――おふたりはこれが初共演ですが、共演してみての印象は?
ムロ 僕のゆきのちゃんに対する印象は、すごく柔軟性がある、距離感を大切にされている方だな、ということ。僕は“目と耳を持っている”という言い方をするんです。例えばファミレスのシーンでは、相手役である僕とのお芝居だけに集中することなく、周りにお客さん役の人たちがいることや、カメラがどこにあるのかということを意識して演じられていて。一緒にお芝居をすればいろんなものが生まれるだろうなと感じました。
岸井 私はよく周りからムロさんのことを聞いていたんです。「明るくて楽しい人だよ」って。だから共演が決まったときは、「絶対いい人だから現場は超楽しいはず」と送り出されました。でも、いざ現場に入ると、聞いていた話と違うなーって。現場では省エネのムロさんでした。
ムロ 決して省エネではないのよ。
岸井 明るく現場を盛り上げてくださる印象があったけど、いつも現場の端っこの椅子に座っていて。意外じゃないですか?
ムロ 吉田監督からは「わちゃわちゃする小物感を、わざと消そうとしていると思った」と言われました。
岸井 そういう見方もあるんだ(笑)。