1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

議員暗殺、カルト宗教…『梨泰院クラス』で共演のイ・ジョユン&リュ・ギョンスのすごい過去作

集英社オンライン / 2022年7月27日 14時1分

『梨泰院クラス』でトランスジェンダーのシェフ、マ・ヒョニを演じたイ・ジュヨンと、ともに働く従業員チェ・スングォンを演じたリュ・ギョンス。『ベイビー・ブローカー』にも出演している2人それぞれの、今だからこそ見ておきたい過去の出演作を振り返る。

『梨泰院クラス』で共演し、日本国内でも名が知れることとなったイ・ジュヨンとリュ・ギョンス。

2人は是枝裕和監督『ベイビー・ブローカー』にも出演(※共演シーンはなし)。イ・ジュヨンは、主人公たちを捕まえるために奔走するイ刑事を、リュ・ギョンスは主人公の知り合いの息子役として特別出演している。

2012年にデビューしたイ・ジュヨンは、映画やドラマを中心に韓国で活躍。日本で注目を集めたきっかけは、Netflixドラマ『梨泰院クラス』の世界的大ヒット、そして実在の人物をモデルにした映画『野球少女』への主演抜擢である。


2019年に韓国で公開された出演映画『なまず』が、7月29日に日本で公開されることも決まっているイ・ジュヨン。韓国エンタメカルチャーを世界へ広める立役者として、少しずつ存在感を増している。

同じくNetflixドラマ『梨泰院クラス』のヒットによって耳目を集めた役者のひとり、リュ・ギョンス。2007年頃から役者活動をスタートしており、まだ出演作は多くはない。

しかし『梨泰院クラス』をはじめ映画『ザ・コール』やドラマ『地獄が呼んでいる』など、Netflixオリジナル作品を中心に出演が続いている。まさに、これから勢いを増す韓国エンタメ界になくてはならない存在となりつつある。

透明感のある演技で心を揺さぶられる『野球少女』

実在の選手をモデルとした映画『野球少女』が日本で公開されたのは、2019年3月のこと。

女性でありながらプロ野球選手になるために努力を惜しまない主人公チュ・スインを、透明感あふれる演技で体現したのがイ・ジュヨンである。

スインが「天才野球少女」ともてはやされ新聞記事にまでなったのは、女子にしては速い130kmの球を投げるから。だが、自身の評価についてまわる枕詞”女子にしては”に対するやるせなさは、日に日に増していく。思春期ならではの、親や教師とのぶつかり合いも相まって、将来への不安と絶望が肌に迫ってくる。

映画の前半はこういったジェンダー差別とも言える内容が色濃い。しかし、物語が後半に進むにつれ、「世間の逆風をものともしない1人の女性の姿」に強い焦点が当たっていく。

イ・ジュヨン演じるスインの不安に揺れる目、将来を悲観する表情、周りの冷たい目に負けずに努力を惜しまない胆力を見ていると、自分自身の過去を思い出す人も多いだろう。『梨泰院クラス』とはまた違う彼女の姿を、ぜひとも目の当たりにしてほしい。

役者としての柔軟性を感じる『TIMES〜未来からのSOS〜』

2021年に韓国で制作され、日本でも放送されたドラマ『TIMES~未来からのSOS~』。この作品で、主人公のソ・ジョンインを演じたイ・ジュヨンは、これまでに触れたどの作品とも違う表情を見せてくれる。

ジャンルはSFサスペンス。とあるきっかけで、2015年から2020年にタイムスリップしたジョンインは、5年後の未来で議員を務める父親がすでに他界していることを知る。演説中に暗殺されてしまったのだ。

なんとか父親を助けるため奔走するうちに、5年前の世界にいる記者イ・ジヌ(イ・ソジン)と電話で繋がることに成功。彼の助けを借り、父親の暗殺事件を食い止めようと力を尽くすが……。

過去と未来で繋がる1本の電話。未来にいるジョンインにできることは少ない。父親の命を守るため、かすかな希望を手繰り寄せるドキドキハラハラな展開に中毒性がある。

『梨泰院クラス』や『野球少女』とはまた違う、緊張感のあるスリリングな役柄。本作を見たことであらためて、イ・ジュヨンはどんなジャンルにも溶け込める柔軟性をあわせ持った役者だと再認識できた。

1カットの存在感が強烈な『ザ・コール』

『梨泰院クラス』でイ・ジュヨンと共演。驚くほどマッチしたキャラクターによって強い注目を集めたリュ・ギョンス。イ・ジュヨン演じるシェフのマ・ヒョニとともに、飲食店タンバムを盛り上げるスタッフのスングォンを演じた。

この『梨泰院クラス』でブレイクのきっかけを掴んだリュ・ギョンス。まだ露出は多くはないが、見る側に鮮烈な印象を残す作品に数多く出演している。

そんなリュ・ギョンスの1作として紹介したい『ザ・コール』は、過去と未来で電話が通じ合った、とある2人の女性を軸に進むバイオレンスホラー。時空を超えて繋がり合う設定は『TIMES〜未来からのSOS〜』を彷彿とさせる。しかし、些細な交流を深め合うやりとりが、やがて命を削る血生臭さにまみれていく様が強烈すぎる。

本作におけるリュ・ギョンスの出演シーンは、わずか1カットだが、その存在感は確かなもの。とある疑惑の縁にいる主人公の希望を、いとも簡単に退ける警官の酷薄さは、彼にしか表現できないものかもしれない。

変貌ぶりが恐ろしい『地獄が呼んでいる』

ドラマ『地獄が呼んでいる』はカルト宗教を題材にしたサイコスリラー。

ある日突然、謎の巨大生物が無作為に人を惨殺する現象が多発し始めるが、それは「罪を犯した人間を裁く神の意思によるものだ」と新興カルト宗教が喧伝しだす、といったもの。

3話までは宗教団体の議長チョン・ジンス(ユ・アイン)らを中心に、なぜ謎の生物がはびこるようになったのか、死の宣告を受け"地獄に落とされる"者たちは本当に罪人なのか、といった視点が保たれている。

しかし、リュ・ギョンス演じる宗教団体の幹部・ユジ執事らが登場する4話以降からは様相が変わる。民衆の半分が宗教団体の信徒となり、死の宣告や無惨な死は決して青天の霹靂ではなく、その者が犯した罪の結果だとする見方が優勢になるのだ。

暴徒化した信徒たちは止められない。大衆の心を支配したユジ執事たちは、もはややりたい放題である。洗脳の恐ろしさ、大意を得た側が"善"とされる歪さと傲慢さが、これでもかと描かれた作品だ。

ユジ執事を演じるリュ・ギョンスの変貌ぶりがすごい。『梨泰院クラス』の時とはまるで違うオーラを醸し出している。怪しい目つきと、ほとんど動かない表情は、そこはかとないサイコパスさを出しており、うすら寒く感じるほどだ。

『梨泰院クラス』の大ヒットにより、どちらかといえばコミカルな演技が映えるタイプの役者かと思っていた。しかし、振り返ってみれば『梨泰院クラス』の終盤でも、元ヤクザというバックボーンを垣間見せ、"怒らせたら怖い"人間特有の冷徹さが感じられた。彼の真骨頂は、見えないところでナイフを研ぐような鋭い表現にこそ宿っているのかもしれない。

韓国エンタメブームの最先端を担う名優たちから目が離せない。これからの活躍も楽しみに見守りたい。

文/北村有

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください