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“仕事人”田口麗斗が明かす、スワローズ「鉄壁ブルペン」の秘密

集英社オンライン / 2022年7月29日 16時1分

2リーグ制以降、最速でマジックを点灯させるなど、首位を独走する東京ヤクルトスワローズ。コロナ禍により高津臣吾監督をはじめ、選手、コーチの大量離脱はあったものの、現在も首位を快走中。その快進撃を支えるのは鉄壁の中継ぎ投手たち。今回はそんなリリーフ陣を代表して、火消しの左腕・田口麗斗投手に直撃インタビュー!※7月3日に行ったインタビューです

スワローズは監督、コーチ、スタッフと家族感あるチーム

――暑い時期が続いてますけど、大丈夫ですか?

ほんとめちゃめちゃ暑いですよ!

――それにしてもむちゃくちゃ強い。やはり去年の日本一の経験が糧になっている?

うーん、日本一になったことで、マインド的にはみんないい状態でマウンドに上がれてるとは思いますが、やっぱり1年経つとリセットされますし、データも取られます。それを繰り返しやって結果を残すのがプロ野球の世界なので、去年とはまた違う1年ですね。



――ではなぜこんなに強い?

キャンプから(高津臣吾)監督には、無駄な時間を過ごさないようにと言われていました。練習の合間にじっとしている時間を少なくして、練習を長引かせない。やるべきことをやったらすぐにあがって休めと。投手だけじゃなくて野手も含めて選手全員が意識して、率先して回復に努めてるから、それが今いい方向に出てるのかもしれませんね。

田口投手はここまで防御率0.47と大活躍(7月19日時点)

――メジャー、韓国、台湾と各国の野球を経験してる高津監督らしいですね。

それと、やっぱり打線がどこからでも点を取ってくれる。投手陣もそれに感化されてバント練習をしっかりやりますし、投手陣も1点もやれないぞというよりは、「きっと逆転してもらえる」と割り切って投げられるので、自分のピッチングをして最少失点で抑えようという気持ちがみんなあるのかなと。「スワローズは打線が強いな」とはジャイアンツ時代から思ってましたが、味方になって頼もしすぎます。

――田口投手は去年、移籍してきましたが、設備面など環境面でジャイアンツと差があって驚くことはありませんでしたか?

もちろん環境面で劣るところはありますけど、なにより雰囲気がいいんですよ。いい意味で監督、コーチ、スタッフのみなさんと一体感というか、家族感があるチームだなと思いました。

試合前、ウォーミングアップをする投手陣

――塩見(泰隆)選手が先日のヒーローインタビューで「家族のようなチームでクラブハウス行くのが楽しみ」と言っていました。

そうなんですか? でもまさにそんな感じだと思います。

――試合前練習も見させていただきましたが、本当に和気あいあいでした。

僕はただふざけてるだけですよ(笑)。

チームの守護神、マクガフとふざけ合う田口投手

3連投制限も「ピッチャーは投げてナンボ」

――中継ぎ投手は基本的に3連投以上しないように運用していたりと、傍から見ると高津監督と伊藤智仁投手のコーチのマネジメントは完璧に見えます。

そうですね。監督が選手と距離を詰めてコミュニケーションを取ってくれますし、何かあれば相談できる雰囲気づくりをされていて、すごくやりやすい。伊藤智さんも口癖のように「試合で実践して失敗したらそれでいい。とにかく挑戦を怠るな」と言ってくださってるので、投手が自ら考えて、いろいろなことを取り組める環境になってますね。

練習を見守る伊藤智仁投手コーチ

――連投がないのはやはりありがたい?

僕は投げてナンボだと思ってるんでどんどん投げたいタイプですが、左投手が少ないチーム事情で起用法もいろいろ、監督、コーチともに悩まれてると思います。だから僕は投げられる試合で投げてゼロで帰ってくるだけです。


――そもそも田口投手は先発出身。ヤクルトで中継ぎに転向したときの心境は?

ピッチャーとして1点でも少なく、1イニングでも多く投げる、これはどのポジションでも変わらないし、そんなに心境の変化はないですよ。正直、まだ先は長いので、僕の野球人生を長くやるために、これもひとつの糧になるようにと思って、今は1試合1試合全力で戦うことしか考えてないです。

――終盤の競った場面、しかも最近は満塁で登板する機会も多い。

そこは全然割り切って、目の前のバッターに集中できてます。前半から作り上げてきた先発、中継ぎ投手のがんばりを壊したくないという気持ちがモチベーションにつながってます。

――5月24日の日本ハム戦、延長10回無死満塁で田口投手が登板し、ピシャリと0点に抑えた場面はシビれました。

どっちにしろ1点もやれない状況でしたし、余計な邪念、余分な情報をカットできたから良かったんだと思います。逆にあの集中力で投げられた自分をほめてあげたい。

一昨年のドラフト1位で今年はリリーフとして活躍する木澤尚文投手とのキャッチボール

――投げたときの雄たけびがスゴかった。

僕は感情的になるタイプなので、静かにしてるほうが難しいんです(笑)。

――相手打者から怒られないんですか?

それは全然ないですよ。勝負なんで、関係ないです。

「勝利の舞」はコミュニケーションのために始めた

――田口投手は移籍2年目ですっかりチームのムードメーカー。田口流コニュケーション術も教えてほしいです!

それはけっこう言われますね。Twitterでチームメイトとの写真をツイートしたりすると、「そのコミュニケーション力がほしい」とか(笑)。

でもコミュニケーションって本当に自己アピールだと思います。それはビジネスの世界でも同じなんじゃないですか。僕が勝った試合の後にパフォーマンス(タモリのように観客の手拍子をリードする恒例行事。ファンからは「勝利の舞」と呼ばれる)をやるようになったのも、ヤクルトスワローズの田口麗斗という選手を覚えてもらいたくて始めましたし。

勝利後、観客の拍手を誘導するパフォーマンス「勝利の舞」

――「勝利の舞」は自己アピールのひとつだった、と。

コミュニケーションってやっぱり難しいですけど、組織において自己PRは大事。それととにかく会話をする。自分のことを話せば相手も心を開いていろいろ話してくれるっていうのが僕の勝手な持論です。

――ありがとうございます。では最後に、早々にマジックも点灯していますが、今後の意気込みを。

マジックが点灯しましたけど、本当にまだまだ何もわからないし、意識はしていません。みんなもなるべく意識せずに目の前の1試合を必死に戦ってますが、これから必ず山は来る。ずっと出続けている先発投手や野手は本当にキツくなるので、そこは僕たち中継ぎ陣がサポートしていけたらと思います。

試合前の遠投。右は主にリードした展開で8回を任される中継ぎエース、清水昇投手

――そういえば、話題の「Yakult1000」、ヤクルトの選手は飲み放題なんですか?

クラブハウスにたくさん置いてありますよ。僕もクラブハウスでご飯を食べた後、1日1本飲んでます。

――まさかそれが好調の秘訣?

いや、それはわかんないです(笑)。

撮影/榊智朗

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