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マイナスをプラスに! 4段階で使い分けたいビジネスお詫びメール

集英社オンライン / 2022年7月28日 16時31分

ビジネスメールだからといって、難しい言葉は不要。言葉のプロである辞書編纂者の視点からメール作成に必須の文例を網羅、仕事がサクサク進む一冊『語彙力がなくても「伝わる」ビジネスメール術』(朝日新聞出版社 執筆/古賀千賀子 執筆・監修/飯間浩明)から「ミスへの謝罪」の項を一部抜粋・再構成してお届けする。

感謝の気持ちを表すおわび

「わびる」の項目では、謝りたい気持ちの強さを「謝り度」と名づけ、文例ごとに0~4段階で表します。状況によって謝罪の勢い、深さには差があります。まずは「謝り度0」で、一番軽いおわびの例。伝えている内容としてはほとんど「感謝」です。

相手の苦労をあらかじめ案じてわびる

▶ご足労いただけるとのこと、まことにありがとうございます。このような天候のなか、大変恐れ入ります



どうやら明日は天気が悪いらしい、そんななか来てくれる相手に対して、感謝の気持ちを表しつつ相手の苦労を案じて「あらかじめ」謝っておくシーンです。「恐れ入ります」はごく軽いおわびですが、ここではこの程度で十分です。べつに悪いことをしていないのに謝りすぎると、相手も負担を感じます。

お礼の代わりに「すみません」を使いすぎている人は、「ありがとうございます」に書き換えてみましょう。とても気持ちのいい文章になります。

コミュニケーションを円滑にするおわび

過去のことについて、お礼とともにおわびの気持ちを示す文例です。「謝り度」は1。ここでもまだ、感謝のほうが強く前面に出ている状況です。

意外に使える「失礼いたしました」
▶昨日のミーティングでは失礼いたしました


会話ではよく使う「失礼いたしました」ですが、実はメール文でもきわめて有効です。特に、文例のように直近のコミュニケーションについて軽く言及する際など書き添えておくと、関係を築く上で感じがよくなります。

誰しも、どれだけ気をつけていても、避けようもなく失礼をしてしまうものです。迷惑をかけあって、許しあって生きているのが人間です。ここでは、自分が気づいていないかもしれない失礼をわびているのです。

▶ご心配をおかけしました
▶お騒がせいたしました


より具体的なおわびの文言です。「失礼いたしました」はさしたる失礼がなくても使いますが、上記の2つは実際のできごとに言及する場合に使います。

▶恐縮いたします(恐れ入ります)

「失礼いたしました」は、相手と何か接触があったあとでそれをフォローする、つまり過去についてのおわびとして使います。一方、「恐縮いたします」「恐れ入ります」は未来のできごとについてのおわびにも使えます。

たとえば次のような使い方です。

「明日はミーティングのお時間をいただき、まことに恐縮いたします。
予定どおり11時に貴社へお伺いいたします」


お互い仕事ですから、ミーティングに時間をもらえるのは普通のことです。でも、「してもらって当たり前」という態度では、コミュニケーションはうまくいきません。そこで活躍するのが「恐縮」というわけです。

期待に応えられないことをわびる

「ご期待に沿えません」+「申し訳ありません」
▶どうかご容赦ください


「ご容赦ください」は「ご期待に沿えません」と「申し訳ありません」の意味が含まれる断りのことばです。
ご要望に沿いたいのはやまやまだけれど、どうしても状況が許さない。そんな気持ちで謝るときに使います。

▶お力になれず(ご期待に沿えず)申し訳ありません

おわびではありますが、感謝の意味合いも強く含んでいる表現です。相手がこちらに相談してくれた、こちらを頼りにしてくれたという場合、そのことに感謝を込めながらおわびする表現です。

×ご勘弁ください

「ご勘弁ください」も「ご容赦ください」と似た意味のことばですが、少し軽いニュアンスがあります。親しい間柄で、何か無邪気に頼まれたりして、「そんな仕事勘弁してくれよー」などと使うことはあるかもしれません。でも、「勘弁して」と言う場合、意味合いとしては「やめてくれ」に近く、一般的なビジネスでは使いにくいと言えるでしょう。

自分のミスをわびる

こちらになにがしかの落ち度があったときに使うフレーズです。「謝り度」は2に上がります。

してしまったこと+「申し訳ございません」
▶モニター不調の件では、私の不手際でご迷惑をおかけいたしました。まことに申し訳ございません


感謝のニュアンスがある謝罪として、カジュアルにも使える「申し訳ございません」ですが、ここでの「申し訳ございません」はいよいよ本気です。

こちらがミスをしてしまったことを示し、何について
謝っているのかを明らかにします。その上で謝ると、謝罪の意図が伝わります。

▶おわび申し上げます
▶何とぞお許しください(どうかお許しください)


「お許しください」は、そのままで使うとややぶっきらぼうな印象が出てしまいます。そこで「何とぞ」(「何卒」とも表記)をつけるのがポイントです。より柔らかい表現の「どうかお許しください」も使えます。

▶ご迷惑をおかけしております

文例では「ご迷惑をおかけいたしました」と過去形に しましたが、「~おかけしております」と現在形にすれば、まさに渦中にある件をわびることができます。

「ご迷惑」は便利なワードです。もしかしたら、こちらは悪くないかもしれない、でも悪いかもしれない、今のところはまだ分からない―。そんなシーンでも、相手が疑っている時点で迷惑をかけています。その迷惑はちゃんと認識しています、と伝えることで関係がスムーズになります。

使い慣れておくと、役立つ機会が多いはずです。

#2 誰にでもできるビジネスメールテクニック!4段階のメール謝罪術(7月29日8時公開予定)

『語彙力がなくても「伝わる」ビジネスメール術』(朝日新聞出版社)

飯間浩明

2022年3月29日

1210円(税込)

新書 224ページ

ISBN:

978-4-02-334019-0

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