はたして、「いい写真」はどのような写真なのか。まずはそんなことから始めてみたい。
「いい写真」について語るのはけっして簡単なことではない。人によってそれは大きく違い、けっして数値化できるわけではないからだ。例えば、どんなにピントがあっていなくても露出が適正でなくとも、個人の思いが詰まった写真は他の何物にも代えがたい。
例えば、家族写真がそれにあたるだろう。
どんなに有名だったり高価な作品よりも、個人にとってそれは大きな価値と意味を持つものだろう。そのことは理解している。ここでは個人的に深く関わりのある写真は抜きにして、あくまで鑑賞する上での写真作品ということで話を進めていきたい。