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衣・食・住・風呂・酒が揃って1泊2000円‼ 話題の『安心お宿』宿泊レポート

集英社オンライン / 2022年7月13日 11時1分

「バリアンリゾート」でおなじみ、株式会社サンザの展開する『安心お宿』のお得な宿泊プランがSNSで話題だ。そのお得さを確かめるため、今回は「プレミア荻窪店」に1週間滞在。施設利用を通して実感できた、都会のオアシスの実態をレポート。

都内主要駅を中心に展開されている『安心お宿』は、至れり尽せりのサービスに見合わないリーズナブルな宿泊料金と利便性、安心・安全がウリのカプセルホテル。掃除の行き届いた清潔な客室フロアでの安眠はもちろん、ご飯の無料提供(米・味噌汁・漬物・卵・ふりかけ・お茶漬け)に、アルコールを含むドリンクバー、果ては浴場、(荻窪店では)テントサウナの無制限利用まで宿泊費に含まれる。

高級カプセルホテルを謳う通り、宿泊料は1泊5280円~(以下、すべて税込)。ビジネスホテルと変わらない価格帯だ。しかしながら『安心お宿』にリピート客が絶えない理由は、泊まれば泊まるほど安くなるシステム「カプ住」プランにもある。



15日プランなら3万5000円。1泊あたりの利用料は通常価格の半額以下、2334円までディスカウントされる。30日プランなら6万円だ。同じ立地条件で同じ家賃の物件もなかなかないだろうし……そのうえなんといっても各種サービスが「ぜ〜んぶ無料(タダ)!!」なのである。『安心お宿』の提供するこのあまりのお得さに、かえって警戒してしまう人も少なくないだろう。

1ヶ月プランなら家賃程度の料金で、衣食住、風呂、サウナ、酒…etcが保障される

とはいえ、『安心お宿』が話題になっていることは確かだ。Googleの口コミレビューにも高評価の書き込みが多く並んでいる。

沖縄在住の筆者は1週間ほど東京に滞在する用事があったので、お宿の実態を探る目的も兼ね、1週間プラン(1万7500円)を利用してみることにした。

学生から中年まで、幅広い男性のニーズに応える『安心お宿』が提供する「安心」とは?「これで十分!イナフ!」と、思わず膝を打ってしまうホスピタリティの数々を順にご紹介していきたい。

名前に違わぬシンプルなシステムで「長期利用者」も安心

『安心お宿 荻窪店』外観。 バリ島?を思わせるエキゾチックな入り口が目印(写真/筆者、以下同)

JR荻窪駅 西口から徒歩4分弱。筆者が今日から1週間お世話になるお宿、豪華カプセルホテル『安心お宿 プレミア荻窪店(安心お宿 荻窪店)』は、中央線線路沿いに面したビルに展開されていた。

エキゾチックに装飾された入り口を抜け、受付を済ませてスタッフから館内説明を受ける。各フロアの施設は以下のとおり。

・4階…フリースペース:飲食/デスクワーク/コミック棚(屋外に喫煙所)
・3階…客室フロア(寝室)/洗面スペース/トイレ
・2階…客室フロア(寝室)/洗面スペース/トイレ
・1階…フロント/脱衣所/浴場/テントサウナ

館内図(筆者作)

深夜(0時〜6時)の飲食提供こそ制限されてしまうものの、内施設は原則24時間利用可能。また、宿泊期間中は館内外の出入りも24時間対応してくれるらしい。

1週間の滞在プランの料金「1万7500円(2500円×7泊)」と引き換えにロッカーキーを渡される。前金を支払ってからチェックアウトするまでの間、館内で追加料金が発生しないことは長期滞在する筆者にとって、入館してすぐに感じた「安心」だった。

正確には、洗濯機と乾燥機、フロント併設の売店でお金を使う機会はあるのだが、滞在するだけであれば〝前金ポッキリ〟だ。まして、浴場やフリースペースなどの館内施設の24時間利用がありがたい。幅広い層に支持される背景には、まず、利用者の行動時間を利用者自身が決められることに理由があるのではないだろうか。

突然の出張であれ何であれ、どんな目的を持った利用客にとっても使い勝手が良すぎるのは、館内の行き届きすぎた配慮の数々からもわかる。

「安心」の一方、筆者が施設の「便利」へ衝撃を受けたのは、手続きをすませた後に通される脱衣所だ。フロント横、1階に脱衣所が設けられている工夫から、お宿の「おもてなし」は始まっているのである。

シャワーを浴びて即外出できるのも、浴場が1階に設けられているから?

