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コロナ禍でも売り上げを伸ばした、ヨンアのブランド「COEL」が人気の秘密

集英社オンライン / 2022年7月27日 17時1分

数々の雑誌表紙を飾る、人気モデル・ヨンアがクリエイティブディレクターを務めるアパレルブランド「COEL」を徹底調査。ブランドに対する思いやビジネス的な成功の秘訣をヨンアに直接聞いてみた。(トップ画像/COELcafé店舗前にて)

日本中を熱波が襲っていた夏の昼下がり。
ブランドショップが建ち並ぶ日本有数のファッションストリート、東京・南青山の骨董通りにあるCOEL cafeを訪ねた。
昼食や食後のひと時を楽しんでいる人々でカフェのシートは満席に近い。
奥にあるCOELのショップも、ショッピングを楽しむお客さんで賑わっている。

どなたに声をかければいいのだろう? どこかにマネージャーさんがいるのかな? ショップスタッフに取り次ぎをお願いすれば? と思い、エントランス付近で佇んでいると、店内にいたスタイルのいい女性が、我々取材スタッフ一行の存在に気づき歩み寄ってきた。



「こんにちはー、よろしくお願いします」

明るく声をかけてくれたその人こそが、今回の主役・ヨンアさんだった。

3カ月のみの期間限定ショップのはずだったが、好調のため常設店に

ヨンアが2018年に立ち上げたブランド・COELの路面店が、コロナ禍の煽りを受けて不況に喘ぐアパレル業界の中で、異彩を放つほどの成功を収めているという噂を聞きつけ、その秘密を探るべく、今回のインタビュー取材を申し込んだ。

COELは創業当初から常設店を持たず、期間限定のポップアップショップとECのみでの販売で認知度を広げてきた。
骨董通りのこのショップも2021年10月に、3カ月だけの期間限定ショップとしてスタートしたものの、あまりの盛況ぶりにそのまま常設店として継続することが決まったという、異例の成立過程を持っている。

モデルの仕事の合間を縫い、ヨンア本人が店頭で接客していることもファンの間では大きな話題になっているようだ。

取材スタッフに対しても、「お待ちしていましたよ。どうぞこちらへ」と、みずから奥のソファー席へと案内してくれる彼女に、一流モデルという存在に対して我々が勝手に抱きがちなイメージ、敷居の高さや高慢な雰囲気は微塵も感じられない。

――いつもこうして、お客さんに声をかけているのですか?

「私はお客さんと直接かかわることがすごく好きで、自分自身が楽しいからそうしています。ポップアップショップをやるときも、可能な限りお店に出ていました。今も撮影の仕事がないときは、ほとんどの時間をお店で過ごしています。それでもまだ足りなくて、もっともっとここにいたいんですけど(笑)」

――お客さんの反応を直接見ることで、服作りにも影響がありますか?

「それはとても大きいです。COELの服は全部、私がスタッフと一緒に考えているので、直接聞くお客さんの声はとても大事。COELは自分が好きな服を作ろうと思ってはじめたブランドですけど、それだけではやっぱりダメで、実際にどういうお客さんが多いかということを自分の目で見ると、サイズ感や色、デザインについて発想の幅が広がります。いろんな人に着てもらえる服を作りたいので」

夢だった自分のブランドのショップ。集客好調の理由とは

接客を楽しみ、服作りを楽しむモデル・ヨンア。ブランドを立ち上げ、自分のショップを持つというアイデアは昔から持っていたようだ。

「ファッションの仕事にかかわるようになってから、最終的に自分がやりたいのは、ショップを持つことだという思いがずっとありました。ただ、それは40代になる頃までの目標と考えていたんですけど、ちょっと早まった感じです(笑)。昔からいつも、お店で好きなものに囲まれている自分の姿を想像していました。絶対に飽きないし楽しいし、ずっと頑張れるんだろうなって。今、そういう理想形の中にいるのはちょっとすごいこと(笑)。だからやっぱり本当は毎日毎日、朝から夜までずっとここにいたい(笑)。でも、子育てもモデルの仕事もあるから、思ったよりいられないんです」

――お話ししていて感じるのは、ヨンアさんは本当に人と触れ合うのがお好きな方なんだなということです。

「お店に来てくれるお客さんは皆さん、いろんな仕事をしています。服の話だけではなくて、お客さんからそういう話を聞くのが大好きです。自分がつくった好きな場所にいろいろな人がきてくれて、触れ合えることが本当に嬉しいんです」

成長著しいCOELだが、ビジネス的な成功の秘密は何なのだろうか? ヨンアさん自身はCOELの成長をどのように捉えているのかを聞いてみた。

「ひとつはっきりと言えることは、COELというブランドが既に私だけのものではないということです。モデルがはじめたブランドというのは、そのモデル一人の力に頼りがちです。実際、COELもかつては、ポップアップショップで私が店頭にいる時だけ売り上げが伸び、私がいない日は売れないということもありました。でも今は、私がいてもいなくても売り上げは変わりません」

――スタッフさんの存在が大きいということですか?

