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〈二郎系ラーメン“大人は1人1杯”トラブル〉カップルで来店した男がブチギレ!小銭を投げつけ「また来てやるよ!」と捨て台詞…店主は「もう来なくて大丈夫です」

集英社オンライン / 2024年12月24日 11時0分

二郎インスパイア系ラーメン店でトラブルが起きた。開業13年になる埼玉県川口市の「麺屋 桐龍 東川口本店」を20代のカップルが訪れ、男性客が一杯のみラーメンを注文したのに対し、店側は「大人は1人1杯」と丁寧にお願いをすると男性客は一方的に「なんでだよ!昔はやってただろ」と逆ギレし店内は騒然とした。ラーメンは一人一杯が当たり前なのか? “一杯のかけそば”のシェアに関する率直な意見を店主に聞いた。

【画像】「もう来なくて大丈夫です」インプレッション数450万以上となった人気ラーメン店のX投稿

小銭をカウンターに投げつけた迷惑客

「麺屋 桐龍 東川口本店」は月間1万人の店のファンが訪れる川口市でも有名な二郎インスパイア系ラーメン店だ。

店内は濃厚な豚骨のフレーバーと延々と尾崎豊の曲が流れる独特な雰囲気。12月17日に冒頭の騒動に見舞われ、店主が店のXに「大人は一人一杯です。(略)もう、今後はご来店頂かなくて大丈夫です」と投稿すると、468万表示され炎上、朝のニュース番組に取り上げられるほどの騒ぎとなった。店主にあらためてトラブルの顛末を聞いた。

「その時、私はいませんでしたが、店員からの報告によると、昼の忙しい時間帯に20代後半のカップルさんが来たんです。当店は16席のカウンターのみの店なので回転率が勝負。着席前に購入してもらった食券を見せていただき麺の準備をするのですが、その際に男性客だけが提示されたので、店員が『すみません、大人は一人一杯なんです』とお伝えすると『こいつ、さっき食べたばかりでお腹いっぱいだからさ』と言われたんです。

それで店員が『すみません、店の決まりで』と再度丁寧にお伝えすると『なんでだよ! 昔はやってただろ!』と突然キレ出したのです」

時間は午後2時頃。店には他にも客が並ぶ中、男性客はなおも店員に食ってかかった。これ以上、他の客に迷惑をかけないよう、店員が返金対応のためカウンターの内側からホール側に向かったという。

「男性客が『時間を返せ』などと怒鳴り始めたので店員が『返金させていただきますので食券をお見せ下さい』と伝えると、男性客は床に食券を投げつけました。

店員が食券を拾い上げ、小銭を用意して手渡しすると『札でよこせ』と小銭をカウンターに叩きつけたのです。その小銭が他の店員にも当たりました。そして男性客はブツブツ言いながらお金を受け取らずに表に出てしまったのです」

「また来てやるよ!」と捨て台詞

店員が表に出ると、店前のベンチに男性客はおらず、女性客のみがいたという。女性客は「あっちに行っちゃったんで追いかけてもらえますか」と言い、店員が駐車場の方に行くと、男性の姿はなかった。

「するとクラクションを鳴らしながら『ここだよ!』と車の中から男性客が呼んできました。そこでお札と小銭を渡し返金すると、5~10分ほど『いい加減にしろや』だの『(女性客が)水飲むだけでもいいじゃねえか』だのわけのわからないことも含めて叫んでいたようです。

その口調は呂律が回っておらず、様子もおかしかったと報告を受けています」

そのまま男性客は「また来てやるよ!」と叫んで車で走り去ったという。店主によれば、その男性客は数年前から何度か店に来ている客だったようだが、店主は注意喚起の思いを込めてXに冒頭の投稿をしたという。

「当店では旨くて安くて腹一杯をモットーに、麺の量をミニサイズが200g、小サイズが300g、券売機では売ってませんがプラス100円で800gまで増やせます。

こういうサービスにすると、食べられるお客様が食べられる分を1人で食べるのはいいのですが、シェアしようとするお客さんが増えるんですね。でも開業13年でそのあたりの理解あるお客様が増えて下さったので、小学6年生のお客様にはラーメンを無料にするなどのサービスを始めたのです」

店内BGMが尾崎豊の理由

子供の1杯を無料にするのはなぜか。そこには店主の思いがあった。

「子供は宝ですからね。子供を持つご家庭の家計の大変さも自分が子供を持つようになってわかったし、お子さんを持つ家庭には多少、回転が悪くなってもいいと考えるようになったからです。

とはいえ、コロナ以降の食材高騰により豚肉もキャベツも倍以上だし、ニンニクなんて3倍もの値段になっています。正直厳しいです。でもそれでもなんとかやっていきたいとギリギリの値段設定でやっています」

店主は今回のトラブルについて「決して怒ってるわけじゃないし、むしろその場にいたお客様に不快な思いをさせたことは申し訳ないと思っている」としながらもこう述べた。

「僕らは旨くて安くて腹一杯の店を目指して真摯に毎日営業してるんです。だからお客様にも気分よく過ごしてほしいと思っています。一人一杯ルールは当店からのお願いベースのようなものです。それを理解して下さる方に食べにきてほしい。Xに投稿したのはその注意喚起のようなものでした。物価高騰の中、一生懸命がんばっています」

最後に、どうして尾崎豊の曲のみが延々と流れているかの理由も聞いた。

「僕は43歳で尾崎世代ではないのですが、尾崎の立ち向かう姿勢やその歌にわーっと気分が上がるんです。だから営業時間は尾崎一択。主に『十七歳の地図』と『誕生』を流してます。

一度Xに『尾崎はもう亡くなって新曲も出ないし別の曲でも流そうかな』とつぶやいたら『桐龍といえば尾崎だから』と反対の声が多かったので、今後も尾崎一択でやらせていただきます。好きな歌は『僕が僕であるために』に『シェリー』に……いろいろありすぎます」

記者も「桐龍」のゴン太麺を尾崎の『Forget-me-not』を聴きながら食べた。尾崎の「幸せかい?」の歌声に涙を堪えながら飲み込んだ。

「桐龍といえば尾崎」そんな風に愛される二郎系ラーメン店に、カスハラ客はそぐわない。どうかみなさん、穏便に味わってほしいと心から思う。

取材・文/河合桃子
集英社オンライン編集部ニュース班

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