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「友達ができない…」の悩みに蛭子能収らが驚愕の回答

集英社オンライン / 2022年7月23日 12時1分

「友達ができない」「友達がほしい」という悩みを持つ人は多い。たしかに友達が多いことは良いことだと、私たちの教育の中で繰り返し教えられていたことだ。しかしそれは本当だろうか。北方謙三、武田鉄矢、和田アキ子、蛭子能収という人生の達人達が、改めてこの悩みの本質を考えてみる。

ハードボイルド作家の「らしい」回答

幼いころは歌を通じて、友達が100人できるのは素晴らしいことだと刷り込まれました。大人になると、さすがに100人は多すぎるかなあとは感じます。数はさておき「友達をつくること」は、社会の暗黙のプレッシャーとして、人間としての大切な目標とされている節が無きにしも非ず。「作りたいけどできない」という人は、どうすればいいのか。4人の賢人たちの親身なアドバイスを聞いてみましょう。



まずは、大人気作家であり人生相談界のレジェンドである北方謙三さん。「運動が大好きで、性格も明るく、友達も結構いるほう」と自認する18歳の男性が、「本当の友達、親友を作りたいのです」と悲痛な叫びをあげています。この悩みにおいても、北方さんのいつもの名セリフ「ソープへ行け!」が登場するかと期待しましたが、残念ながら出てきませんでした。

〈「あいつは親友、こいつはただの友達」というような区分けを、どうしてする必要があるんだ。その中には、自分が地べたで這いつくばっている時に手を差し伸べてくれる奴がいるかもしれないし、いないかもしれない。(中略)でも、いると信じろよ。そして、友達が這いつくばっている時は、おまえが手を差し伸べてやれ。人に友情を求めるんじゃない。友情を示すのは、自分だ〉
※初出:雑誌「ホットドック・プレス」(講談社)の連載「青春人生相談『試みの地平線』」(1986年1月10日号~2002年6月10日号。引用:北方謙三著『試みの地平線(伝説復活編)』(講談社、2006年刊)

さすがのハードボイルドなお答え。さらに北方さんは「相手が発するものを受け取って、それを友情だと思ったら大間違いだ。それさえわかっていれば、友情で悩むことはないし、やがていい友達もできるだろう」とも。たしかに「こいつは自分をどのぐらいの友達だと思ってるのかな」と値踏みしながら接していたら、親友なんて永遠にできないでしょう。

続いて、友情については一家言も二家言もありそうなタレントの武田鉄矢さん。「ボクは職場でも趣味で通っているダイビングスクールでも、どうしても友達ができません」とこぼす会社員の男性。「人生に友達や親友は必要なのでしょうか」という問いかけに、武田さんはいきなり「今のキミに友達は必要ありません」と言い切ります。

〈ある本によると、私たちは3つのものに支えられて生きているといいます。まずひとつめは、夜空や青空といった大自然。(中略)ふたつめが、目の前にいる人間です。(中略)そして最後のひとつが、独り言で「おい、お前」と思わず呼びかけてしまう存在。(中略)実は人間は、この3つうちのなにかに支えられていれば生きていけるんです。だから、ダイビングが好きなキミは海という大自然が親友だということなんです。そして、もしキミが海に向かって「おい、お前」と呼んでいるのであれば、それで十分だと思います〉
※初出:雑誌「週刊プレイボーイ」(集英社)の連載「武田鉄矢の人生相談 バカチンたちに捧げるバラード」(2004年38号~2005年27号)。引用:武田鉄矢著『武田鉄矢の人生相談 バカチンたちに捧げるバラード』(集英社、2005年刊)

私たちは「友達や親友と呼べる人がいないのはよくない」という思い込みに縛られているのかもしれません。人間じゃなくて海が大事な友達だったとしても、それはそれで十分に幸せな状態と言えるでしょう。相手が海なら、誤解されてモヤモヤしたり言い争ったりすることもありません。武田さんは「おい、お前」と呼びかける相手は、自分自身でもかまわないと言います。なるほど、きっとウマが合いますね。

歌手の和田アキ子さんに「日本人の友達ができない」という悩みを相談するのは、モンゴルから日本に来て7年になるという33歳のモンゴル人の主婦。「遊びに来てといわれたので行ったらビックリされたことが」あるとのこと。和田さんは最初に「やっぱり自分から溶け込まなきゃ駄目だと思います。相手にわかってくれって要求するのは難しい」と言ったあとで、具体的な作戦を授けます。

〈まず日本語がうまく話せないんだったら、近所の八百屋さんにでも行って、自分からしゃべる。日本人って英語で話しかけられると弱いけど、外国人が日本語で話しかけてくると、優位に立った気分になるから(中略)急にやさしく接してくれるものよ。(中略)明日は銭湯に行ってみようとか、明日は病院、明日は魚屋、明日はお肉屋、用事はなくても明日はふとん屋とか。自分たちの国の生活にはない店にも行ってみる。興味があるだろうから、どんどん質問してみる〉
引用:和田アキ子著『アッコの愛の説教部屋 悩みに答える60の「啓示」』(PHP研究所、2004年刊)

相談者は相手の本心がわからないことに不安を抱いていますが、和田さんは「相手が本心かどうか考えない! 人間ってのは陰で何いってるかわかんないんだから、初めからそう思って付き合ってみたら?」と、力強いアドバイスを送ります。まずはきっかけがないと友達はできません。それは外国人でも日本人同士でも同じこと。自分が接し方を変えれば、周囲の反応は変わるでしょう。そして、自分が変わらない限り何も変わりません。

オレにとって友達は窮屈で自由を奪うもの

4人目は、勝手なイメージで恐縮ですが、「友達」や「友情」といった言葉とは縁が薄そうな漫画家の蛭子能収さん。小学3年生の相談者は、担任の先生に「友達を作りなさい」と言われたものの、みんなと一緒に遊ぶのが苦手で、一人でいたほうが楽しいとのこと。さすが蛭子さん、期待を裏切らない大胆な回答で相談者を励まします。

〈この世でいちばん大切なものは「お金」で、その次が「自由」というオレにとって友達はすごく窮屈な存在で、オレの自由を奪うことが多いんですよね。一人でやりたいことがあるのに「~しよう」とか、「~に行こう」とか誘われると、どうやって断ればいいか困ってしまう(中略)もし君が一人でいることが好きだったら、先生の言うことは聞かなくていいと思いますね。もし友達を作りたいと思ったら、誘われても断れる人がいいですけど、そうじゃない友達なんて必要ないもの〉
引用:蛭子能収著『蛭子能収のゆるゆる人生相談』(光文社、2015年刊)

小学3年生の相談者がどう受け止めたかはわかりませんが、断るのが苦手そうな蛭子さんならではの回答です。もしかしたら世の中には、誘いを断れなくて頻繁にいっしょに過ごしているだけの「友達」関係もあるかもしれません。いや、きっと多いでしょう。もっと楽に自由に生きたいと感じている人は、蛭子さんを見習って「友達なんて必要ない」と自分に向かって断言してみましょう。それでも友達は、できるときにはできます。

「いらない」と思うのも大切かも

どうやら「友達」は、欲しいと焦れば焦るほど、遠く離れていく傾向がありそうです。「幸福」や「恋人」や「人望」も、たぶん同じですね。「お金」もでしょうか。それでも私たちは、いろんなものを欲しがってしまいます。たとえ強がりでも「そんなものいらない」と自分に言い聞かせるのは、平穏に生きていく上でけっこう大切かもしれません。

(イラスト・マンガ/ザビエル山田)

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