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「W・S 8-19」の意味とは? ガスメーターのマーキングに潜む犯罪者の視線

集英社オンライン / 2022年6月27日 12時1分

夏は夜遅くまで外出する機会が増えたり、暑いから窓を開けっぱなしにしたままだったりすることも多いので、犯罪には十分気をつけたい季節。犯罪に巻き込まれないように普段から防犯の意識を持ちたい。今回は「逃げることこそ最大な護身術」と唱える、総合危機管理アドバイザーのおりえさんから不審者からの身の守り方について解説いただいた。

背後を取られないのが鉄則

防犯の基本はとにかく不審者に背後を取られないようにすることです。
夜道を歩いても駅で電車を待っている時も、エレベーターに乗り込む時も後ろに不審者を立たせてはいけません。犯罪者はターゲットと視線を合わせなくてすむので、前より後ろからのほうが襲いやすいからです。背後に不審な人がいないか、必ず確認しましょう。



よく「自分は大丈夫」「駅から自宅まで徒歩5分だから心配ない」という人はいますが、油断していると誰でも犯罪に巻き込まれる可能性はあるのです。
自分の身は自分で守るため、まずは防犯の講習でも一番質問が多い、外出時や通勤・通学の帰宅途中に不審者と遭遇した場合の対策について解説します。

不審者とは20m以上距離を置く

不審者に狙われやすい人は、意識が周りに向いていない人です。
イヤホンで音楽を聞いている、スマホに集中している、ダラダラ歩いているとターゲットにされやすいです。ヒールやタイトスカートなど動きにくい服装をしているかどうかも不審者はチェックしています。夜道は、スマホは手に持つくらいにして、早歩きで自宅に帰るようにしましょう。

通勤、通学で歩き慣れた場所でも夜道のひとり歩きは危険です。後ろをつけられているような気がしたら、必ず一度は振り返りましょう。振り返ることで相手に気づいていることを分からせることができ、犯罪の抑止効果になります。
「疑うなんて失礼では?」と思ってしまう人は、ショーウィンドウなどのガラス越しに確認するか、人通りがあれば靴の紐を結び直してみるなどして立ち止まり、追い抜かせてやりすごすようにしましょう。

自分が振り返ったら相手も立ち止まる、抜かさせたのに相手が立ち止まっているなら、ほぼ狙われています。
その場合はとにかく全力で相手から20m以上離れましょう。
さまざまな犯罪心理学の研究よって20m以上先に逃げると犯罪者の多くが諦めると言われています。
これが5mくらいになると、男性が大股で素早く3歩進めば、簡単に捕まえられてしまいます。真っ直ぐ前に逃げようが、斜めに逃げようが完全に相手のテリトリー内です。
20m以上を空けると相手が走ってもなかなか追いつけない距離になるので、全力で逃げるようにしてください。

5mくらいだと犯罪者が行動を起こす決意になりやすい

コンビニに逃げ込んでも安全と限らない

不審者に遭遇した時、怖くなってコンビニに寄ってから自宅に帰ったという体験を聞きますが、無事に帰宅できたのは本当にラッキーで、コンビニでの長居はリスクを伴います。

もちろんコンビニは一時避難場所として利用してもいいのですが、不審者は一度ターゲットを決めたらなかなか諦めないもので、2時間でも3時間でも待ちます。コンビニの店内は明るく、暗い夜道からでもターゲットを見つけることが容易で待ち伏せには絶好の場所なのです。出入口も一つしかないので、不審者が物陰に隠れて待っているというケースはよくあります。

絶対に一人でコンビニから出ないようにしてください。誰かに迎えに来てもらう、もしくはタクシーを呼んで自宅まで帰るようにしましょう。また、身の危険を感じたら、コンビニのスタッフに声をかけてから警察に通報するようにしてください。

夜遅く、コンビニやお店に行く場合も注意が必要です。犯罪者がコンビニでターゲットを物色していることがあるので、帰りに後ろからついてこられていないか確認をしましょう。
とにかくコンビニに逃げ込んだら安全と思わず、自宅までは一人にならないようにしてください。