「そうです。インスタライブでもスタッフによく登場してもらうのですが、スタッフにファンがついてくれるようになりました。この前もライブを見てスタッフのファンになってくれたお客さんが来店して、お店にそのスタッフがいるのを見て、泣きながら駆け寄っていったんです。“本当にいた〜!”って。私もいたのに、私の前は素通りして(笑)」

――それはちょっと(笑)。いいんですか、それで?

「いいんです。私もそんなふうになることを望んでいたので、本当に良かったなと思いました。もちろんスタッフの中には前に出るのが得意じゃない人もいるので、それぞれのやり方で、お客さんと絆を持ってくれるのが理想的だと思っていて、今はすごくうまく回りはじめている気がします」

いま一番頭を悩ませているカフェのメニューは、ブランドを浸透させる武器にも

魅力あるスタッフとともに、COELの大きな武器となっているのが、ショップ併設のカフェの存在だ。
表参道駅から徒歩5分、南青山の目抜き通りである骨董通りという絶好の立地の路面店なので、カフェには人が集まりやすく、そこをきっかけにCOELというブランドを認識するお客さんも多いという。

「カフェは本当に重要です。COELを知ってもらえるチャンスにもなるので。洋服と同じように、カフェのメニューは私自身が好きなものをセレクトしています。季節性を大事にしていて、冬は焼き芋をメニューに入れ、今はかき氷が大人気です。頭がキーンと痛くならない、良質の日光の天然氷で作って、シロップも限定のメロンやパイナップルを使っています。週末は、開店前に行列ができるくらい人気なんですよ」

――お母様の考えた韓国料理や、カレーなんかも人気のようですね。

「カフェには男性のお客さんにもたくさん来てほしいので、カレーはそのためのメニューです。あとはモデルのKellyさんとコラボした『ローフード』メニューも、夏の限定メニューとして出しています。Kellyって身体のことを考えたご飯に本当に詳しくて、レシピ本を出したりしているので前から一緒にやりたいと思っていたんです。このお店にとってカフェは本当に大事なんですけど、その分、悩みも多くて……」

「もともと期間限定ショップの予定だったから、メニューをあまりたくさん考えていなかったんです。でも、カフェを目当てに来てくれるお客さんも増え、ブランドにとって相乗効果があるので頑張らなきゃと思って。いつもカフェのメニューのことを考えています。寝る前なんかはずっと(笑)。洋服の方は4年目なので少し慣れてきましたが、カフェのメニューについてはまだまだ悩みが尽きないですね。良いアイデアありませんか? 何か思いついたら連絡くださいね(笑)」

COELは、支持するファンの年齢層が幅広いのも大きな特徴だ。顧客の年齢は実に、下は20代から上は80代までだという。これもまたブランド戦略なのかということを聞いてみる。

「もともとそうしようと思っていたわけじゃないんです。最初は私が出ている雑誌の読者がお客さんの中心でしたから、20代から40代の方が多かったんですけど、そういうお客さんが連れてきたお母さんが気に入ってくれたりして、徐々に広がっていきました。年配の方にもゆったり着てもらえるサイズ感を考えたり、ちょっと高級な素材を選んだり、服作りの方にも変化が出てきました。私としては、幅広い人に愛してもらえることはとてもうれしくて、もっともっと喜んでもらえる服を作りたいなって思っています」

スタッフ、カフェ、幅広い年齢層……。
COELの盛況を支えるキーワードがいくつも出てきたが、インタビューを終えて我々は、このブランドの最大の武器は、やはりヨンアさん自身のフランクで優しい人柄であるということを確信していた。
良いスタッフとたくさんのお客さんに囲まれて、楽しそうにしているヨンアさん。
こういう人のところに、自然と人は集まるものなのだろう。

~ヨンア×Kellyコラボレーションメニューが期間限定で登場!~
南青山の店舗に併設するCOEL caféとモデルのKellyさんがコラボレーションをしたスペシャルなメニューを7/16(土)~期間限定で販売いたします。
Kellyさん考案のレシピの中からCOEL caféに合うようセレクトした美容と健康にもよい酵素たっぷりの“アセロラ・パイナップルジュース”・“生ズッキーニ麺のしそ&バジルジェノベーゼ”・“焼かないブラウニー”の3つのローフードメニューです。
9/30(金)まで期間限定で販売いたします。

取材・文/佐藤誠二朗 構成/星山江里可 撮影/神田豊秀 衣装協力/COEL


COEL Concept Store AOYAMA
東京都港区南青山5-4-27 Barbizon104 1F
営業時間:11:00~20:00

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