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〈参院選を前に“鹿児島の乱”勃発!〉自民幹事長のおひざ元で、自民大物の娘が立憲にまさかの寝返り…「仲間割れの自民」VS「『何でもあり』の立憲」戦いの行方は

集英社オンライン / 2025年1月17日 7時0分

自民党の重鎮・森山裕幹事長のおひざ元、保守王国としても知られる鹿児島が揺れている。今期限りでの引退を表明した参院鹿児島選挙区の尾辻秀久前参院議長の後任候補者として、自民は園田修光前参院議員を選んだものの、自民の選考に漏れた尾辻氏の三女・朋実氏が立憲民主党からの推薦を受けて立候補することになった。一連の候補者選定をめぐって自民にしこりが残る一方、野党も一枚岩とはいかないようで……。 

【画像】2023年に「寝返り」騒動で話題となった平成生まれの女性議員

尾辻氏三女は自民の公募に応募も、菅元首相の側近に敗れ「門前払い」 

「野党の信頼の厚い尾辻秀久氏の思いを継ぐ、意志をつなぐ朋実氏は、我々と向いているところは同じだ」

立憲鹿児島県連の川内博史選挙対策委員長は1月13日、夏の参院選鹿児島選挙区で自民の大物である尾辻秀久氏の三女・朋実氏の推薦を決めたことを発表した。

秀久氏は参院鹿児島選挙区選出で、厚生労働相、参院議員会長、参院議長などを歴任。昨年7月には2025年の参院選に立候補せず引退する意向を示し、11月には体調不良のため参院議長を辞任していた。

そして昨年夏、秀久氏の後任となる公認候補を決める自民党鹿児島県連の公募に応じたのが、園田修光前参院議員、外薗勝蔵県議、そして尾辻朋実氏らの9人だった。

県連はそのうち園田氏と外薗氏の2人を党本部に推薦し、党本部は園田氏を選んだ。鹿児島県議出身の園田氏は菅義偉元首相と近いことでも知られている。 

2022年、参院選比例区に立候補して参院2期目を目指したものの落選していたが、実績などが評価された形だ。一方の朋実氏は県連が党本部に推薦する最終候補にも残れなかった。 

自民、野党ともに一枚岩になれるか不透明な状況に 

そこで昨年秋に動いたのが、候補者選びに難航していた立憲鹿児島県連の川内選対委員長だった。

川内氏は尾辻秀久氏、朋実氏に相次いで接触。

保守王国の鹿児島で勝てる候補をなかなか見つけられていなかった川内氏と、組織的な後押しを受けて議席を得たい朋実氏の思惑が一致し、朋実氏が野党系無所属で立候補する方針が決まった。

立憲は、自民内に残るしこりや保守分裂の状況も追い風にしたい考えだ。自民の公認を得られなかったものの、県連内から推す声も強かった外薗県議は、無所属での立候補を模索中。

さらに今年に入り、昨秋の衆院選の鹿児島2区で自民の公認候補を破った三反園訓氏が自民に入党。こうした経緯から、自民鹿児島県連内にはしこりや不満が残っている。

「参院選の公認候補も、三反園氏の入党も、最終的に決めたのは自民党幹事長を務め、鹿児島県連会長でもある森山裕氏。それだけに、地元からの不満が森山氏に向いている部分もある」(全国紙政治部記者)

ただ、一方の野党も、朋実氏への支援で一枚岩になれるかは不透明だ。

「地元では、普段から後輩議員の面倒見が悪い川内氏の評判はよくありません。そのうえ、川内氏が主導して自民の大物の娘を擁立するということで、立憲をはじめとする野党内では戸惑いも出ています」(立憲鹿児島県連関係者)

立憲以外の野党では、国民民主党が独自候補の擁立に向けて動いているほか、共産党も自民の公募に応じた朋実氏への支援には慎重だ。

「世襲」、自民からの寝返りに党内から冷ややかな声も 

さらに、県外の立憲関係者からも、立憲が展開する世襲批判との整合性や、もともと自民の公募に応じていた人物の推薦を疑問視する声が上がっている。

野田佳彦代表はこれまで繰り返し世襲に否定的な考えを示してきた。

昨年10月の衆院代表質問では「政界への人材供給ルートが固定化されており、風穴をあけていく必要がある。それは世襲制限だ」と述べるなど、自民の世襲議員の多さを批判してきた。

朋実氏の推薦について大串博志選挙対策委員長は「野党系で出るので、地盤・看板・カバンを引き継ぐ関係にはまったくない」と強調し、問題ないとの考えを示したが、野田氏らの主張との整合性が問われている。

また、朋実が昨年の自民の公募に応じておきながら、今年1月に立憲に入党したという経緯にも疑問の声が出ている。

2012年に民主党が下野してからは、自民一強体制が続き、野党議員が自民入りするケースが各地で頻発。

2023年には、立憲民主党の候補者として衆院岐阜5区で活動していた今井瑠々氏が自民党の推薦を得て岐阜県議に当選。

立憲の泉健太代表(当時)は「政治家として不適格。信念はなかったのか」と厳しく批判していたが、今回の件は自民から立憲への「寝返り」となる。

とある立憲議員は「自民から立憲への移籍があったこと自体は、自民に逆風が吹いていることの表れなのだろうが、だからといって『なんでもあり』で世襲やまったく違う政党への移籍を認めるような姿勢では、有権者に足下を見られてしまう」とため息をつく。

裏金問題をめぐり自民への逆風は続くが、一方の立憲も政党支持率で国民民主に負けるなど、埋没気味。

夏の参院選を見据え、「なんでもあり」作戦が吉と出るか、凶と出るか。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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