――近ごろ、「気象病」という言葉をよく耳にするようになりました。天気と体調は関係があるのでしょうか。
昔から、「膝が痛いから明日は雨だ」と、痛みで天気を予報する人は多くいます。「大雨や台風が来る直前は耳の奥がツーンとして痛い」「梅雨時は、ケガのあとが痛む」という体験をしている人は後を絶ちません。
天気と体調は密接な関係がある、という研究結果は「生気象学」の分野で以前から確認されてきましたが、近年は医学界でも数多く報告されています。
ただし、気象病とは通称であり、医療で用いられる病名ではありません。国語辞書には「気象の変化と関係があると考えられる種々の病症の総称」などと記されています。
気象病とは一年中起こるわけですが、日本ではとくに梅雨時や台風時に気圧や気温、湿度が急激に変化します。また、フェーン現象では高温と強風に、暑い時期は高温多湿に見舞われます。そうした気象の変化が心身に大きなストレスとなって、体の不調をまねくのです。