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猛暑も吹き飛ぶ! 「最恐サメ映画」ベスト5

集英社オンライン / 2022年7月4日 12時1分

暑い夏こそ観たい冷や冷やゾクゾクするサメ映画を! 『サメ映画大全』(左右社)の著者・知的風ハット氏が選んだ最恐5作を紹介する。

夏だ! 海だ! となると、やはり今年もまたサメ映画について語らねばなるまい。ネットでのバズりを狙った悪ふざけ全開のサメ映画も結構だが、たまには本格的な“怖い”サメ映画もいいものだ。というわけで今回は、「冷や冷やゾクゾクする」サメ映画を5本、独断と偏見によるランキング形式でご紹介させていただきたい。

なお、スティーブン・スピルバーグ監督の『ジョーズ』(1975年)は殿堂入りとして、このランキングからは除外する。

第5位:『ゴースト・シャーク』(2013年)

「なぶり殺しにされた一匹の名もなきサメが、とあるパワースポットで死後霊体化、“ゴースト・シャーク”と化して人類に復讐する」というのが本作のストーリー。「いきなりふざけているのか!」とお叱りの言葉が飛んでくるかもしれないが、驚くなかれこの『ゴースト・シャーク』、設定こそ奇抜なれども、中身は案外おもしろい。



「ゴースト・シャークは水のある場所にならどこにでもワープできる」
「水から水へと瞬間移動して、陸地でも獲物を追いかける」

というギミックを十二分に生かした襲撃シーンの数々は見応えたっぷり。ウォーターサーバーの中に潜伏したり、トイレから現れたり、雨天時は移動制限がなくなり手がつけられなくなったりするなど、そのアイデアのユニークさではほかの名作に引けを取らない。

幽霊ザメという設定は一見滑稽だが、作品としては全体的におどろおどろしく、意外とオカルト風味の怖さも感じられるのが嬉しいところ。オチは少々やっつけ仕事気味だが、諸々ひっくるめて楽しめるサメ映画には違いない。

第4位:『シャーク・ナイト』(2011年)

サメ映画の中では少々異色な、スラッシャー・ホラー系の怖さを備えたサメ映画。

「田舎の湖でスナッフビデオ撮影を生業とする、サイコ殺人鬼集団が、たまたまバカンスに訪れた主人公たちを襲撃する」という内容は、まさしくスラッシャー映画のそれ。サメの存在は(出番自体は多いものの)舞台装置に過ぎず、終始ヘラヘラしており話の通じないサイコ殺人鬼の“怖さ”がメインの一本である。

「どうして湖にサメが出るんだよ」とお思いの方もいらっしゃるだろうが、そこは「塩水湖だから」であり、かつ「サイコ殺人鬼が色んな種類の人食いザメを捕まえては、湖に放流しているから」とのこと。これが結構おもしろく、特に中盤、無数のダルマザメ(クッキー・カッター・シャーク)が哀れな犠牲者に襲いかかるシーンは見もの。

主人公側の登場人物には好感の持てる人間が多いため、より一層サメの怖さと、サイコ殺人鬼への怒りが引き立つ構図にもなっている。

ちなみに、エンディングで流れる変なラップは必聴。

第3位:『オープン・ウォーター』(2003年)

実話を基にしたプロットで知られる、ソリッド・シチュエーション・スリラー物の作品。厳密には純粋なサメ映画とは言い難いかもしれないが、世間的には国内外を問わずしばしばサメ映画として扱われがちなため、このランキングでもサメ映画の枠組みでご紹介させていただきたい。なお「実話を基にした」とはいうものの、その内容はほぼほぼオリジナルである。

「ほんのちょっとした手違いにより、大海原に取り残され漂流する」羽目になった夫婦の物語。こと本作に限っては、ただ流れに身を任せて漂うしかない、何もない海の“広さ”がそのまま“怖さ”に繋がっている。次第に疲弊し、人間関係も険悪になっていく主人公夫妻。そんなタイミングでサメや嵐が現れ、「いつかきっと助かる」という希望をじわりじわりとすり潰していく。

画面上の動きは少なく、視覚的にショッキングな演出もほぼほぼ見受けられない点、及び主要人物間のギスギスした雰囲気が人を選ぶが、その絶望感がクセになる。

余談だが本作、シリーズ物の作品であり、ストーリー上の繋がりはないものの続編が2本出ている。

第2位:『ロスト・バケーション』(2016年)

日本国内での公開時には、“『ジョーズ』以来のA級サメ映画”なんて謳い文句で推されていた、なかなか強気のサメ映画。しかしながらそのキャッチコピーに嘘偽りは一切なく、一本の映像作品としてのクオリティーでは、実際『ジョーズ』(1975年)に匹敵する、トップクラスの完成度を誇っている。

ストーリーは「秘密のビーチで人食いザメに襲われたヒロインが、近くの小さな岩礁に避難し、ここから生き残るべくあの手この手で奮闘する」というもの。序盤に張り巡らされた伏線の数々を、中盤以降に納得の行く形で一気に回収する手腕や、限られたごく僅かな手持ちの道具を活かして、ヒロインがサメに立ち向かう脚本構成が秀逸。

単に完成度が高いだけでなく、エンタメ的な盛り上がりも上々であり、特にクライマックスにおけるサメとの一騎打ちでは状況が二転三転するため、ハラハラドキドキが止まらない。個人的には、絶対にオススメしておきたいサメ映画のうちのひとつだ。

第1位:『海底47m』(2017年)

総合的な完成度では『ロスト・バケーション』に軍配が上がるだろうが、あくまで“怖さ”で順位付けを行うならば、この『海底47m』を第1位の座に推挙したい。

「ケージ・ダイビング中の事故で、檻に閉じ込められたまま海底に沈んでしまった」姉妹を描くソリッド・シチュエーション・スリラー。ただでさえ暗く、身動きの取れない海の底は薄気味悪いというのに、闇の中から突然襲いかかってくる人食いザメはインパクト大。

それのみならず“酸素切れ”という残酷な制限時間や、能力的には一般人の域を出ない主人公姉妹のキャラクターが合わさり、鑑賞中は常にどうしようもない焦りと息苦しさを覚えることだろう。底意地の悪いクライマックスも忘れ難いもの。最初から最後までしっかり怖く、そしておもしろいサメ映画である。

ちなみに『海底47m 古代マヤの死の迷宮』(2019年)という、アドベンチャー要素がやや強めの続編も存在する。時間に余裕があるならば、立て続けに2本観るのもいいだろう。


以上が、「冷や冷やゾクゾクする」サメ映画ランキングである。当然異論もあるだろうが、なるべく大勢の方に楽しんでいただけそうなサメ映画、興味を持っていただけそうなサメ映画に絞って紹介したつもりだ。

特に『ロスト・バケーション』と『海底47m』は世間的な評価もかなり高いため、まずはここらを取っかかりとして、知れば知るほどどうしようもないサメ映画沼にズブズブとハマっていただきたい。

『サメ映画大全』(左右社)

知的風ハット

2021年7月22日

2200円(税込)

単行本 240ページ

ISBN:

978-4-86528-034-0

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