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30~50代に増加。あえて飲まない「ソーバーキュリアス」という価値観

集英社オンライン / 2022年7月21日 13時1分

「ソーバーキュリアス」という言葉をご存知だろうか。Sober(しらふ)とCurious(ふりをする)を掛け合わせた造語で、「お酒は飲めるけれど、あえて飲まない」ライフスタイルのことを指し、「断酒」や「禁酒」の概念とはまったく異なる。今回は、日本でソーバーキュリアスを広める桜井鈴茂さんに、ソーバーキュリアスの魅力と、シチュエーション別おすすめノンアルを聞いてみた。

「あえて飲まない」ソーバーキュリアス

「アメリカやヨーロッパでは、ソーバーキュリアスは『クールなもの』として受け入れられている節があります」

そう話す桜井鈴茂さんは、ソーバーキュリアスを実践し「あえて飲まない生活」を楽しむようになって約2年半。小説家として活動しながら、2020年にノンアルコール飲料専門のECサイト「MARUKU」を、2021年には直営のカフェ「Low Alcoholic Cafe MARUKU」を立ち上げた。



20代からお酒を飲むようになり、約30年の間、途中からは休肝日もなかったほど飲酒が当たり前になっていた桜井さん。在宅時なら1日缶ビール3〜4本。週に3度くらいは外に飲みに行き、その量のビールに加えてワインを一本ほど嗜むのが日常だったという。

「飲酒していた最後の方はもはや『飲みたい』というより『飲まないと気が済まない』という状態になっていたかも。酔って寝落ちはするけれど、眠り自体は浅くて明け方に目覚めたり、酔った勢いでやらかした言動を翌日になって悔やむこともありました」

「飲まないデメリット」はほぼない

そんな日々に嫌気がさしていた桜井さんは2020年1月、「一時的にお酒をやめてみよう」と決意。国内の大手メーカーがつくるノンアルコール飲料(以下、ノンアル)を試してみたが、物足りなさを感じたという。

試しに海外のノンアルコールビールを取り寄せて飲んでみたところ、本格派な風味や雑味のなさに驚き、一気にそのおいしさの虜に。それから数カ月後には、ノンアルを専門に扱うECサイトを開始した。

「僕がソーバーキュリアスを難なく続けていられるのは、じつは単純な話で、ようするにおいしいノンアルを飲んでいるからだと思います。いくら日々の充実のためとはいえ、口に合わないものを毎日飲むのは辛い(笑)。おいしいノンアルから満足感を得られているので、『断酒している』という意識はあまりないですね。

ソーバーキュリアスを実践してから『一日ってこんなに長かったんだ』と感じるようになりました。まず、夜の時間を有効に使えるようになりましたし、眠りが深いぶん朝の目覚めも良く、心身ともに清々しく1日を始められます。

しいてデメリットを挙げるなら、酔っぱらうのが好きな友人からあまり飲みに誘われなくなったことくらいかな(笑)」

【シチュエーション別】おすすめノンアル

今回は桜井さんに、4つのシチュエーションに合うおすすめのノンアルをそれぞれ選んでもらった。これからソーバーキュリアスを始めたい人、スーパーなどで売られているノンアル以外も知りたいという人は、ぜひ試してほしい。

1.仕事中の気分転換にぴったりのノンアル

在宅勤務など「自宅で働く」スタイルもすっかり浸透。家でひとり仕事をするときのランチや午後の小休憩、仕事後の「おうち乾杯」にぴったりのノンアルは、この銘柄。

エルディンガー アルコールフリー

桜井さんを快適断酒に導いた「エルディンガー」3種(MARUKU提供)

「エルディンガー・アルコールフリーは、僕が海外のノンアルのおいしさを知るきっかけになった銘柄です。1886年に創業されたドイツの老舗ビールメーカーが展開しているノンアルで、初めて口にした時は雑味のなさに感動しました。また、レモンとグレープフルーツのフレーバーは、ビールとジュースの中間のような味わいで、まさに『オルタナティブなドリンク』だと思います」(桜井さん)

■エルディンガー アルコールフリー(アルコールフリー・レモン・グレープフルーツ) 各1本:330円/1ケース6本:1720円(税込)

2.キャンプやBBQのお供にしたいノンアル

ピクニックやBBQ、キャンプなど野外でのレジャーで太陽の光を思いきり浴びながら、家族や友人とワイワイ過ごすときのお供にしたいパンチの効いたノンアルはコレ!

BRAVUS IPA

ECサイトでも店舗でも人気No.1(MARUKU提供)

「アメリカ・ロサンゼルス近郊のアナハイムにある、ノンアルコールビール専門ブルワリー『ブラヴァス・ブルーイング社』の銘柄です。ホップを多めに使用しているIPAは苦味と香りが強いのが特徴ですが、野外でノンアルを楽しむときは、ある程度の刺激を感じられるいいなと考えて選びました。 ECサイトでも店舗でも、一番人気のある一本です」(桜井さん)

■BRAVUS IPA 1本:410円/1ケース12本:4924円(税込)

3.特別な日に飲みたいノンアル

続いて教えてもらったのは、夫婦・カップル間の記念日やお祝いごと、もしくはパーティーなど、「いつもとはちょっと違う」日を演出してくれるノンアル。

ピエール・ゼロ ロゼ

ホームパーティーにもおすすめの一本(MARUKU提供)

