麻雀プロとして麻雀を打ち、取材を受け、YouTubeチャンネルの配信を行い、忙しくお仕事をさせてもらっていますが、決して私も順風満帆ではありません。麻雀は運が勝敗を左右することもある競技なので、自分に運が向いていないと感じることや、仕事ではうまくいかず落ち込んでしまうことも多々あります。
昔から読書は好きで、活字も漫画も、たくさんの作品にふれてきました。基本的に自分が「イケてるな!」と好調を感じているときは、成功者のビジネス本や流行の本を読み、さらにテンションを上げます。逆に不調時にそれらの本を選んでしまうと「なんて自分はダメなんだ」とネガティブになってしまうため、あえて避けます。
そして、不調を感じているときに読みたいものがふたつあって、ひとつは東野圭吾さんの『白夜行』です。
これは昔から大好きな作品ですね。誰かのために尽くし、その結果堕ちていく人の生きざまを非常にうまく描いた作品で、悲しいストーリーです。これを読んでいると「自分のために頑張るのは当たり前だな」とか、ときには「自分のほうがまだまだ幸せだな」と感じます。主人公はとても運のない、報われない人間なのですが、その生きざまを見ることで、今の自分の悩みや苦しみはちっぽけなものに感じられるのです。