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『オモウマい店』名物Dが語る、大衆店にこだわる理由

集英社オンライン / 2022年7月12日 13時1分

中京テレビが制作している大人気グルメ番組『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』。企業プロモーションも兼ねたグルメ紹介番組が増える中、『オモウマい店』はあくまで大衆的な個人店にこだわり、取材交渉から密着まで一週間以上の時間をかけ、お店や店主の魅力を丁寧に映し出すのが特徴だ。今回は番組を代表する放送回「味のイサム」を密着した片桐ディレクターに、取材のコツや苦労を聞いた。

名物「元祖 豚のから揚げ」。創業50周年を迎えた「味のイサム」の名物料理

お店の味、そして人情味を映す出す番組

2021年に放送を開始した、日本テレビ系列(中京テレビ制作)のグルメ番組『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』。単発のスペシャル番組『ウマい!安い!おもしろい! 全日本びっくり仰店グランプリ』の好評を受け、レギュラー化されたものだ。


ネットの情報を手がかりにすることもあるが、基本的には現地での口コミと足で稼ぐことをモットーとし、実際に店主と対面しながら交渉する昔ながらの取材スタイルを特徴とする。

取り上げるのは、圧倒的なボリュームや価格以上のサービスがある地元密着型のお店ばかりで、さらに店主や常連客も「味のある」人が数多く登場する。1時間の番組内で、1~3店ほど取り上げるこの番組だが、毎週のレギュラー放送に間に合わせるため、全国津々浦々、取材に出ているディレクター、スタッフの数は常時40名以上だという。

レギュラー放送開始から1年が経過し、オモウマい店にも名物回、人気回が生まれている。
例えば、ディレクターがアルバイトとしてお店を手伝うことになり、それを機に家族同然の付き合いとなっていった豚から揚げの名店「味のイサム」回。アットホームなうどん屋で、店主のせっちゃんと常連客が、ディレクターを孫のように可愛がる「せっちゃんうどん」回、そして豪快な振る舞いと、ディレクターも含めて希望者を次々と弟子に取る店主の懐の深さが話題となったそば屋「茂三郎」回。……どの店も味はもちろんのこと、店主や常連客の人柄にファンが付いている名店ばかりだ。
今回は、この3店の取材を行っている3名のディレクターに話を聞くことができた。

店のメニューを安くしすぎて赤字、その補填のために店主(バイク運転手)がウーバーイーツに励む「居酒屋たざわこ」。そんな本末転倒なお店を丁寧に掘り下げ、店主の魅力を伝えてくれる番組だ

初日から急遽、アルバイトに……「味のイサム」密着秘話

埼玉県羽生市にある人気の中華料理店「味のイサム」。名物は“元祖”と刻まれた豚のから揚げで、豚と鶏のから揚げが約20個、タワーのように積み上げられた「Wから揚げ」は、そのボリュームと950円という安さがウリ。
地域住民の胃袋を満たす人気店として知られるこのお店を取材したのが、大柄な体型と黒縁メガネがトレードマークの片桐ディレクターだ。ディレクター歴は5年目の片桐氏は、「2階が自宅の店は安くてうまい」という仮説からお店を発見。
「許可取りなどは比較的スムーズに行きました」と当時を振り返る。そして「味のイサム」放送回と言えば、店主の清彦さんから依頼され、片桐Dがアルバイトとして働き始める展開が見どころだ。

「もともとランチタイムは混雑していたのですが、取材初日、普段アルバイトをされている方が急遽、体調不良でお休みを取ることになったんです。店主さんや奥様、ほかの従業員の方々も本当に困っていたので、意を決して厨房に入ることにしました」(片桐D)

二日目からは「味のイサム」Tシャツも配布され、ADと共に皿洗いや食事の配膳、注文、掃除など手伝いを重ねていった
片桐D。その中で店主やその家族とも打ち解け、一回目の密着取材を終える頃には、家族同然の関係性を築くように。
当初「店主さんは中京テレビがどこにある局かもわかっていなかったと思います(笑)」と片桐Dが言うように、実際に放送されるまでは、この密着がどのように放送されるのか、「家族も不安がっていた」という。だが、全国ネット、ゴールデンタイムで放送された効果は、お客さんの数というもっともわかりやすい指標で現れた。

