――「ルーフ ミュージアム」のこけら落としとして個展が開催されることになった経緯を教えてください。
2019年に原宿の「GALLERY TARGET」で開催した「Express More with Less」と、2020年に渋谷の「SAI」で開催した「The Last Supper」というふたつの個展があるんです。そこで展示した作品をまとめた作品集を作りたいという思いはずっとありました。なんとなく動いてはいたんですが、どこでどう形にするかは決めていなくて。そんな中、今年の1月に「ルーフ ミュージアム」のオーナーから声をかけていただいたんです。とはいえ準備期間が半年もなかったので、新作だけでこれだけの空間(2階のギャラリーは面積70坪、天井高4メートル)を埋めるのはちょっと難しい。そこで、進行中だった作品集「Express More with Less」のお披露目会としてこの場所を使わせてもらおうと考えたんです。
2階に飾ってある作品は、ほとんどコレクターさんの手元にあったものを、個展のために一時的に貸していただきました。僕の手を離れていたので、こうしてまた会えたことは個人的にも本当にうれしい。ちょっとずつ描き方とかも変わってきているので、改めて見直してみると「こんなふうに描いてたんだ」という発見もありました。