外出時には、財布におさまるカードを携帯。常に身軽でいられる

「ごはんにするか、お風呂にするか、それとも寝るか」。利用客が『安心お宿』へどんな目的を持って帰ってきても、まずやる行動はひとつ。1階の脱衣所、鍵付きロッカーへ荷物を預け「身軽になる」ことだ。

館内着に着替えてリラックスするもよし、PCだけを持ってフリースペースで仕事をするもよし。一旦シャワーを浴びるためだけに帰り、即外出することを面倒に思わないのも、『安心お宿』が駅近に所在しているからだろう。

日々の雑事を施設に任せたうえで、1日何回だって足を伸ばして風呂に入れるし、サウナで蒸される…ととのえる……。『安心お宿』は宿泊施設としての魅力もちろん、頑張る男性が自分の仕事だけに集中できることにも魅力があるのだろう。

中央線が館外を通過する音をききながら、サウナテントでぼんやりと筆者がそんなことを考えていたのは、滞在から3日が経ったころ。実は、今回の宿泊には「『安心お宿』で持ち込み仕事ができるかどうか」も、検証予定であったのだが……チェックインから3泊、筆者は自分に課していた仕事にまるで手をつけられていない。

滞在中の筆者の朝食は基本的にごはん、みそ汁、生卵。これに納豆と缶詰を自分で持ち込んで、古き良き日本の朝食スタイルに

施設に散見できる行き届きすぎた配慮に甘え倒し、「安心」しきってしまう筆者のような利用客も珍しくない。

他人に干渉されない空間、自分の時間だけが存在する「都会のオアシス」

浴場の入り口に「黙浴」と貼紙されているものの、利用客のほとんどが単身である『安心お宿』は、館内で会話を聞くこと自体があまりない。

ネガティブな言い方をすれば、利用客は自分以外の利用客にまるで興味を持っていないのだ。自分と同じ館内着に身を包んだそれぞれの利用客が、いつから滞在しているのか、どんな仕事をしているのかもわからない。

たとえば、唯一利用客のパーソナリティが垣間見える4階ラウンジでは、食事のほか、アルコールが無料提供されていることに利点を見出す方もいるだろう。しかし、施設は複数人の宴会を固く禁じている。まだまだ余談を許さぬ新型コロナウィルスの飛沫感染や喧騒を心配する必要はない。

4階から客室フロアに持ち込めるコミックも、漫画喫茶と比較すればその種類こそ少ないが、『呪術廻戦』『進撃の巨人』『東京リベンジャーズ』など1度は目を通しておきたかった話題タイトルがひと通り揃えられている。筆者も良い機会とばかりに、それら作品に手を伸ばしてしまった。

また、各客室フロア施錠口の前の洗面スペースには、洗面台とトイレ、ウォーターサーバーが設置されており、就寝・起床時に発生する面倒が極力排除される設計になっている。

さて、至れり尽くせりの『安心お宿』に1週間滞在した結果……筆者は、広いカプセルベッドに寝転び、『ONE PIECE』など話題作品を全巻読み終えた満足感と共にチェックアウト期日を迎えることになった。

曜日感覚を失うまでダラけきっていたので、持ち込んだ仕事は何も進んでいない。言い訳をさせてもらうと、飲食やデスクワークができるフリースペースのみで、明確なコワーキングスペースがなかったのが、自分に甘い筆者にとってはよくなかった。別途、コワーキングスペースが設けられた「新宿南口駅前店」「秋葉原電気街店」なら話は違ったはずだ(きっと)。

1か月プランなら1日あたりの宿泊費がもっと安くなるのだから、店舗を変えて再チャレンジすることも検討している。

まとめると、常に清潔、かつ、他人の干渉を受けず自分の時間のみを過ごせる配慮・仕組みこそ『安心お宿』が提供する「安心」の本質のようにも思える。とにかく、生活するだけなら過不足ないのだ。利用客のニーズに応えつづける豪華カプセルホテルに「都会のオアシス」を見出すリピート客が多い理由もうなずくことができる。

とはいえ、館内の人間関係は至極ドライ。コミュニケーションを必要としないほどの配慮は「AIが支配した近未来の生活」のようでもある。強いて、難点をあげるとすれば……あまりの長期連泊に人恋しさを覚えること。くらいではないだろうか。
※ 料金は2022年7月現在の「安心お宿 プレミア荻窪店」の価格。キャンペーン等で変動あり
※ 女性客の宿泊は「名古屋栄店」のみ可能

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