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〈旭川・女子高生殺害〉「リコさんを止めていれば」「涙が止まらない」トラブルメーカーだった共犯の“舎弟”が綴った謝罪文の中身、いっぽう“オンナ半グレ”“サンロクのリコ”は…

集英社オンライン / 2024年12月28日 11時0分

〈旭川・女子高生殺害〉17歳少女を全裸で座らせた“サンロクのリコ”を“お持ち帰り不倫”した刑事が訓戒処分、乱痴気騒動の店と事件現場の“今”〉から続く

《本当に取り返しのつかない事をしてしまって、被害者の子のご家族のお気持ちを考えると、涙が止まらないんです》今年4月、北海道旭川市で女子高校生が橋の欄干から転落して殺害された事件。殺人などの罪で起訴されている小西優花被告(20)が、拘置先の施設から弁護人に宛てた直筆の手紙が今月23日に報道各社に公開された。

〈画像〉加熱式タバコをもって大ハシャギ…内田被告と不倫刑事

「リコさんの事を止めて入れれば、このような事にはならず…」

「起訴状などによると、小西被告は留萌市内から女子高生を車で連れ去り監禁。わいせつ行為や暴行を加えた後、神居大橋の欄干に座らせ『落ちろ』『死ねや』などと罵り、川に落下させて死亡させた。

小西被告は事件当時19歳。改正少年法で起訴後の実名報道が可能な“特定少年”にあたるため、今年8月に氏名が公開されている」(社会部記者)

11月23日に小西被告が弁護人に送ったという便箋4枚の手紙には、《毎日1日9時間~13時間を勉強してます》といった近況や、被害者への謝罪と後悔が綴られている。

《リコさんのことを止めて入れれば、このような事にはならず、被害者の子は今頃生きていて普通にくらしていたかもしれない。でもリコさんと私は結果、亡くならせてしまったんです。本当に後悔でしかなく、当時に戻れるなら、私の命にかえてでも、被害者の子を助けてあげたいです。何回も当時に戻りたいと思いました》

「リコさん」とは事件の主犯とされる内田梨瑚(22)被告のこと。そもそも事件の発端は、被害者が自分のSNSに内田被告がラーメンを食べる様子を撮影した写真を転載したことだったといわれている。

「転載に気付いた内田被告は被害者から電子マネーで10万円を脅し取ろうとしましたが、うまく受け取れなかった。怒った内田被告は“舎弟”の小西被告と共に被害者を呼び出し、事件に至ったようです」(同前)

これまで集英社オンラインでは事件経緯と共に、内田被告とその“舎弟”小西被告の素顔を#110にわたって報じてきた。

「今回の事件について思うのは、リコちゃんを知っている人たちならみんな『リコならやりかねん』って言うだろうなってことです」

逮捕当時、記者の取材にそう語ったのは、内田被告の知人女性だ。

「リコちゃんのことは小さい頃からよく知ってるし、高校生の頃はうちにもよく泊まりに来ていました。母親はサンロクのキャバレーについこの前まで勤めていましたよ。リコちゃんは小5ぐらいからその母親にサンロクに連れ出されて、当時からお酒を飲んでいましたね。そんな娘を、母親は注意せず放置していた。そんな環境だからかリコちゃんはその頃から友達のお兄ちゃんなど、上の世代と付き合うようになっていました」

“女半グレ化”して、刑事とは“不倫関係”だった内田被告

「サンロク」とは、旭川随一の繁華街「三・六(サンロク)街」のこと。幼い頃から大人の世界に放り込まれた内田被告は、成長するにつれ非行が目立つようになり、やがて “女半グレ”として知られるようになっていく。

「正確にいつからかはわかりませんが、高校生の頃からタバコ以外も吸い始めていたと思いますよ。色々な人が知っていましたから。ただお金には困ってなかったと思います。札幌にいる男の子がリコちゃんに“薬物”を卸していて、リコちゃんはそれをクラブで売っていました」(同前)

いわゆるプッシャー(売人)として薬物を売りさばくことで金を稼いでいたと見られている内田被告。

そんな内田被告と禁断の関係を築いたのが、旭川中央署刑事課(当時)のA警部補だった。2人が知り合ったサンロク街のカラオケ喫茶のオーナー・磯谷悦郎さん(72)が語る。

「今年1月12日に旭川中央署の連中がウチで新年会のようなことをやっていた。そこにやって来たのが内田梨瑚で、例の警部補と知り合ったってわけさ。その日は2人で一緒に帰ったらしい」

こうして不倫関係に発展した2人だが、今年4月、内田被告が事件の容疑者として浮上。スマホの履歴などから禁断の関係が明らかになったのだという。

「さらに、内田は取り調べに対し、『中央署のAさんとは不倫関係にありました』と堂々と証言。道警は調査の末、10月に不倫刑事を含めた同署の男性警察官2人を20歳未満の人物と飲酒をしたとして訓戒処分にした。

