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「複雑な気持ち…」菊池雄星がWBCのNetflix独占配信に胸中を吐露「こんなことは初めて」商用利用も一切NGで嘆く野球居酒屋

集英社オンライン / 2026年2月14日 10時0分

3月6日に侍ジャパンが初戦を迎えるWORLD BASEBALL CLASSIC 2026(WBC)。世界一に輝いた前回大会以上の盛り上がりが期待されていたが、昨年8月、国内における全試合の放映権をNetflixが独占することが発表された。

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地上波中継なしで賛否が渦巻く中、2月11日、「複雑な気持ちではある」との思いを吐露したのは、ロサンゼルス・エンゼルス所属のメジャーリーガー、菊池雄星投手(34)だった。

取材で明かした野球への危機感

菊池投手はアメリカでのキャンプイン前日の日本時間11日、著書『こうやって、僕は戦い続けてきた。 「理想の自分」に近づくための77の習慣』(PHP研究所)の発売に際し、報道陣のオンライン囲み取材に応じた。

本書は年間200冊以上の本を読むという読書家の菊池投手が、ゴーストライターを入れずに13万文字すべてを自ら書き記した渾身の一冊。

菊池投手が今考えていることや“怪物”ばかりのNPBやMLBで生き抜いてきた習慣と思考術、自身に影響を与えた人物や言葉、多くの経験で培った人生観などが滑らかな筆致で綴られた新機軸のアスリート本で、予約段階ですでに重版が決定している。野球ファンだけでなく、社会で日々戦うビジネスマンや学生にとっても必読の書だ。

代表質問として書き上げた感想を聞かれた菊池投手は「どこにどの文字があるのかを確認しながらだったので、タイピングが一番苦労した」と笑いつつも、「やりきった、出しきったという気持ちです」と仕上がりには満足な様子。

本書のもうひとつの特徴として、菊池投手自身の野球への熱い思いを端々に感じられるのが印象的だ。

特に、近年の球界で問題となっている「野球人口の減少」についても言及。廃部寸前の少年野球チームに菊池投手が野球教室を開いたことで20人もの新入部員を集めることに成功したものの、本人の危機感は払しょくされない。

年に1回の野球教室は、いわば『打ち上げ花火』のようなものではないか。その瞬間はとても鮮やかで、感動的で、人々の心に強い印象を残す。でも、花火が終われば、残るのは『あぁ、綺麗だったね』という思い出だけ。本当に大切なのは、一瞬の輝きではない。大切なのは、常に子供たちと共にあり、彼らがいつでも野球に触れられる環境、その土壌そのものをつくることではないか。

こうした構想と思考を重ねた上で、10年の歳月をかけて2024年11月に故郷の岩手県に完成させたのが最新の機器を導入した全天候型野球施設「King of the Hill」だ。これだけ野球の普及に心血を注いでいる菊池投手に、集英社オンラインは今大会のNetflix独占配信という事実をどう考えているのか、その思いを聞いてみた。

Netflix独占配信に「複雑な気持ち…」

この問いに対して菊池投手は「難しい質問が来ましたけれども……」と苦笑しながらこう答えてくれた。

「正直、複雑な気持ちではありますよね。やっぱりひとりでも多くの方々に見ていただけるチャンスですから、複雑な気持ちではありますが、ただ、そのなかで我々がやることは変わらないですし、とにかく僕らは全力で投げる、プレーするだけだと思ってます」

明言は避けたが、残念な気持ちは少なからずあるのだろう。WBCが地上波で中継されれば、野球人口に好影響をもたらせるのは間違いないからだ。菊池投手は続ける。

「野球人口減少の危機感は、たぶん野球をやっているすべての選手が持っていること。ただそれはひとつのソリューションではなく、お弁当作りや当番制で保護者が大変とか指導者の問題とかいろいろあって、いろんなディスカッションをしていく必要があると思います」

今回のWBCについても、その問題のひとつではないだろうか。WBCの視聴が限定的になり野球へのタッチポイントが減ることで、貴重な野球振興の機会を奪う面もあるはず。加えて、野球居酒屋やスポーツバーなどでのパブリックビューイングについても、地上波中継にはない障害が生まれている。

東京・神田にあるベースボール居酒屋「リリーズ神田スタジアム」では、店内でWBCの中継映像を流すのは諦めたという。

「昨年から店内で映像を流せるように商業利用のライセンスをつくる予定があるかをNetflixさんに問い合わせていましたが、2月に入ってから回答がきて、商用利用は一切NGということでした。

今までのWBCや日本シリーズで映像を流せなかったことはないので残念ですが、Netflixさんも商売なので仕方がないですね。次の大会では日本のメディアが放映権を買い負けないようにがんばってほしいです」(リリーズ神田スタジアム店主・高橋雅光さん)

Netflixは選手の出身地の自治体、出身校などと共同でパブリックビューイングを行なう予定としているが、開催場所は全国30カ所と、やはりこれも限定的だ。

「見たかったら金を払えばいい。月額890円を渋るのは野球がそこまで好きじゃないだけ」

という意見もネットでは散見される。確かにそうだ。大した金額ではないのだから見たければお金を払えばいい。しかし、WBCのような国際試合は“お金を払ってまで見ない層”に興味を持ってもらう絶好の機会であることもまた事実。

それは現在開催中のミラノ・コルティナ冬季五輪でも同じことが言える。

そして、多くの人とともに喜びや悔しさを共有することが国際試合の醍醐味だ。野球ファンだけが見たのであれば、その感動も一体感も薄らいでしまう。

長期的に見て、それは野球界のためになるのだろうか。Netflixの独占配信によって日本戦以外の試合が見られるというメリットはあるが果たして……。Netflixがある意味、今後の球界の命運を握っているといっても過言ではない。

取材・文/武松佑季

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