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官僚系YouTube「BUZZMAFF」ー真面目な想いを伝える柔らか広報術

集英社オンライン / 2022年7月16日 15時1分

農林水産省の公式YouTubeチャンネル「BUZZMAFF(はずまふ)」は今やチャンネル登録者数が15万人越えの大人気ぶり! でも国家公務員がYouTuberをやっていいの? BUZZMAFFの誕生のきっかけや狙いについて、農林水産省を直撃! 後編は、他の省庁からの反応や今後の活動についてお聞きした。

国民の応援や反響が励み! 他の省庁ともコラボ動画を作成

―他の省庁や自治体の反応はいかがでしたか?

各自治体からの問い合わせが殺到したんです。今でも毎日のようにお電話いただき、ノウハウについてよく聞かれますね。

他の省庁の人にも動画を見てもらっていて、好評です。どうやって作っているのか聞かれることも多いですね。動画を通して他の省庁と連携して広報することも。


海上自衛隊、特許庁、環境省、スポーツ庁などとコラボし動画を取って、お互い国民に知ってほしい情報を一緒に伝えるようにするなどしています。
1つの企画で終わりにするのではなく、広報の形として広がっていますし、その都度、連携して、国民に情報をお届けできるようにしたいと思っています。


―反響と言えば、大臣のアフレコ動画がありましたね?

江藤前大臣の記者会見を職員の祖父に伝わるように宮崎弁でアフレコしました。
あれは、そもそも大臣に許可を取っていなくて、動画を出した後、報告しましたが、江藤前大臣は大爆笑でした!
江藤大臣からは「発信が良くなるためなら私をイジってもかまわない」と許可をいただいているので、以前に新型コロナウイルス感染症の影響で食料や物の買いだめの恐れがあったとき、紙芝居で「買いだめはしなくても大丈夫です」動画を作りましたが、買いだめしている悪い人を江藤前大臣のイラストにしました。

「大臣にアフレコしてみた」動画。記者会見が宮崎弁でアフレコに

これもすごく国民に見てもらえて、農林水産省の取り組みを伝えられたと思っています。
国民が応援してくれているのがわかると農林水産省の幹部も理解してくれます。
私たちも農林水産省の内輪受けではなく、見てくれる国民受けを第一に考えて広報できるようになって、皆さんの応援が本当にありがたいです。

バズることが目的ではない、想いを伝えることが一番大切

―他に再生回数が多い動画はありますか?

「農林水産省あるある」の動画は140万回再生されています。
BUZZMAFFの目的の一つに「農林水産省の仕事を知ってもらう、身近に感じてもらう」というのがあります。
今、国家公務員を目指す人がさまざまな理由でだんだん減っているのが現状です。
そもそもキラキラしたパンフレットだけでは、どんな仕事をするのかわからないと思うので、中で働いている人の雰囲気や内容が伝わればいいなあと思い作りました。
思いのほか、反響が大きくて省内でも驚いています。

白石さんチーム制作の「農林水産省あるある」の動画。140万回再生されている

―課長補佐が一番怖い、上司の指示に専門用語が多いなど他の業界や職種の人にも共感を呼んだのでしょうね。

動画の企画の狙いがわかりやすいことが一番ですね。
誤解してはいけないと思っているのがバズりたいから動画を作っているわけでない。
日本の農林水産業の素晴らしさを伝えること、
農林水産省の取り組みを知ってもらって身近に感じてもらうことが目的です。
その手段がYouTubeであって、国民に見てもらうためにバズることで影響を大きく与えることができると思っています。
バズることが目的はではない。
あくまでも「牛乳が需要不足で廃棄にならないように飲んでほしい」とか「日本のお米を食べてほしい」など、動画で伝えたいことは真面目な内容です。
真面目な内容をYouTubeで柔らかく配信しているので、国民に応援されていると思います。
奇抜な演出ではなく伝えたいという想いが大切だと実感しています。
もちろん、バズって多くの国民に見てもらえるのはすごく嬉しいので、今後も職員の個性を活かした動画作りができるようにがんばっていきます!

外に出て生産者さんの声を届けたい

―今後はどんな動画作りをされたいですか?

BUZZMAFFがスタートしてからすぐコロナ禍になり、なかなか出張にいけなかったんです。今後はできれば、いろいろなところに行って生産者さんの声や農林水産業に携わっている人たちや仕事の内容をお届けできたらと思っています。
こないだ、久しぶりに行きましたが、やはり省内で作っているよりも、生産者さんや地元の人の声を聞いて動画にするほうが臨場感も出て、楽しい動画になりますし、私たちも勉強になることが多いです。

サプライチェーンが複雑になる中、中食やデリバリーで頼むなどしてなかなか自分たちが口にする食べ物の生産者さんの顔が見えづらい時代になっています。
動画を通して、日本の食に興味を持ってもらうきっかけになればと考えています。

―世界情勢が不安の中、日本の自給率は37%というのが気になります…

やはり国産のものを食べていただきたいですね。特にお米は食べていただきたい。
あとは地産地消で地元のものを食べるというのもしていただきたいです。
輸送費もかからず、地元の農家さんを応援することになりますから。
食べれば食べるほど自給率は上がりますし、生産基盤が強くなります。
農業の生産基盤の強さは国の強さにつながりますので、ぜひ、日本のものや地元のものを
食べていただきたいですね。
農林水産省でも食の問題は、作るだけでなく消費するまでが問題だと考えています。
今後も、動画を通して、日本の食の魅力や生産者さんの声をお届けできたらと思っています。

「チャンネル登録、いいねをぜひよろしくお願いいたします」と白石さん

取材・文/百田なつき 撮影/花田梢

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