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藤井聡太も実践。若手棋士の実力アップの秘密は右脳にあった!

集英社オンライン / 2022年7月6日 9時1分

流行の脳トレや特別なトレーニングは不要! 「脳に悪い習慣を知る」だけでパフォーマンスアップ。脳機能を上げたい人の入門書『図解 脳に悪い12の習慣』(幻冬舎)から一部抜粋・再構成してお届けする。

イメージする力が脳力アップのカギを握る

人は日常生活において頻繁に「空間認知能」を使っています。これを理解すると、できることが増えますから、ぜひマスターしてください。

本を読んでイメージを膨らませる。物を見て、それを絵に描く。相手が受け取れるようにボールを投げる。このように空間のなかで形や位置を認識する知能を「空間認知能」といいます。

空間認知能は、思考するときや身体を動かすときに重要な役割を担います。空間認知能は空間認知中枢によって働きますが、言語中枢も深くかかわっています。



物事の認識、判断、思考、記憶といった脳の機能には、空間認知能の働きが必要なため、空間認知能が低いと認識が十分にできず、思考が深まりません。

ですから空間認知能が低いと仕事が遅く、高ければ仕事も速くなります。

運動の得手、不得手を大きく左右するのも、空間認知能です。スポーツにおいては、物や自分の位置関係をきちんと把握し、それにしたがって身体をコントロールする必要があります。身体の動きがいい人は空間認知能が高く、変化していく位置関係を巧みにとらえています。

また、空間認知能は数字に対するセンスとも関係があって、空間認知能が低いと数字に弱い傾向があります。それは、数字を処理する中枢が空間認知中枢に接しているためです。

仮に「自分は空間認知能が高くなさそう」と思っても、心配はいりません。空間認知能は、イメージ通りに身体を動かしたり、運動したりすることで鍛えられます。そうした工夫を、日常生活にぜひ取り入れてみてください。

身体を使う趣味がないと、脳のパフォーマンスが落ちる

空間認知能はさまざまな場面で鍛えられます。練習をするというよりも、楽しんで鍛えられるので、誰でも続けられるでしょう。


空間認知能を鍛えるには、なるべく身体を使う趣味をもつことです。スポーツをしたり、絵を描いたり、料理をつくったりといった楽しめる趣味をもつと、脳のパフォーマンスは上がります。

スポーツは、キャッチボールやテニス、ゴルフなどボールを使う球技が、とりわけ空間認知能の強化に有効です。

狙った場所をめがけてボールを投げたり打ったりという動作は、間合いを測るトレーニングになるからです。

アウトドアのブームもあって山歩きが流行っていますが、起伏にとんだ山の道を歩くことも空間認知能を鍛えてくれます。舗装された街中の平坦な道を歩くのとは違って、山の道は石があったり、樹の根っこが浮き出ていたりと、凹凸だらけです。バランスを取りながら歩いていくには、空間認知能をフルに使うことに
なります。

絵を描くこともおすすめです。

物を観察して形や角度を正確に把握したり、色合いをつかんだり、対象との距離を測ったりと、空間認知能が強く求められるからです。

またふだん気をつけていただきたいのが、字を雑に書かないことです。これは空間認知能を低下させる習慣になります。

字の線の長さやアキの幅などを意識して、丁寧に書こうとするだけでも、空間認知能を鍛えられますし、さらに字がきれいになるというおまけがつけば、お得な気分にもなるでしょう。

天才棋士・藤井聡太も実践する右脳活性法

ふだん、右脳や左脳などと意識して頭を使う人は少ないでしょう。でも、ある方法を使えば、それが可能になるのです。

人がものを考えるときは論理的思考をつかさどる左脳を使っています。しかし、この状態では、感性やひらめきをつかさどる右脳はあまり働いていません。

脳全体で見れば、左側の半分しか使わず、右側の半分が活かされていないのは、とてももったいないことです。

左脳も右脳もバランスよく動かして脳全体を使うには、左脳で考えたことを、画像や映像として表現し、認識することです。そうすると、左脳で考えたことが右脳に伝わり、パターン認識されます。パターン認識とは、画像や音声など膨大なデータから一定の特徴や規則性のパターンを識別し、処理することです。

天才棋士として注目されている藤井聡太さんは、練習の際、AIを使ってさまざまな棋譜(対局者が行った手を順番に記した記録)をパターン認識するそうですが、そのときは右脳が使われます。左脳で考えるだけでなく、右脳で膨大なパターン認識をするという頭の使い方をしているので、あれほど強いのでしょう。

将棋界では、若手の棋士の実力が年々アップしているといわれていますが、彼らは左脳で認識したことを画像として右脳で処理する作業を、AIを使って行っているからに違いありません。左脳と同時に右脳を使って頭を活性化させるには、日ごろから考えていることを簡単な絵や図にするといいと思います。

左右の脳を使う習慣を身につければ、脳のパフォーマンスは格段にアップするはずです。

適度に心地よく聞き流せる音楽をかけると、作業効率アップ

好きな音楽を集中して聴きたいという人も多いでしょうが、作業を効率化するために音楽を流すのもおすすめです。

脳にとって、リズムは重要な意味をもちます。話すときや考えるときに「調子がいい」「のってきた」と感じるのは、脳がリズムにのれているということです。

そのとき重要な役割を担っているのは、脳の海馬回と呼ばれる部分です。海馬回は、複数の情報が同時に入ってきたときや、気持ちが高揚したときなどに興奮状態になるという特徴があります。

興奮が高まると、海馬回のなかでアンモナイトのように渦巻き状に並んだ神経細胞が「興奮、抑制、興奮、抑制」をくり返し、脳が働くリズムが生まれます。

このリズムに心地よくのっている状態になったときに、脳はよく働きます。

「音楽を聴きながら作業をしていたら、はかどった」「海辺を歩きながら考えたら、ひらめいた」。こうしたことは脳がリズムにうまくのっている状態といえます。

音楽を聴きながら仕事や勉強をするという経験は、みなさんにもあるでしょう。ただ、好きな音楽と作業の効率が上がる音楽は、必ずしも同じではありません。好きな音楽だと、気持ちが音に集中してしまうこともあります。あくまで適度に心地よく聞き流せ、かつ自分がのれるリズムの楽曲がおすすめです。

脳がのれるリズムは人によって違いますから、自分がのれるリズムを見つけることが大事です。脳のパフォーマンスを上げるためには、何事においても「テンポよくリズミカルに」ということを心がけておくといいでしょう。

『図解 脳に悪い12の習慣』(幻冬舎)

林成之

2022年5月25日

1000円(税込)

単行本 172ページ

ISBN:

978-4-344-03968-1

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