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〈長野3人死傷〉元IT系、サーファー、バスケ部…かつては“陽キャ”だった逮捕された男…最近の「奇行」と緊迫の逮捕の瞬間

集英社オンライン / 2025年1月27日 14時54分

JR長野駅前で男女3人に次々と刃物で切りつけたとして長野県警捜査1課と長野中央署は1月26日朝、長野市西尾張部の無職・矢口雄資(やぐち・ゆうすけ)容疑者(46)を殺人未遂容疑で逮捕した。事件は同22日午後8時ごろに発生、同市の会社員・丸山浩由さん(49)は胸と背中の2カ所を刺され失血死、男性会社員(37)は背中を刺されるなどして重傷、女性会社員(46)も背後から刺されて軽傷を負っていた。

〈画像〉センター分けのイケメン“陽キャ”だった若かりし頃の容疑者と、事件現場に貼られた丸山さん遺族からのメッセージ

チェーンソーや閃光弾をつかって突入

逮捕容疑は同日午後8時5分ごろ、長野駅善光寺口の歩道で女性会社員の背中を包丁のようのもので刺し、殺害しようとした疑い。矢口容疑者は黙秘している。

事件後、容疑者は現場から逃走。県警は同署に捜査本部を設置し220人体制で周辺の聞き込みや防犯カメラの分析を進めたところ、メガネをかけて頭にタオルを巻いた男が1時間ほど前から下見をするようにうろつく姿が駅周辺の複数の防犯カメラに映っていた。

男は駅の階段付近で丸山さんを刺した後、駅前の歩道でバスを待っていた男女を背後から襲ったとみられる。

「重軽傷を負った男女はともに襲った男について『見覚えがない』としており、県警は当初から無差別の通り魔とみて逃走経路の追跡に全力をあげていたところ、防犯カメラの映像などから男がくるくると方角を変えながら逃走していたことがわかった。

それでも凶器を持ったままの逃走に不安が広がる中、周辺住民らから多数の目撃情報も集まり、現場から3キロ離れたアパートが容疑者の自宅であることがわかり、日曜日早朝の逮捕劇に繋がった。

長野県警の特殊部隊『NSIT』を中心とした編成で、チェーンソーや閃光弾を使って自宅に突入、速やかに身柄を確保し、午前7時13分に逮捕しました」(社会部事件担当デスク)

矢口容疑者の自宅はアパートの4階で、窓から転落することも想定して衝撃吸収用の大型マットを敷いたうえでの突入だった。近隣住民が興奮気味にこう語る。

「朝、仕事行こうと外に出たらパトカーが停まっていて、窓からは死角のところで警察官が大型のマットを組み立てる準備をしていたんです。だから、ひょっとしてここに犯人が住んでいるのかなってそのときに思いました」

「ヤンキー連中とも仲良くしていた」

アパートは7畳ほどのワンルームで家賃3万円~3万5千円だが、矢口容疑者の実家は近所にある古い平屋建て住宅で、老いた父親が1人で住んでいるようだ。実家近くに古くから住む人はこう証言した。

「矢口さんの家は40年以上前からあると思うよ。オヤジさんは長野駅の、それこそ事件現場のすぐ近くで時計屋をしていたんだよな。子どもは3人全員が男で、ユウスケが末っ子だな。奥さんはもう30年近く前に病気で亡くなった。子どもも全員出ていって、今はオヤジさん一人で住んでるよ。

最近はほとんど地域とも交流はないし、玄関前に布みたいなものをかけているから中の様子がよくわかんないんだ。インターホンもテープで隠して押せないようになっていて。奥さんは社交的だったんだけどね。多分、ユウスケだと思うけど、少し前に何度か中年の男が外に出てタバコ吸っていたな。平日の昼間だったから、仕事はしてなかったんじゃないかな」

父親の「仕事場」の近くで通り魔に豹変した矢口容疑者は、いったいどんな人物なのか。

中・高時代の同級生の男性もこう首を傾げた。

「クラスでは人当たりもよくて、ケンカはしないけど、目立つほうでしたね。今なら”陽キャ”っていうんですかね。中学ではバスケ部で、ヤンキーの連中とも仲良くしていたし、勉強もそこそこできました。高校ではバスケはしてなかったけど、変わらず明るいキャラでした。

あだ名とかは特になくて、みんなから『ヤグチ』って呼ばれてました。大学は東京に出て、たしか理系の国立大だったと思います。社会人になってからも何度か飲みにいったりスキーにいったりして遊びましたよ。彼はスノボやってましたね。

最後に会ったのは20年くらい前で、そのころは千葉に住んでいて、IT関係の仕事に就いていたはずです。その後はてっきり結婚して子どもつくって幸せな生活を送っているだろうと思ってました。それだけに『何があった?』のかという思いです。悲しいですね」

地元紙記者もこう補足する。

「勉強もでき、運動もできた。スノーボードやサーフィンなどの趣味もあったといいます。ですが、最近の矢口容疑者は突然、人を怒鳴りつけたりするなど挙動がおかしく、近隣でも奇行がみられていたようです」

矢口容疑者は逮捕後の取り調べでは雑談には応じるものの、事件については黙秘を続けているという。

※「集英社オンライン」では、今回の事件についてご意見、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(旧Twitter)
@shuon_news  

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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