夜道はひったくりが多発する

夜道は性犯罪だけでなく、ひったくりの犯罪も多発しています。歩いていて後ろからバイクが近づき、バッグをひったくられるケースがあるので、車道側にバッグは持たないようにしましょう。また、ケガのリスクや他の犯罪に巻き込まれることがあるので、自ら犯人を追いかけないように。手元にスマホがないときは、周りの人に協力してもらってすぐに通報しましょう。

また駅から自転車なので、大丈夫と思っている人もよくいますが、自転車専門で狙う犯罪者というものもいます。わざと自転車の前に出てきて、自転車ごと倒して襲ったり、荷物を取ったりする手口があります。倒されたほうは一瞬何が起こったかわからなくなり、ケガを負ってしまうため、抵抗しにくくなってしまいます。

また自転車のハンドルにバッグの持ち手をかけるとひったくられた時に転倒してケガをしてしまうので、ひったくり防止カバーなどで対策を。
自転車だから安全と思わず、人通りの少ない道は避けるようにしましょう。

夜の公園などはひったくりなどに狙われやすい

自宅のエントランス、郵便受け周辺に不審者は潜んでいる

「オートロックマンションだから、入ってしまえば安心」という人がいますが、マンションのエントランスやエレベーター内で襲われるという事件はけっこうあります。
オートロック専門に狙っている不審者もいるくらいです。それはなぜかというと、マンション内のエントランスや郵便受け、エレベーターは住人以外が入ってこない、人通りが少ない場所だからです。

不審者が帰り道に後からついてきて一緒に入ろうとすることもありますし、先にマンション内に入っていてターゲットになる人を待ち伏せしているケースもあります。
自宅に着いて、オートロック内に入ると自然に気が抜けてしまいますが、部屋に戻るまでは気を引き締めて、エントランスや郵便受け周辺に不審な人がいないか確認しましょう。

マンション内で一番注意したいのがエレベーターです。
ちょっとでも不審な人物がいたら、エレベーターには他人と一緒に乗らないようにしましょう。
どうしても乗ることになってしまったり、違う階から乗り込んできたりする場合に備えて、階数ボタンの近くに壁を背中にして立つようにしてください。絶対に背中を他人に取られないようにしましょう。

そして部屋に入る前には、後ろをつけられてないか必ず確認してください。
不審者は一緒に部屋に入る気マンマンで、鍵を開けると同時に押し入ろうとします。部屋に侵入されると完全な密室になり、危険です。相手の様子がおかしいと感じたら絶対に部屋に入らず、通り過ぎるようにしてください。

さらに、マーキングされていないかチェックを。
ガスや水道メーター、郵便受けなどに見慣れないシールやマークがされていないかと確認しましょう。例えば、「W・S 8-19」というマークなら「女性、ひとり暮らし8時出勤19時帰宅」という印です。見つけたらすぐに剥がして、不安を感じたら最寄りの警察署に相談しましょう。

また、郵便受けに郵便物を溜めないように。例えダイレクトメールでも郵便物が溜まっていると留守がちと思われます。個人情報を盗まれないためにも鍵をかけて管理するのが鉄則です。

マンションのエントランスは人通りが少なく、狙われやすい

助けを呼ぶ声は上に向かって叫ぶ

不審者への対処法としては、大声で助けを求めるのが一番ですが、実際に遭遇すると声が出ないということがあります。できれば、声を出す練習をしておくのがおすすめです。コロナ禍で難しいですが、外やカラオケなどに行って「あ~」と声を出す練習をしておきましょう。
また、声を出せても不審者が怖いので顔を下に向けて叫んでしまいがちですが、地面に向かって声を出しても響きにくいので、できるだけ上に向かって声を出すようにすると周りに知らせやすくなります。

「いざという時に体が動かない」「震えて何もできない」というご相談をよくお聞きます。普通に歩いていて急に襲われたら、誰しもびっくりして一瞬体が動かなくなってしまうのは当たり前のことです。

ただし、これは助かりたいという防衛反応です。体が震えるのは、「私は諦めていない」というサインであることを覚えておいてほしいのです。「私は諦めていない」ということを自覚して、その場から全力で逃げることが最大の護身術です。

犯罪に巻き込まれないためにも、普段の行動から防犯の意識を高く持つように心掛けましょう。


取材/百田なつき

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