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ハマったら抜け出せない。トクサンが語る「都市対抗野球」の魅力とは

集英社オンライン / 2022年7月17日 15時1分

7月18日から社会人野球のビッグイベント「第93回都市対抗野球大会(以下、都市対抗)」が始まる。しかし、普段プロ野球や高校野球は観るという野球ファンでも「社会人野球は観たことがない」という方が多いのではないだろうか。そこで今回は、チャンネル登録者数68万人を超える「トクサンTV」を運営し、様々な社会人チームを取材しているトクサンに、社会人野球、そして間もなく開幕する都市対抗の魅力を聞いた。

ある社会人選手から受けた”衝撃”

――トクサンはご自身のチャンネルでよく社会人野球のチームを取材されていますね。取材をするようになったきっかけは何だったのですか?

トクサン 僕が創価大学の野球部にいた頃、日産自動車(2010年休部)と対戦したことがあったのですが、その後広島東洋カープでプレーされた梵英心さんが当時日産にいらっしゃったんです。僕がセカンドを守っていて梵さんがツーベースを打った時、馬が駆け抜けたのか!?ってビックリしたんですよ(笑)。同世代でここまで馬力が違うのか、と。



それをきっかけに社会人野球への興味が湧いてきました。僕自身はその後NPBを目指したので企業チームに入る機会はなかったんですけど、YouTubeで活動するようになってぜひ取材してみたいなと思ったんです。

――トクサンが感じる社会人野球の魅力ってなんですか?

想像以上にみんな人生を背負っているところですかね。企業によってはチームの結果などを給料に反映しますし、野球部からクビを宣告されると、それは野球人生の終わりと言っても過言ではありません。

公式戦もトーナメントで一発勝負の試合ばかりだから、不安で眠れないって人も結構いるんですよ。大の大人が死に物狂いで野球をやっているところに、すごくロマンを感じるんですよね。

あとは、プロを目指す若い選手、社会人で野球人生を全うすると決めた選手など、人間模様が色濃く出てくるカテゴリーだと思うんです。プロは目標が日本一と単純明快ですけど、社会人野球はいろんな思いが渦巻いている感じがして、それも魅力ですね。

――社会人野球というと、なんとなく“玄人好み”というか、ハードルが高いような気もするのですが……。

よく言われるのは「一度見たらハマる」ってことですね。まぁ、その押しつけがマニアック感を助長させているのかもしれませんけど(笑)。

でも、実際に観に行ってみるとわかってもらえるはずです! 例えば、間もなく開幕する都市対抗は、応援が音響つきで華やかで、むしろお子さんとかも楽しめるんじゃないかなと。熊本市代表の企業が出場した際は「くまもん」とか、ご当地のゆるキャラも応援に駆けつけます。グッズも企業や地域の特色が出ているものもありますし、東京には地方出身の方もたくさんいるので、地元応援のつもりで行ってみると楽しめるんじゃないでしょうか。

――社会人野球を観てみたいと思ったら、やはり都市対抗がオススメでしょうか。

そうですね。社会人野球にも秋冬に開催される「日本選手権」やJABA(公益財団法人日本野球連盟)が主催して全国各地で開催する「JABA大会」などがありますが、やはり一番盛り上がるのは都市対抗だと思います。先ほどお伝えした通り、応援も華やかですし、今まで社会人野球を見たことがないという方におすすめしたいです。

――そもそも“都市対抗”とは何なのか、また、どんな面白さがあるのでしょうか?

対戦カードに企業名が並んでいるので企業同士の対決かと思いきや、実は都市対抗はその名の通り、都市同士の対決なんです。例えばトヨタ自動車(豊田市)は今回日本製鉄かずさマジック(君津市)と対戦しますが、これは豊田市と君津市の戦いになるわけですね。

また、トヨタ自動車は東海地区の予選を勝ち抜いて都市対抗に出場するのですが、同じ東海地区で都市対抗に出場できなかった企業チームから3名ほど選手を補強できるシステムがあるんです。「補強選手」と呼ばれていますが、これも都市対抗の大きな魅力の一つです。

都市対抗でしか見られない、戦国時代的ロマン

――つまり、東海地区の企業でトヨタと戦ったが、トヨタの看板を背負って都市対抗に出場する、と。「昨日の敵は今日の友」ということですか!