「普段から混んでいるのに、さらにお客さんが増えたんです。それを喜んでくれましたし、“味のイサム”さんを取り上げたのは番組の開始当初だったので、僕としても良い影響があったことにホッとしました」(片桐D)

すっかりアルバイト姿も板についた片桐D。ラーメンの湯切りもサマになっている

まさかのボヤで休業! そこで深まった絆

毎日行列ができるほど好調だった「味のイサム」に、最大のピンチが訪れる。厨房のダクトに火が燃え広がるボヤが発生し、店は休業を余儀なくされたのだ。そのニュースを知った片桐Dは、すぐさま店主に連絡を取る。

「お店に関するツイートでボヤの情報を知って、すぐに店主さんに連絡を取ったんです。すると店主さんが“君が誰よりも先に連絡をくれたよ”と感謝を伝えてくれて。店主さんは、取材当初こそ寡黙な人なのかなと思ったんですが、話すときはいろんな話をしてくれますし、とても義理堅い。何より熱い人ですね」(片桐D)

ボヤによる休業を機に、厨房や内装をリニューアルすることにした「味のイサム」。その休業期間は8ヶ月に及んだが、その間、岐阜にある片桐Dの実家に挨拶も兼ねて訪問することに。実家では、店主と片桐Dで「イサム」名物である豚のから揚げを振る舞ったほか、岐阜の名所である下呂温泉や、モーニングが有名な喫茶店を巡る。番外編のスペシャルとして放送されたこの1泊2日の珍道中、店主夫婦にとっては、結婚21年目ではじめて遠出らしい遠出となったそうだ。

「やはり店主も家族のみなさんも義理堅い方たちなので、ずっと岐阜に住む僕の両親に挨拶したいと言われていました。それと、店主さんもこれまで結婚してからずっと仕事に一生懸命だったので、旅行らしい旅行をしたことがないと。子供も親元を離れる時期になったこともあり、コロナ禍が落ち着いていたタイミングで行きましょうとなりました」(片桐D)

片桐Dの実家で、豚のから揚げを調理する店主と片桐D。正装である「味のイサム」Tシャツを着用した

カメラの運用が大変! 長期間密着の苦労とは

一週間以上、お店だけでなく店主さんの自宅にも長期密着することがある『オモウマい店』。お客さんが食べている様子をワンカットの長回しで紹介することが多いのも特徴だが、店主さんとのコミュニケーションと同じくらい、カメラの扱いは難しいという。

「店の営業時間だけでなく、朝起きてから寝るまでの間、ほぼ一日中カメラを回しているので、その撮影されたデータの量も膨大になります。お店で働きながら、定点カメラのセッティングやカメラの電池切れなどのフォローもしなければいけないのが大変ですね。もちろん、取材しながら店主さんとどのように距離を詰めていくのか、仲良くなって信頼を得ていくかも取材の中では大変だと思うのですが、僕はありがたいことに当初から「味のイサム」を担当させてもらっていて、みなさんに良くしていただいているので、それを苦労だと感じたことはないですね」

7月12日に放送される「味のイサム復活スペシャル」では、リニューアルまでの怒涛の3ヶ月に密着している。クライマックスでは、店主から「(片桐Dの故郷である)岐阜に2号店を出さない?」と衝撃の依頼を受けた。『オモウマい店』の取材テイストを象徴する「味のイサム」回、今後の展開も見逃せない。

“味のイサム店主(右)と、茂三郎店主(左)

番組情報

『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』
毎週火曜日 よる19:00~19:54
日本テレビ系で全国ネット放送
TVerでライブ配信
MC:ヒロミ 進行:小峠英二
最新回:7月12日放送は「味のイサム」復活スペシャル! リニューアルまでの3ヶ月に密着!
放送後、Locipo、TVer、Huluで無料配信中(一週間限定)
公式Youtube:https://www.youtube.com/channel/UCDtbqtsrrz56EmgPy51x2Yg

取材/文 森樹 写真/番組提供 ©中京テレビ

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