警部補には地元の反社会的勢力との結びつきが強い内田をネタ元、つまり情報源にしようという思惑があったかもしれないが、不倫関係は許されることではない」(前出・社会部記者)

だが、前出の知人女性によれば、事件前の内田被告は “薬物”の卸元とも関係が悪化。売人としての仕事はできなくなっていたようだ。

「プッシャーができなくなったリコちゃんは、サンロクのぼったくりスナックで勤めていましたよ。ちょっと店に入るだけで何万円もとられるような店です。結局そこもリコちゃんは辞めちゃうんだけど、“薬物”が売れなくなってからお金はあんまなかったんじゃないかな。仕事も続かない子だったし。だから誰かに絡んでお金をとろうとしたことはあったと思う」

「A子はずっと寂しかったんだと思うよ」と取材にこたえた母親

内田被告のSNSに度々登場し、“舎弟”として付き従っていた小西被告。彼女もまた、地元では“トラブルメーカー”として有名だった。中学時代の同級生が振り返る。

「教室に数人で立てこもって他の生徒を入れなかったり、先生に『死ね』と暴言を吐いたりして、学級崩壊というかそんな感じのことを引き起こしたりしていました。

彼女の家庭環境はかなり複雑で、シングルマザーになったお母さんと暮らしていました。お母さんは飲食店員とコンビニ店員の掛け持ちをしていて、アパート住まい。小西さんは高校生の頃、そのアパートの空き部屋に勝手に入り込んで仲間と酒盛りをして、騒ぎになったこともあります」

中学では不登校気味だったという小西は、高校2年生の時に中退。以降はアルバイトを転々としながら生活していたようだ。そんな彼女について、

「あんな事件を起こしてしまったけど、小さいころ彼女は、お姉ちゃん思いの優しい子だった。毎日のように外でお姉ちゃんとダンスを踊って、『お母さん見てー』と言ってニコニコ笑ってるような子だったの」
と振り返ったのは、小西の母親。今年6月13日に記者の取材に応じ、娘について語っていた。

「高校を辞めたころから、優花はだんだんとヤンチャっぽい子たちとつるむようになった。それこそ家に男の子の友達を連れてくることも多くて、腕に刺青を入れた子も見かけたことがある。でも、内田梨瑚なんて子の名前は聞いたことないね。そもそもずいぶん前から、優花はめったに家に帰ってこなくなったので交友関係とかよく知らないのよ」

 なぜ事件を起こしてしまったかについて母親は困惑しながらもこう絞りだしていた。

「A子はずっと寂しかったんだと思うよ。あの子が小学生のころに私は旦那と離婚して、仕事ばかりで、家にいるときは寝てばかりだった。ここ数年は、夜にほとんど優花と顔をあわせることもなかったから、やっぱり寂しさはずっとあっただろうし、申し訳ない気持ちはあるの。どうしてこんな事件を起こしてしまったかはわからないけど、複雑な思いというか、やっぱり信じられないよね」

友達が大事…友達がいないと寂しくて…

集英社オンラインは小西の小学校時代の卒業文集を入手していた。そこには、『私は成長しました』というタイトルで、次のような文章を寄せていた。

《私がこの小学校六年間で、成長したことは全部で三つあります。一つ目は前よりももっと友達の大切さを知った事です。私は四年生になって友達とうまくいかない時がありました。だけど自分が悪いと思いました。自分がみんなに悪い事をしてしまったからだと思いました。みんなもこんなつらい思いをして私と仲良くしてくれてたのがうれしかったです。その時私は思いました。「友達が大切だ。」と。それから、私は友達をもっと大切にしようと思いました。みんなは、前と変わらず優しくしてくれました。友達が居ないとさみしくてでも優しくしてくれるのがうれしかったです。友達の大切さがより分かりました》

反省を滲ませる文章は、今回公開された弁護人への「手紙」を彷彿とさせるものがある。その手紙の中で、小西被告はこう書いている。

《大切な娘様の命を奪ってしまって、私が言える立場じゃないんですけど、辛くて涙が止まらなくて。一番辛いのは被害者の方々で、ご家族のお気持ちを考えるとなんて言ってよいのか。償っても償いきれないほどの重い罪を犯してしまって、どうしたら良いのでしょう。自分の犯した罪を裁判できちんとさばいてもらい、刑に従う事しかできません》

「内田被告はこれまでの調べに対し、『現場から離れてから落下した音を聞いた』と供述し、起訴事実を否認してきた。しかしここにきて、小西被告が弁護人に対し、『転落しそうになっている被害者の腕を引っ張ろうとしたが、手が届かなかった』と事実関係を認める発言をしていることがわかってきた。小西被告の弁護人は来年2月27日に始まる裁判員裁判でも起訴事実を争わず、情状酌量を求める方針だと明かしている」(前出・社会部記者)

反社と警察の欲望が交差するサンロク街で、少女たちはなぜ凶悪な犯罪に向かって行ったのか――。小西被告が公判で語る内容に、注目が集まっている。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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