はい、それはもう戦国時代のような話なんです。徳川軍と武田軍だけで戦うわけじゃない、みたいな(笑)。徳川家の思いについていこうという別の家の人たちも一緒に戦うぞというわけです。

というのも、都市対抗では、全国制覇したチームは翌年の地区予選が免除されます。例えば、トヨタ自動車が今年日本一になると、来年は東海地区の予選を経ずに都市対抗に出られる。すると、東海地区には1枠空きができるので、同地区の他チームは都市対抗に出るチャンスが広がります。

そのため、東海地区のチームは今年の都市対抗でトヨタ自動車(または東海地区代表権を持つ他のチーム)が全国制覇できるよう応援する、つまり、自分たちの選手を喜んで補強に出すという図式ができるわけです。

――さて、今年の都市対抗でトクサン注目のカードはズバリ?

初戦の東京ガス(東京都)対JR東海(名古屋市)はめちゃくちゃ注目しています。東京ガスは昨年全国制覇したので予選なしでの出場なんですが、実は全国制覇したチームがここ2年連続で初戦敗退しているんですよ。これって、予選で命を削るような試合を繰り広げてきたチームと戦う難しさですよね。やっぱり勢いがありますから。下馬評では東京ガス優勢なんでしょうけど、JR東海も今年いい形で代表権を勝ち取っているので、このカードはまず大注目です。

――いきなり初戦から注目なんですね。ほかのカードはどうでしょう?

JR東日本(東京都)と大阪ガス(大阪市)は強豪同士ですが、予選で苦労した2チームなので、どう立て直しを図るかが楽しみです。あとは九州大会で力を見せつけた、昨年の都市対抗 準優勝チームのホンダ熊本(大津町)が鷺宮製作所(東京都)とどう戦うかも見てみたい。

それから、日本通運(さいたま市)と対戦する宮崎梅田学園(宮崎市)は自動車教習所を運営する企業さんで、選手たちが教習所の先生なんですよ。それを聞くとなんだか身近に感じますよね。九州大会で強豪のJR九州と死闘を繰り広げて勝ち上がってきているので、勢いがあるんじゃないかなと。とはいえ、日本通運もバッテリー中心に力がありますから、どんな試合になるのかホントに楽しみです。

あともう一つ、ロキテクノ富山(上市町)は都市対抗初出場なんですけど、阪神タイガースなどで活躍された藤田太陽さんが監督をされているんです。藤田さんは僕も仲良くさせていただいているので、個人的にとても期待しています。

プロも注目する”あの選手”のプレーを見て欲しい!

――ちなみに、プロ注目など、今回の都市対抗で見ておくべき選手はいますか?

日本新薬(京都市)の福永裕基選手ですね。彼は5年目の選手でプロ注目選手として知られています。社会人日本代表の選考にも呼ばれていて、おそらくこの大会に出ている誰よりもプロに対するこだわりが強いと思いますね。ほかの企業の選手たちも一目置いている存在です。

あとENEOSの渡会隆輝選手も面白いですね。去年も都市対抗でホームランを打っているので、今年も打ちまくってプロの門を叩いてほしいです。お父さんが元ヤクルトスワローズの渡会博文さんでサラブレッドなんですけど、すました感じが全然なくて、笑顔が素敵でガッツのある元気な選手ですよ。

――最後に、トクサンご自身はこれから社会人野球に対してどのように関わっていきたいですか?

社会人野球は人間ドラマが取り上げられる機会が少ないので、トクサンTVでそういうところも発信していきたいですね。選手の一挙手一投足を近くで見てきたからこそ、それをどんどん伝えていければな、と。彼らが必死で頑張っている姿を届ける役割を、微力ながら担っていければと思います!

取材・文/岡田真理
撮影/是枝 右恭

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