顔に刻まれた深いしわは、グラウンドに立ち続けてきた男の年輪だ。5月7日の春季兵庫大会決勝。東洋大姫路はライバルの報徳学園に0-2で負けた。岡田は4月に就任後、わずか1カ月で決勝に進んだが、敗戦を苦々しく振り返った。
「1カ月、いろいろやってきたけど、僕が思っていることの10%も伝わってない。もっと振っていく姿勢を出さないと」
35年間指揮を執り、19年夏の甲子園優勝に導いた履正社から母校に復帰した。還暦を超えてなお、野心は消えない。ベテラン監督が新天地で繰り出すマネジメントは、組織づくりの要諦を示している。