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誰にでもできる! 謝罪の段階別・ビジネスお詫びメールの書き方

集英社オンライン / 2022年7月29日 8時1分

マイナスをプラスに変えるお詫びのビジネスメールの書き方。難しい言葉は不要。言葉のプロである辞書編纂者の視点からメール作成に必須の文例を網羅、仕事がサクサク進む一冊『語彙力がなくても「伝わる」ビジネスメール術』(朝日新聞出版社 執筆/古賀及子 執筆・監修/飯間浩明)から「ミスへの謝罪」の項を一部抜粋・再構成してお届けする。

反省していることを伝える

自分がミスをして相手に迷惑をかけたとき、反省して同じ失敗は二度としない、という意志を伝えることがあります。実際にそこそこの迷惑をかけ、こちらに改める必要がある場合の文例です。「謝り度」はさらに進んで3になりました。


おわびするべき事実を伝える
▶こちらの誤記だったことが判明いたしました


こちら側の失策を記すのは気が進まないものですが、あいまいにしてはいけないところです。相手の指摘以外にも失策が見つかれば、それも具体的に述べます。

反省の気持ちを示し、相手にかけた負担を書く
▶あってはならない誤りであり、深く反省しております
▶ご迷惑をおかけし、まことに申し訳ございません


こちら側がこの誤りをどう受け止めたかを述べた上で、相手にどんな負担をかけたかを短く記します。ここでは「ご迷惑をおかけし」という表現でいいでしょう。

▶恥じ入るばかりです

何らかのミスをしたときに感じる気持ちは「申し訳ない!」とともに「恥ずかしい!」ではないでしょうか。素直な気持ちの表現として使えます。

▶ご指摘の点、深く肝に銘じます
▶今回のことを今後に生かしてまいります


どちらも反省の意味で使えることばです。注意したいのは、相手のアドバイスの種類を強調しないこと。たとえば「お叱りは肝に銘じます」などと、つい書きたくなります。でも、「自分は叱っていないぞ」と相手は不愉快に思うかもしれません。むしろ、自分が今後どうするのかを中心に述べましょう。

重大なミスへのおわび

ついに「謝り度」が4です。こちらが渡した資料に、相手とのプロジェクトに不都合をきたしかねない不備があったが、すでに相手の社内で社長にまで回覧されてしまっていた! という状況を考えてみます。このことを謝るとなると、謝罪のポイントをさまざまな「角度」から盛り込んでいくしかありません。

特別なことばは使わず、謝罪の「角度」を増やす

深く謝罪をするための新しいことばが出てくるかというと、ご覧のとおりそうではありません。その代わり、ありったけの謝罪のことばを使います。文例では5つの「角度」からおわびをしています。

(1)相手に何をしてしまったのかの認識を伝える
▶先日の資料の不備の件では、大変ご迷惑をおかけいたしました

(2)おわびする
▶改めて深くおわび申し上げます
▶まことに申し訳ございません


(3)今の自分の様子を伝える
▶反省いたしております

(4)相手に許しを乞う
▶何とぞお許しください

(5)再発防止策を提示する
▶今回のことを踏まえ、目下業務の進め方を見直しております
▶今後再びこのようなことがないよう、十分注意してまいります


難しいことばで煙に巻くよりも、ずっと真摯なメールになります。もはや状況は取り返しのつかないところまでいってしまっているかもしれません。それでも救いはあるはずです。謝れるところは全部謝ってしまい、さらに今後も見据えた内容にします。

注意すべきおわび表現

ここからいくつか、おわびとして使う場合には注意したほうがいいことばをピックアップします。もし愛用しているのなら、必ずしも使うのをやめなく てもかまいません。使う人の性格や状況と合っていれば、いい効果を生むこともあります。ただ、相手によっては 別の印象を持つということは念頭に置いてください。

△ご寛恕(ご宥恕・ご海容)ください

かなりかしこまった雰囲気ですね。特に「ご寛恕」は一般にはあまり耳にしない言い回しです。難しいことばが好きな人同士であれば、これらのことばの意味や使った意図が十分伝わるでしょう。でも、そうでない場合、自分が意味をよく理解しないまま使っても相手に伝わらないし、誤解を招くこともあります。

「寛恕」には「広い心で許す」という意味があります。「宥恕」「海容」も同じです。意地悪な見方をすると、心が広いのだから許せるでしょう? と迫っているようにも感じられます。本当に意地悪な見方ですが!

△お叱りは肝に銘じます

一見、反省しているようですが、これもあまりお勧めできません。

ポイントは「お叱り」です。実際「これはどう考えても今叱られているよな」と感じるシチュエーションでも、叱った相手は「私は叱ってない」と思っていることもあります。「単に事実を言っているのだが!?」と。「叱られ た、怒られた」と訴えるのは、指摘を受けた側による逆 マウントになることもあります。

「いただいた苦情を今後に生かし……」などという表現も、やはり避けたほうが賢明です。相手としては、自分が叱っているのか、苦情やクレームを言っているのかを、勝手に解釈してほしくないと思うはずです。

こういった場合は「お伺いしたことは肝に銘じます」 のように、相手の発言の種類を特定しない表現にすると、一気に感じがよくなります。「ご指摘を生かしてまいり ます」のように「ご指摘」とするのも、「お叱り」に比 べればずっとニュートラルに近い表現であり、悪くあり ません。

謝罪しているようで謝罪していない表現に要注意

△失念しておりました

何かうっかり忘れてしまった、そんなときに使いたくなるのが「失念」。これも格好をつけた言い方で、謝罪の場面では避けたほうがいいでしょう。「忘れていました」と書くよりも利口そうに見えますが、「忘れておりました。申し訳ございません」と素直に謝ったほうがスムーズです。

また、忘れていた理由を並べ立てることも逆効果です。

「来週だと思っておりました」「自分の担当という認識が ありませんでした」など、聞かれもしないのに言い訳す る必要はありません。要するに確認不足だったのですか ら、「確認不足でした」と認めたほうがいさぎよいのです。

忘れていたことを立派な表現で飾ったところで、印象はよくならないと考えましょう。

×誤解を与えたとしたらおわびします

謝罪しているようで謝罪していない、と批判をあびることが多いワードが、この「誤解を与えたとしたら」です。仮定法のおわびはただ往生際が悪いだけです。相手は「いや、発言は誤解なく伝わっていますよ!? その上で怒っているのだが!?」と思うかもしれません。

×私の不徳の致すところです

「自分に徳がないからこういうことが起きてしまいました」という意味になります。仕事でミスをしたときに、これでは相手をイラッとさせます。相手からすれば「足りないのは徳ではなく注意力では?」と言いたいところです。徳うんぬんではなく、何が原因でミスが起こったのか整理することが大切です。

『語彙力がなくても「伝わる」ビジネスメール術』(朝日新聞出版社)

飯間浩明

2022年3月29日

1210円(税込)

新書 224ページ

ISBN:

978-4-02-334019-0

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