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お年玉で新紙幣「渋沢栄一」を渡すのは 縁起が悪い? 結婚式のご祝儀マナーで物議も…マナー講師に聞いたお年玉のNG行為

集英社オンライン / 2025年1月1日 9時0分

実は「お年玉」には意外に知られていない“マナー”たくさんがあることを知っているだろうか。2024年は新紙幣が発行されたのを機に新たなマナーも生まれたが、マナー講師の金森たかこさんにお年玉にまつわる作法について聞いた。

【画像】実はあまり知られていない、お年玉の“金額”に関するマナー

意外と知らないお年玉のマナー

ポチ袋に入れて、それなりの額を適当に入れて渡せばOKというわけではなく、お年玉には「渡すタイミング」「お札の種類・向き」など注意するべき点があり、また、もらった側にもやるべきことがある。

「まず、渡すタイミングですが、お年玉は新年初めて会ったときや新年のご挨拶にうかがった際、その挨拶が一段落したタイミングで渡します。渡す際は直接手渡しが基本で、机や畳の上に置いたまま渡すのは避けましょう」(金森さん、以下同)

2022年に日本トレンドリサーチがお年玉に関するアンケート調査を発表していたが、お年玉を“直接渡す”と答えた人は全体の77.5%だった。「本人に渡したほうが気持ちが伝わるから」「手渡しのほうがありがたみがあるから」といった理由があげられていたが、逆に直接ではない理由は、“会うことができない”から。

その場合の対処法としては、“誰かに預ける”が最多で、“郵送”、“振り込み”と続き、“電子マナー”で渡すという人も一定数いた。

確かにできる限り、お年玉は直接手渡したい。そして渡す際には、「『今年も元気でね』など、一言添えることで気持ちがより伝わります。黙って渡すのは避けましょう」と金森さんは指摘する。

また、自分が成長するにつれて、親にお年玉を渡すという人も出てくるだろう。お年玉は基本的には、子どもや目下の人に渡すものだが、親や祖父母に渡す場合の表書きは「お年賀」と書くのが適切だ。

そして肝心の“中身”について。

「お年玉は新年を祝って渡すものですから、できるだけしわや折り目のついていない新し いお札を用意しましょう。新年のお祝いごとには“新しいもの”が縁起がいいとされています。さらにお札をポチ袋に入れる際は、人物の顔が上向きになるように入れます。

複数枚入れる場合など、お札の向きがそろっていないと、無作法な印象を与えてしまいます。特に日本では細やかな気配りが大切とされているため、お札の向きにも注意を払いましょう」

ただ、ポチ袋は相手の年齢に応じたものを選ぶと喜ばれ、親など年長者に渡す際はポチ袋ではなく、紙幣を折らずに入れられる封筒型のものにすると丁寧とのこと。また、硬貨ではなく紙幣を使うのが基本だが、幼児に初めてのお年玉として 500 円硬貨を渡すなどはOK。その際は新しいもの、またはきれいな 500 円玉を選ぶとよい。

「最後にもらった側の注意点ですが、親がいないときにお年玉をもらったら、必ず誰からもらったのかを親に言うよう、ふだんから子どもに教えておきましょう。そうすることで、親からも相手にお礼を伝えやすくなります」

渋沢栄一は女遊びが酷いからダメ? マナー講師の見解は…

これらが一般的なマナーだが、2024年はなんといっても、新紙幣が20年ぶりに発行された。この紙幣をめぐって新しいマナーが生まれたのも記憶に新しい。

1万円札に印刷されているのは渋沢栄一だが、彼は生前、女遊びが好きで派手に不倫をしていたことでも有名なため、結婚式のご祝儀として新紙幣の1万円札を渡すのは“縁起が悪い”。そのため、「結婚式のご祝儀では旧札を使うべき」という論が日本中をかけめぐったのだ。

当然、これには否定的な声がたくさんあがったものの、これ以降実際に旧札を用意してご祝儀を渡す人も出ている。

〈友人へのご祝儀に「3万円」用意していたら、妻に「渋沢栄一のお札は使っちゃダメだよ」と言われました〉

〈渋沢栄一で用意するのやだな、と思って旧札のピン札探してるけど全然ない。とっておけばよかった〉

〈最近、結婚のご祝儀、進学、就職のお祝い用に旧札の壱万円を残している。お祝事に渋沢栄一じゃ不謹慎だよ〉

〈ご祝儀で渋沢栄一の1万円札は避けた方がいいと聞いていたので旧札の新券をお願いしたんだけど、もう旧札は新券が無いと言われたので渋沢栄一3人にした〉

ではお年玉で渋沢栄一の1万円札を使うのはアリなのだろうか。一部ではすでに、“渋沢栄一は女関係がだらしなかったからお年玉には向いていない”なんて論もあがりつつあるようだが……。金森さんに見解をうかがった。

「お年玉に関しては気にする必要はありません。お年玉は新年を祝って主に子どもに渡すものであり、紙幣の背景まで過剰に意識する必要はないと考えるからです。子どもにとっては、新しい紙幣の方が新鮮で喜ばれるかもしれません。ただ、必ずしも新札である必要はありません。旧札でも問題ありませんので、状況に応じて準備しましょう」

お正月にはふだんは会わない人ともたくさん会うことになる。「このマナーも知らないなんて……」と思われないためにも、最低限の知識は入れておいたほうがよさそうだ。

取材・文/集英社オンライン編集部

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