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「もう、ごはんを作るのはイヤ!」な人に送る、やる気0%からの料理術

集英社オンライン / 2022年7月8日 17時1分

「もういやだ、今日はごはんを作りたくない」 毎日のごはん作りに苦痛を感じる人とリアルに向き合って15年…。料理教室を主催してきた本多理恵子さんに料理の苦痛の乗り越え方をインタビュー。暑い夏のごはん作りのアイデアもお聞きした。

コロナ禍で新たな料理作りの苦痛が生まれた

料理教室を開いて15年、のべ1万3000人の生徒さんと接してきた中で、皆さんがよくおっしゃるのは「私は料理できないんです」「ウチで作ったものなんて誰にも見せられませんよ」とおっしゃる方が多く、軽く驚きました。
ベテラン主婦の方でもそうおっしゃるんですよね。

でもよく聞いてみると、皆さん「梅干をつけた」「塩麴から作った」とか話されるので、全くしない・できないではなく、「したいけど思うようにできていない」のか、「やっているんだけど、もっとやっている人がいるので自分はダメだ」と思っている人が案外多いということを実感しました。



私たちの母親世代は料理については、ご近所同士でお裾分けするなどもっと開けっぴろげでしたが、今はSNSなどで見ず知らずの人の一番いい瞬間の料理の情報が溢れすぎているので、そのことも「なんで自分はできないのか?」という気持ちにさせてしまいます。

また、コロナ禍によって外の生活と遮断されてしまい、その分、家での過ごし方に重きを置くようになりましたよね。「料理くらいおいしいものを食べたい」「せめて食事で変化をつけたい」というプレッシャーが料理の作り手をますます悩ますようになりました。

さらに、生徒さんからよく聞く声に「1日中、誰かの食べる時間に合わせて料理を作っている」ということでした。

普段自分ひとりなら、朝食べたら、昼は小菓子程度をつまんで特に料理を作らなかったのに、子どものオンライン授業の切れ目に、お父さんのミーティングの休憩になど、スケジュールに合わせて作るのが大変そうでした。

また、子供用には甘口、大人には辛口になど味やボリュームのパターンを複数用意しておかないといけなくなったというのも、コロナ禍によってもたらされた新たな料理作りの苦痛ですね。

「料理に対して皆さん、自己肯定感が低いですね」と語る本多さん

苦痛を感じたら料理をやめてみる

そんな毎日がんばって3食作っている人に「そんなにがんばらなくてもいいよ」と私は言ってあげたいですね。

食べる人は意外とマンネリを気にしません。不安な場合はご家族で会話してみてください。みんなそれほど不満には思っていないはずです。
味付けを変えるより馴染みのある味付けのほうが喜ばれるようですよ。
同じ味付けであっても、食材だけ変えて繰り返し出したとしてもマンネリにはなりません。

また、できれば「料理をやめる」ということをしてみてください。
なにも一生作らないということではありません。
ご家庭の事情はいろいろあると思いますが、「今週の昼は作らない」などと宣言して、やめてみてください。生徒さんの中で実践された人に聞くと、家族がそれぞれ外で食べたり、何か買ってきたりするなどして、作らないことは責められなかったとのことでした。

料理作りに疲れたら正直に言っていいのです。
無理なら無理と言って、頼れるものにはどんどん頼りましょう。
料理作りは、決してがんばりすぎないことが苦痛を乗り越える最大のポイントだと思うのです。

夏の料理作りは万能タレで乗り越える

夏は暑くて、キッチンに立つのも苦痛ですよね。揚げ物とかなるべく避けたい…。
でも外で日中はスルッと喉ごしがいいものを食べるから、家では食べ応えがあるものがいいと家族からリクエストされることもあると思います。

そんな時は、電子レンジを使うのがおすすめです。
例えば、ラップを広げてごま油小さじ1を垂らし、水滴がついた茄子をヘタ付きで丸ごと乗せて、全体をラップに包んでレンジで3分ほど加熱したら素揚げ風になります。

油で揚げるほどこっくりとはしないけど、逆にカロリーは抑えられるので健康的です。
発色もきれいで、油をまとったいい感じの茄子に仕上がるので、粗熱をとって、ヘタを切り落とし、必要に応じて切るか割くかしてポン酢でいただくのもいいですし、これからの季節なら、素麵と一緒に出せば、立派な1品に。

料理が苦痛と思ってしまう方の中に「味が決まらない」というお悩みがあります。
料理しながら、調味料をいちいち大さじ1、小さじ1と計りながら入れるのは面倒ですよね。
そんな時におすすめなのが万能タレです。
醤油、みりん、砂糖、酢の4つの調味料を混ぜて、瓶に入れて冷蔵庫に保存しておけば、使うときに瓶を振って食材にかけて炒めるだけで味が決まります。

夏は味が濃く、酸味があるものだと食が進むのでおすすめです。
もやしとひき肉を炒めて、タレをかけるだけで立派なおかずになりますよ。


★万能タレのレシピ
醤油 大さじ1
みりん 大さじ1
砂糖 大さじ1
酢 大さじ1
それぞれ入れてよく混ぜるだけでOK!

家にある調味料で作ることができる万能タレ

ケチャップを大さじ1プラスすれば、酢豚にもアレンジできるので、ウチでも冷蔵庫に常備しています。

さらに夏におすすめのレシピも紹介します。

ズッキーニと豚ヒレ肉の甘酢炒め(万能タレ)

<材料>2〜3人分
・豚ヒレ肉 150g(1cm厚に切り、塩小さじ1/2・胡椒少々・酒大さじ1をまぶし10分)
・片栗粉 大さじ1.5
・ごま油 大さじ3(2回に分けて使う)
・ズッキーニ 小さめ1本(1cm厚に切る)
●タレ(よく混ぜておく)
醤油 大さじ1
みりん 大さじ1
砂糖 大さじ1
酢 大さじ1
<作り方>
1 ポリ袋に下味につけた豚肉を入れ、片栗粉を加えてよく振って全体にまぶす。
2 フライパンにごま油(大さじ2)を入れ、ズッキーニを並べて蓋をして中火加熱。
3 軽く焼き色がついたら蓋を取って裏返し、片面にも焦げ色がついたら取り出す。
4 空いたフライパンにごま油(大さじ1)を入れ、豚肉を並べて蓋をして同様に両面焦げめがつくまで焼いたらズッキーニとタレを入れて煮絡める。


メインの食材を変えて、カジキマグロとピーマンなどお魚料理とも相性がよく、手軽にさまざまなアレンジができるので夏におすすめですよ。


取材/百田なつき 撮影/寺岡みゆき(著者プロフィール写真)、花田梢(取材写真)

ごはん作りの絶望に寄り添うレシピ やる気0%からの料理術(エムディエヌコーポレーション)

本多理恵子

2022年5月2日

1,540円(税込み)

単行本:176ページ

ISBN:

978-4295202387

料理をする気力がわかない…。料理はそれなりに作っているけれどモチベーションを保てない…。日々モヤモヤしながら料理を作り続けている…。そんなあなたへ贈る、抱腹絶倒の応援メッセージ&お助けレシピ45。著者は、第6回料理レシピ本大賞料理部門(エッセイ賞)受賞の本多恵理子さん。料理にまつわる絶望シーンは、本多さんと一緒にグチって笑ってしのぎましょう。本書では「そんなもんでいいのか(笑)」と思えるアイデアやレシピも多数紹介。きっと明日は「ちょっとだけやってみよう」と思えるはずです。

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