「フランスの『ドメーヌ・ピエール・シャヴァン』が製造している、脱アルコールワインにぶどうジュースがブレンドされたロゼ。色味がとてもきれいで、華やかな一本です。
パーティーのように何人か人が集まる場だと、用意される飲み物はどうしても『お酒かジュース』の二択になりがちなので、こういったものが選択肢としてあってもいいと思います」(桜井さん)

■ピエール・ゼロ ロゼ 1本:1404円/3本セット:4212円(税込)

4.リラックスしたい日にぴったりのノンアル

最後に紹介するのは、オフの日のおうち時間、まったりしたいひとり時間など、自分時間を大切に過ごしたいときのパートナーとして選びたい銘柄だ。

MARUKU AF

アルコール0.00%のMARUKUプライベートブランド(MARUKU提供)

「クラフトビールの老舗でもある小樽ビール醸造所さんとのコラボで生まれた、MARUKUのプライベートブランドです。ドイツの『ビール純粋令』に基づいた製造手法で、アルコール0.00%を達成しています。

雑味はありませんがビール特有の刺激は少なく、まろやかで柔らかい味なので、ゆっくりと読書をしたり映画を観たりしながら、ちびちびと飲むのにおすすめです。スタウトのほうはスイーツとの相性も抜群なので、アイスコーヒー代わりとしても」(桜井さん)

■MARUKU AF(ラガー・スタウト) 各1本:308円/12本セット:3693円(税込)

「微アル」の概念は日本特有

実はノンアルと言えど、ごく微量ながらアルコールが含まれている銘柄もある。

海外のノンアルのほとんどは、微量のアルコールが含まれているものであっても「ノンアルコール」と表記されている。たとえばアメリカの場合、0.5%以上のアルコールが含まれるものはアルコール扱いで、0.5%未満のものはすべてノンアルコール扱いだ。

アルコール0.5%未満の「BRAVUS IPA」には、はっきりと「NON-ALCOHOLIC」の印字が

日本人の感覚からすると、「ほんの少しでもアルコールが入っている時点で、ノンアルではなく『微アル』では?」と、不思議に思うかもしれない。しかし、いわゆる「微アルコール(微アル)」という言葉は日本特有のもので、本来はこれらも「ノンアル」のカテゴリーに含まれる。

「日本の酒税法では、酒類は『アルコール度数が1%以上のもの』と定められています。つまり、アルコールが1%未満のものは、実はお酒という扱いにはなっていないんですよね。ただ、日本人の場合はもともとの体質としてお酒を飲めない人が一定数いるので、そういった人たちに配慮して、あえて『微アル』という表現を使用している面もあると思います」

そもそもソーバーキュリアスとは、お酒が飲める人が「あえて飲まない」を実践するもの。そういった人が、お酒に分類されない程度のアルコールが含まれた飲料を飲んだとしても、酔っ払ったり二日酔いになるといった可能性は限りなく低いだろう。

体調上の理由など「ほんのわずかなアルコールも心配」なケースを除き、あまり気にせず飲みたい銘柄を選び、おおらかな気持ちでソーバーキュリアスを楽しんでいきたい。

ノンアルを「第三の選択肢」に

お酒の味に近いノンアルコール飲料を求めているのは、どちらかというと飲酒経験が少ない若者より、「すでに飲酒が当たり前になっている年代の人たち」ではないかと桜井さんは考える。桜井さんの店舗に訪れる客層も、30代から50代が多いそうだ。

「年齢を重ねるうちに、お酒を飲むことのデメリットが気になり始めたり、『もしかしたらアルコールに依存してるんだろうか?』と、うっすらとした不安を覚えたりして、飲酒習慣を見直したいと考えている人が一定数いると感じています。そういう人たちがおいしいノンアルに出会うことで、無理にお酒を断つのではなく、楽しくソーバーキュリアスを実践できるのではないでしょうか」

「酔わないビール」を飲んでいるという印象(MARUKU提供)

桜井さんは、日本国内でももっと、ソーバーキュリアスの魅力を知ってもらいたいと考えている。

「ソーバーキュリアスは『意識の高い人がやるもの』という感覚があるかもしれません。でも、『意識が高い』のは本来、とてもいいことですよね。『僕は・私はお酒は飲みません。お酒の代わりに、おいしいノンアルを楽しんでいます』という人が増えていけば、ソーバーキュリアスは自然と日本に定着していくと思うんです。

お酒を飲まないスタイルも多様性のひとつとして認められたり、『お酒か、ジュースか』ではなく、第三の選択肢として『おいしいノンアル』という枠が定着していくといいな、と考えています」

現在飲酒の習慣がある人は、まずは週に一回からでも「ノンアルを楽しむ日」をつくってみてはどうだろうか。今回ご紹介した銘柄を試してみればきっと、そのクオリティの高さに魅了されるだろう。

「仕方ないから、ノンアル」ではなく、「あえて、ノンアル」を楽しむソーバーキュリアス。限りある時間や人生をより有意義に、心身ともに健康に過ごしていきたい人に、ぜひおすすめしたいライフスタイルだ。

※MARUKUではケースまたはセット販売のみで、単品の取り扱いはありません。今回ご紹介した商品は、日本国内のリカーショップやスーパー等でも一部取り扱いがありますが、店舗によって販売価格は異なります。1本あたりの価格はあくまで目安としてご参照ください。

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