も多く来ていましたが、立花さんの政策がきちんとしているから反対する人も出てくるんでしょう」と話した。

「感触は余裕(で勝てる)でしょう」と初日に語っていたが…

一方、この賑わいのことを聞いた兵庫県在住の50代の女性は、「彼(立花氏)が兵庫の知事選で何をやったのか、本当にわかっている人たちなんでしょうか。あることないこと適当に並べて亡くなった人やその周囲の人をめちゃくちゃに傷つけたんですよ。信じられない」と吐き捨てた。

もっとも、騒ぎになったのは告示日だけで、翌日からは選挙戦は静かに推移した。地元に選挙事務所を置かない立花氏は選挙カーを流しながら時おり街頭演説を行なったが、YouTubeで伝えられた映像などを見ると、大勢の聴衆が殺到するようなことは少なかったようだ。

ただ、掲示板に貼り出したポスター140枚は、立花氏に届いた「応援メッセージ」をひとつひとつ書き、すべて別の内容にしたという。

SNSに出回る写真では、そのうちの一枚に「泉大津市から兵庫県の異常を正す、立花さんしか出来ません。みんな気がついて!」と書かれてあった。

選挙戦最終日の14日には駅前での街頭演説予告に100人を超える人が集まったが、「感触は余裕(で勝てる)でしょう」と初日に語っていた見通しもむなしく、南出氏が4倍以上の得票差で完勝した。

それでも立花氏はこの結果に手ごたえを感じたと強調している。落選が確実になった15日深夜、自身のYouTubeチャンネルで述べた敗戦の弁で、供託金没収ラインを超えたことをアピールした。

「供託ライン超えることができました。17パーセントくらいですので。これ僕5回目の市長選なんですが、実は初めて供託ライン超えたんです」

結果には「大満足」という立花氏は、兵庫県知事選の出馬をぶち上げた2か月前とはNHK党や自身を取り巻く環境は大きく変わって「来年の参院選挙に向けては十分戦える力がついてきていると思います」と自己分析。参院選で自分を含む2議席を取りに行くとの目標を挙げた。

「ネットを利用して自分の考え方をアピールしたら勝てる年になった」

さらに立花氏は、来年1月に行なわれる兵庫県南あわじ市長選にも出馬すると言明。同市の市長は、兵庫県知事選の終盤に斎藤氏の対立候補を支持すると共同で表明した22市長の一人で、22人の中で最も早く改選を迎えることから、立花氏は泉大津市長選出馬を表明する前から南あわじで選挙に出ると言ってきた経緯がある。

また、立花氏はここへきて、Xのアカウントの自己紹介欄に「次の立候補予定は2月27日千葉県知事」と記載。

さらに産経新聞の取材に対し、大阪府岸和田市の永野耕平市長が知人女性から性暴力被害を訴えられ500万円の解決金を払った問題に絡み、永野氏が市議会の不信任決議案可決で失職した場合は「岸和田市長選に出馬する」と発言。「永野市長を応援するための『二馬力』の出馬になる」とも述べた。

火が点いた感のある立花氏の出馬意欲。その背景には供託金没収を免れたことへの自信が垣間見える。

「(得票を)17パーセント取ると供託金が返ってくるだけでなくポスター代や選挙カー、チラシ代といったものが税金で賄われますので、これはこれでいいんですよ。選挙が一番PRとしてお金がかからないのでこれからも選挙には出続けます」(立花氏)

市長選告示日「今の選挙で一番大事なのは何か」と聞かれた立花氏は、今年は大変動が起きたとの分析を開陳していた。

「これまでの選挙は馬に乗って刀で闘う選挙やった。これからは鉄砲。今までは地域の人と密に連携をとらないと勝てない時代だったんです。ところが今年になって一気に、インターネットを利用して自分の考え方をアピールしたら勝てる年になった」(立花氏)

2025年には選挙でのネットの影響力がさらに拡大することを期待する立花氏。しかしそんな彼のもとに、動画公開から12時間ほど経った16日午前、兵庫県警から電話がかかってきたという。

「午前10時35分です。先ほど兵庫県の警察本部から電話がありまして、捜査二課からの電話です。僕の予想通り、立花が奥谷さんに対して名誉棄損したことについて事情聴取をしたいという電話がありましたので。12月22日1時にですね、兵庫県の県警のほうに行ってまいります」(立花氏の16日のYouTube発言)

奥谷氏とは、斎藤氏の疑惑を調べる兵庫県議会調査特別委員会(百条委)の委員長を務める奥谷謙一県議のことだ。

立花氏は選挙期間中、奥谷氏の自宅前で街頭演説を行ない、この際「家から出てこいよ」「これ以上脅して奥谷が自死しても困るのでこれくらいにしておく」という趣旨の発言をしたとして、奥谷氏は脅迫罪にもあたるとして立花氏を刑事告訴している。

候補者でいる間の表立った調べは難しいとみた兵庫県警は、選挙で落選した瞬間をとらえて立花氏に聴取を求めたのか。年末にかけ、知事選の余波も大きくなる一方だ。                     

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 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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