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「ルール違反じゃないけれど」佐々木のポスティング、上沢のNPB復帰…ザワつくプロ野球オフシーズンに江本氏が辛口提言

集英社オンライン / 2025年1月11日 14時0分

「新庄は野球の本質をわかってる、甘くみすぎてた」「DeNAは実力での日本一じゃない」…江本孟紀氏は“50-50”大谷もバッサリ!〉から続く

球界のご意見番“エモやん”こと江本猛紀氏への年始インタビュー。前編では2024年を振り返ってもらったが、今回のテーマはメジャーを含めた今年の野球界について。ストーブリーグの話題を皮切りに変わりゆく野球と球界に対し、その師・故野村克也氏のごとくボヤキまくる。(全3回の2回目)

【画像】「NPBはメジャーの下部組織じゃない」という江本氏

佐々木、上沢の移籍騒動にエモやんが私見

――今年も相次ぐメジャー挑戦。2024年、セリーグ最多勝(15勝)を獲得した巨人の菅野智之投手もオリオールズに単年約20億円で移籍が決まりました。単刀直入に、菅野投手はメジャーで活躍できそうですか?



江本孟紀(以下、同) 
活躍っていうのはどの程度のことを言ってるの?

――1年間ローテーションを守って2ケタ勝利くらいでしょうか。

ありえないね。年齢的にも球威的にも。

――ずいぶんバッサリ……。

去年15勝といっても完投は3つしかないでしょ。5、6回投げてリリーフに助けられた勝ち星も多い。

まあ、最近はアメリカでも完投できるピッチャーは少ないけどね。投げすぎると肩肘が壊れるってすぐ言うけど、なるべく働かないで金を取ろうってアメリカの契約社会的な考えを正当化してるだけじゃないか。

――契約といえば、ロッテの佐々木朗希投手が23歳にして早くもポスティングシステムでのメジャー挑戦を表明。しかしこれは、いわゆるメジャーの協定にある“25歳ルール”によって、古巣のロッテへの譲渡金が大幅に減少することから、一部ロッテファンを中心にネガティブな反応も起こっています。

ファンは単純に(佐々木がメジャーに)行ったらチームが弱くなるからね。これはあくまでも憶測だけど、入団するときにロッテと佐々木の間でそういう契約にしたんでしょ。だったらそれは守らないとしょうがない。
ただ、それで物議を醸すなら、新しくルールづくりをしなくちゃダメ。ポスティングできる基準の成績を設けるとか。

上沢(直之)の件(※1)だって、別に違法じゃない。それが問題視されるなら(メジャー移籍後)3年とか5年とか戻ってこれないようにすればいい。

(※1)2023年オフに日本ハムからポスティングシステムを利用して米球界入りも、わずか1年でFAに。その約1か月後にソフトバンクへの入団を発表した。国内FA権を取得せずとも1年で国内他球団に移籍したことから、プロ野球ファンからは“上沢式FA”と揶揄されている

 「もう俺がコミッショナーをやるしかない」

――「メジャー挑戦」という言葉に重みがなくなってますね。

今の制度はMLBにしかメリットがなくて、NPBがマイナー化しちゃってる。そんなことでいいの?って思うよ。

今はお客さんも入って儲かってるからいいけど、来年にヤクルトの村上(宗隆)、再来年に巨人の岡本(和真)とどんどんアメリカ行っちゃったら、名前も知らないやつばかりになる。そしたらお客さんが来なくなるんだから今のうちに手を打たなきゃいかん。

――江本さんならどのような対策を?

独立リーグの選手がNPBに支配下でドラフト指名されたら、契約金などの一部を移籍金として独立リーグに支払う必要がある。

ポスティングも譲渡金を球団だけでなくポスティング基金としてコミッショナーに入れて、それを少年野球なりお金のない野球界に分配する……というのが私のひとつの案。まあアメリカ側が嫌がる可能性があるけどね。

――さすが元政治家です。

こういうことを考えられる俺がコミッショナーをやるしかないよ(笑)。

―― 一方で野球のルールに関しては改革が続きます。変わりゆく野球について思うことは?

俺のまわりもみんな「時代だから……」って言っていて、そのとおりだしそれだけの話だね。

ただ、ルールの変更もそうだし、投球数とか選手へ過保護に扱いすぎて、成績のいい人が出てこなくなる。そうすると、選手全員の目標が低くなるよね。なのに給料だけは上がって、そのへんのギャップには違和感があるよ。

今季は投手出身の新監督に注目

――野球のレベルは上がっていると思いますか?

今はレベルが高いっていうけど、「何が?」って。球は速いかもわからないけど、(スピード)ガンだって、昔のは精度が高くなくて5~10キロ遅く表示されてたから、実際は150キロくらい投げてた投手はゴロゴロいた。
しかも今のピッチャーは先発も平気で5、6回で降りるし、中継ぎなんて1回だけ。そんな少ないイニングなら球速も出るよ。ゴルフのドラコンみたいなもん。

――レベルもそうですが、殺伐とした球場の雰囲気だったり、昭和のヒリヒリした野球を知るファンも少なくなりました。

俺らのときなんてガラの悪いファンばっかりだからね(笑)。ベンチの上で足をブラブラして座るやつもいるし、西鉄(ライオンズ)のファンなんて自分のチームが負けると持ってた一升瓶を割るから、その破片が飛んでくるんだよ。

チームバスに乗り込むにも危ないから機動隊の盾の下を通って行かなきゃいけない。バスに乗れても石が飛んできてビシビシ窓を割ってくるから安心できなかったね。

相変わらず矍鑠(かくしゃく)と球界を斬りまくるエモやん。しかし、つい数年前までは5年生存率7%の大病を患っていた事実は見逃せない。#3では、江本氏の闘病生活について話を聞いた。

#3へつづく

取材・文/武松佑季 撮影/村上庄吾

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