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「東京で最も有名な撮影スポットが消えた!」相次ぐ迷惑行為で撮影禁止に“撮り風”たちも悲鳴…映え写真時代に問われる撮影者のモラルとは

集英社オンライン / 2025年2月1日 16時0分

今年1月、東京の夜景が楽しめる穴場スポットとして人気だった恵比寿ガーデンプレイスの38階にある展望台で「撮影についての禁止事項」なる文書が突如掲示された。この掲示に“撮り鉄”ならぬ“撮り風(ふう)”の都市風景撮影の写真家たちが「また1つ、撮影スポットが消えた」「好きな場所だったのに!」とざわついた。いったい何が起きたのか。 

【画像】まるで映画のワンシーンのような「SKY LOUNGE」から見える東京の夜景

「迷惑行為でどんどん撮れる場所が消えてしまう」 

恵比寿ガーデンプレイスはバブル崩壊直後の1994年に開業した、商業施設や集合住宅、オフィス棟なども含む複合施設だ。

その恵比寿ガーデンプレイスタワーのレストランエリアにあたる38階には、無料展望スペースの「SKY LOUNGE」が設けられており、誰もが出入りできることから穴場夜景スポットとして人気だった。

そんな場所に関して、1月30日に「また1つ、東京で最も有名な撮影スポットが消えました」とXに投稿し注目されたのは、都市風景撮影を中心に活動するフォトグラファーのNitto氏だ。

それによれば、以前までなかった「個人のポートレートなどを含む“無許可商用撮影”の禁止」などの貼り紙が掲示されたとのこと。

「僕も含め、個人で撮影を行なっていた人の影響も否定はできませんが、直近の例で言えば昨年12月頃、特定の集団がかなりの大人数で長時間同じ場所を占拠し、撮影を行なっていたのも事実です」と吐露した。

Nitto氏に、その日はいったいどんな日だったのかを聞いたところ「当日、私自身が行ったわけではないですが、東京タワーの背後に満月が昇ってくる日だったようで、東京タワーの後ろに月を配置した写真を撮影していたようです。

これまでも東京タワーをはじめ東京都心のビル群の広がりが美しく見られる場所として、主に夜景を撮影する方が多かった場所でした」とのこと。 

Nitto氏自身は公共の場所では写真を“撮らせてもらっている”ことを忘れず、迷惑をかけないように心がけているという。

「今回は都会のど真ん中でしたが、動物写真や自然風景写真においてもSNS映えを優先するあまり、撮影地や被写体に対するリスペクトに欠けた行動を行なうフォトグラファーが増えた結果、富士山の撮影スポットが閉鎖されたこともありました。

北海道ではオーバーツーリズムなど他の問題もからみますが、白樺並木が伐採されたりした事例があります。フォトグラファーによる迷惑行為でどんどん撮れる場所が消えてしまうのは本当に悲しいことです」

「制限なく撮影ができる場」だったかを広報担当者に聞くと… 

そこで取材班が現地に向かうと、確かに「撮影についての禁止事項」なる掲示はあった。そこには「無許可での商業撮影・取材」や「概ね30㎝を超える大型レンズの使用」や「レフ板の使用」「三脚の使用」を禁止する内容などが書かれていた。

恵比寿ガーデンプレイスを管理運営しているサッポロ不動産開発株式会社の広報担当に、そもそも敷地内の写真撮影は元から「制限なく撮影ができる場」だったのかを聞いた。 

「元から制限なく撮影ができる場だったわけではありません。ドラマやファッション誌系、結婚式などの撮影は有償で、ロケーションサービス事業を行なう『デイ・ナイトロケーションサービス』を窓口に事前許可申請をお願いしていましたし、それ以外の取材関係や商用以外の撮影は弊社の広報が窓口をしておりました」 

では、今回の「SKY LOUNGE」における「撮影についての禁止事項」という掲示をなぜ今、行なったのだろうか。

「数年前から複数の写真家の方たちが恵比寿ガーデンプレイスの『SKY LOUNGE』で撮ったであろう写真の販売などを無断でされているのは把握していました。

それには特に対処はしてきませんでしたが、昨年、かなり影響力のあるインフルエンサーの方が、撮影した動画をYouTubeに投稿し、それを見たお客様から“この動画の撮影許可は出しているのか”といった問い合わせがあり、その撮影申請はいただいておりませんでしたので、弊社としても掲示の必要性を感じました」

広報担当によれば、「取材、撮影の申請さえしてもらえれば、プロアマ問わず撮影の検討はさせていただく」と言う。

「これほどスマホやSNSが普及している現状において、撮影の全面禁止などの規制はさすがにいたしません。

弊社から申し上げたいのは、多くのお客様に居心地よく楽しんでいただくためにも、三脚を立てたり、長時間の撮影をされたりしたい場合は、撮影申請を出していただきたいのです。

申請をいただければ弊社スタッフが必ず立ち合いますし、他のお客様にもご迷惑をかけないように配慮もできます」

写真に詳しい関係者は言う。

「インフルエンサーや写真関係の裏垢勢の方々が、周囲のお客様の写り込みなどお構いなしに動画を撮影し、それをYouTubeやTikTokなどに投稿されているんですよね。これはガーデンプレイスだけに限らず、いろんな商業施設さんが抱える悩ましい問題だと思います。

風景写真を撮る方は、ルールを守らない一部の撮り鉄の方々のように“押すなよ!”とか“下がれ!”など怒号が飛ぶことはありませんが、やはり長時間、占拠されるのは迷惑ですし、モラルは持っていただきたい」

誰だって“映え写真”は撮りたいだろう。しかし、そもそものルールを守り、譲り合う精神が必要なのではないか。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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