新刊『ストレス脳』(久山葉子訳、新潮新書)は、ハンセン氏のいるスウェーデンで2021年11月、原題『Depphjärnan』(うつ状態にある脳)として刊行された著書の翻訳版。執筆のモチベーションとして、<こんなに快適に暮らせるようになったのに、私たちはなぜ気分が落ち込むのか>という精神科医になってからずっと抱いてきた疑問があったという。
スウェーデンでの刊行後は、読者たちに<自分を病気だとか壊れているというふうには思わなくなった>と感謝されていると、日本の読者への序文で述べている。
本全体は、人類史における今の私たちの位置づけや、進化から見た感情の役割といった根本的な説明から始まり、不安、うつ、孤独といったものに対する見解、運動の勧め、そして現代社会への課題提示といった内容になっている。