〈2025年石破政権の行方〉「意外としぶとく続投?」「夏が本当の正念場」命運を握るのは「自分ファースト」のあの女帝?
集英社オンライン / 2025年1月9日 7時0分
石破茂首相は1月24日から、自公で衆院の過半数を確保できていない状況下での綱渡りの通常国会に臨む。今年は首相にとって初となる当初予算案の審議、東京都議選、参院選など難局が続くが、そんな中、永田町ではあの女帝の動きに注目が集まっているという。
「大連立」「衆参同日選」に言及したワケ
「今の時点で大連立を考えているわけではない」
1月6日、年頭の記者会見で石破首相は自身が年始のラジオ番組で言及した大連立について火消しを図った。ここ最近の石破首相は、メディア出演をした際に大連立や衆参同日選の可能性に言及するなど踏み込んだ発言が目立ち、与野党から困惑の声が相次いでいた。
「それだけ手元に切り札がなく、追い詰められているということなのだろう。7月の参院選までには、首相が代わっているのでは」(野党議員)
衆院で自公が過半数を確保できていない状態で臨んだ2024年の臨時国会。石破首相は「103万円の壁」の引き上げなどをめぐって野党との協議を重ね、国民民主などの賛成も得て補正予算の成立にこぎつけた。
だが2025年は、野党の賛成は極めてハードルが高い当初予算案の審議に臨む。永田町では、3月までの予算審議で立ち行かなくなり、予算成立と引き換えに石破首相が退陣する可能性もささやかれている。
ただ予算成立までには、切り札も残されている。
「国民民主が主張する103万円の壁の引き上げは、昨年末には123万円のラインの提示で終わりました。これを140万~150万円程度にまで上げる決断ができれば、国民民主の賛成を得て予算を成立させる道筋も見えてきます」(全国紙政治部記者)
不信任案、裏金で打撃?の都議選…石破首相の本当の正念場は夏に
ただ、3月に無事に予算を成立させられたとしても、石破首相にとっての大きな試練は夏までにやってきそうだ。
6月の国会閉会間際には、内閣不信任案をめぐる攻防も予想される。これまでであれば、立憲民主党などの野党が不信任案を提出し、衆院で過半数を占める与党が粛々と否決するのが通例であった。
しかし自公が少数与党となったため、自公以外が不信任案に賛成して可決というシナリオも現実味を帯びる。不信任案が可決されれば、首相は憲法の規定にもとづき、退陣か衆院解散かの判断を迫られることになる。
さらに石破政権に打撃を与える可能性があるのが、参院選の前、6月下旬~7月上旬に行なわれる見込みの東京都議選だ。無党派層の有権者が多い都議選は、これまでも直後の国政選挙の前哨戦となってきた。2009年7月の都議選で民主党が圧勝し、8月の政権交代につながったことが代表例だ。
そして今回の都議選では、裏金問題発覚から続く自民党全体への逆風に加え、都議会自民党自身が抱える「爆弾」も懸念されている。
昨年末、都議団自民党が開いた政治資金パーティー収入の一部が政治資金収支報告書に計3000万円ほど記載されていなかったと報じられ、東京地検特捜部が都議らに任意で事情を聴いている。特捜部が立件に至れば、都議選はもちろんのこと、その直後にある参院選でも自民党が再び逆風にさらされそうだ。
女帝があの人とタッグを組んで再び…?
そんな中、都議選では小池百合子都知事の動向も注目されている。
現在、都議会の第一会派は自民党ということもあり、小池氏は昨年7月の都知事選で自民の支援を受けるなど、自民と良好な関係を築いてきたが、以前から国民民主の玉木雄一郎代表(役職停止中)とも近い関係で知られている。
「衆院選で一気に知名度を上げた玉木氏と小池氏がタッグを組んで、都民ファーストの会や国民民主が一気に風を吹かせる可能性もあります。自民が参院選の前哨戦である都議選で惨敗すると、ますます石破首相の求心力の低下につながってしまうでしょう」(全国紙政治部記者)
いまだに首相の座をあきらめていないと噂され、永田町の自民党からも警戒される小池氏。昨年は3選を果たし、最近では都庁内での女帝ぶりに拍車がかかっているという。
「大晦日夜に、都庁前の広場で俳優の今井翼さんなどを招いて華々しいカウントダウンイベントが開かれました。小池氏はもともと出席の要請をされていなかったのに『自分が主役』と言わんばかりに『私が出ていかないと、意味ないじゃん』と言い放って、イベントへの登場を決めました。
それでも参加者は当初の想定の3分の2ほど。参加者は真夜中の広場で凍えていた一方、小池氏は議会棟の高層フロアでストーブに当たりながら、都庁に映し出されるプロジェクションマッピングを楽しんでいました。幹部は『自分ファースト』の小池氏に従うばかりで、的確なアドバイスをする人はいません」(東京都庁関係者)
自民党時代には石破首相と距離が近かった小池氏。9月の総裁選直後には「石破さんにとっては5度目の正直ということで、新総裁就任をうれしく思う」と祝福していたが、夏の主役をかっさらっていくのだろうか。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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