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考える力が衰える!? これだけは知っておきたいスマホが脳に及ぼす悪影響

集英社オンライン / 2022年6月24日 12時1分

「記憶力が下がった」「集中力が続かない」「アイデアが浮かばない」のは能力のせいではなく、脳の使い方に原因があった! スマホ依存で低下した脳力が劇的にアップする方法とは? 『図解 脳に悪い12の習慣』(幻冬舎)から一部抜粋・再構成してお届けする。

スマホを見すぎると、「考える力」が弱くなる!?

スマホの膨大な情報に触れていると、脳の機能が常に受け身になることをご存じでしたか? スマホの見すぎには要注意です!

スマホは今や人々の生活にとって欠かせないものになっています。スマホは仕事や生活における便利さだけでなく、娯楽として楽しめる時間も提供してくれるからでしょう。しかし、いいことばかりではありません。弊害もたくさんあります。とくに脳機能にとっては、よくない側面がいくつもあります。



一つは、考える力に対するマイナスの影響です。スマホには、ありとあらゆる分野に関する膨大な情報が溢れています。そんなおびただしい情報に次から次へと半ば無自覚に触れていると、脳内における情報処理作業は、とても粗いものになります。

大脳皮質神経細胞が認識した情報が、A10神経群→前頭前野→自己報酬神経群→線条体―基底核―視床↓海馬回・リンビックといった神経群が連合したダイナミック・センターコアのなかをぐるぐる回ることで、思考が深まることはすでにお話しした通りです。思考や心の質を高めるには主体性をもって情報を積極的に選び、かつそれらがモチベーションを高めてくれるものとして脳に受け取られなければなりません。

ところが、スマホで漠然とたくさんの情報を矢継ぎ早に拾っていくような受け身の姿勢では、A10神経群を動かす積極的な感情は生まれません。その結果、思考は深まることなく、心が本当の喜びや楽しさで満たされることもなくなります。

最近、若い世代を中心に読解力などの考える力が弱くなってきていることが指摘されていますが、これはスマホによる影響が大いにあると思います。

スマホ断ちすれば、集中力や記憶力は高まる!?

「いい仕事をしたければ、スマホの電源を切りなさい」――これは私からの提案です。理由を詳しく見ていきましょう。

スマホの使いすぎは、思考力を下げるという弊害があるわけですが、もう一つ気をつけたいのが「集中力の低下」です。あなたは仕事や勉強の合間に、どのくらいの頻度でスマホを見ますか? メールの着信音が鳴ったらメールをチェックして返信を打ったり、ふと気になることが頭に浮かべば検索して調べたりと、たびたび作業を中断させたりしていないでしょうか。

スマホを頻繁に見ることで作業の効率はかなり落ちているはずです。集中力を高めたいときは、スマホを自分の周りから遠ざけたり電源を切ったりすべきです。

スマホに気を取られることで低下するのは、集中力だけではありません。記憶力も悪くなります。脳には新しい情報に瞬時に反応するクセがあるからです。インターネットで何かを調べようとしたとき新着メールに気づいて読んでいるうちに、何をしようとしていたか忘れてしまった……などは経験済みでしょう。このように脳にとって新しい情報がもたらされると、やろうとしていたことが脇に押しやられてしまうのです。

仕事中や勉強中のスマホのチェックは、まさしく脳にとっての新しい情報になるわけで、せっかく理解や記憶をしようとしている脳の作業をじゃましてしまいます。

作業をするときは「スマホを断つ」。それを実行するだけで集中力が上がり、仕事の効率は驚くほどよくなります。

「ひとり時間」を長くしない

このご時世、終日ひとり時間を余儀なくされることもあるでしょう。しかし、3日間誰とも直接話をしていない状態は、なるべく避けましょう。

ネットで買い物をしたりオンラインで仕事をしたり、1日中外に出なくても問題ないという人が昨今増えています。家で過ごす時間が増えると、人と直接接する機会は減ります。しかし実際に顔を合わせ会話をすることは、実は人の脳にとってとても重要な意味をもっています。

人が考えや気持ちを相手に伝えられるのは、脳のA10神経群を介して互いに同期発火(左図参照)を起こすからです。さらに思考や感情をポジティブに共有すれば自己報酬神経群が同期発火し、脳の機能を活性化します。「楽しい」「すごい」などの気持ちが生まれ、深いコミュニケーションが可能になります。

ふだん、仕事で人と会ったり、あるいは友人、知人と会って楽しい会話をしているという人の脳は、他人と同期発火する機会が多いため、それによって思考力や記憶力が高められているはずです。ですから、人と会って話をする機会が少ないという状況は、脳にとっては非常によくないことなのです。スマホを見ていると、ついついひとりで過ごす時間が増えます。

SNSなどで人とつながっている人は多いでしょう。でも、面と向かって相手とコミュニケーションをすることと、オンライン上でのそれとでは、会話の質も深さもまったく違います。
スマホなどに依存して「ひとり時間」を増やすことは脳の機能を低下させる要因にもなりうるので、人と会って話す機会をできるだけつくるようにしましょう。

スマホは固定観念をより強固にする

スマホが与える弊害はみなさんが思っている以上に大きいものです。スマホを使う時間を「1日〇分」などと決めるといいでしょう。

ネットには実にさまざまな情報が溢れています。それに触れることで、脳は大いに刺激を受け、思考を深めそうなものですが、実際は反対のことが起こっています。

脳には、自分を守ろうとする「自己保存」と、自分とは異なる意見や考えを受け入れない「統一・一貫性」という2つのクセがあります。ネットの情報を見たりするときは、このクセがしばしば顔を出します。

情報が多すぎると、脳は正しく判断したり、本当に必要なものを選び出したりする力が低下します。そうなると脳は、判断力や思考力がさほど必要とされないレベルで情報にあたっていくようになります。

その結果、多種多様でおびただしい数の情報のなかから、自分にとって好ましいものや、都合のいいものばかりをくり返し検索するということになりがちです。すなわち、思考を深め、創造力を高めるどころか、固定観念や思い込みでできた自分の世界を、より強固にすることになってしまうのです。

また、スマホの見すぎは、形や位置を認識する空間認知能に悪い影響を与えます。空間認知能を高めるには、ふだんから背筋を伸ばして目線を水平に保つ姿勢でいることが必要ですが、スマホを見ているときは、たいていそれとはほど遠い姿勢になっています。

なかにはスマホの見すぎで、猫背や、首の頸椎部分がまっすぐになるストレートネックになり、首や肩のコリが悪化する人もいます。空間認知能を衰えさせないためにも、スマホの見すぎには注意してください。

『図解 脳に悪い12の習慣』(幻冬舎)

林成之

2022年5月25日

1000円(税込)

単行本 172ページ

ISBN:

978-4-344-03968-1

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