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SDGsも追い風に。“激戦区”下北沢で愛され続ける古着屋のポリシー

集英社オンライン / 2022年7月31日 12時1分

下北沢に古着屋を展開するアパレルブランドiot(イオット)グループが、7月1日に新店舗「RE:RE:garden(リリガーデン)」をオープン。下北沢で愛され続ける理由をスタッフに聞いてみた。

古着カルチャーを牽引する街・下北沢。

近年、都市開発が進み、駅前には有名コーヒーチェーン店が入る商業ビルができるなど、街の景色は一変。その一方、古着屋は続々と増え続け、自分だけの一着を求めて下北沢を訪れる人は後を絶たない。

ユニセックスで唯一無二のデザイン古着を取り扱うアパレルブランドiot(イオット)グループは、そんな“古着屋激戦区”で「SELEN(セレン)」「RE:RE:(リリ)」など複数の店舗を構えており、7月1日にはグループ5店舗目となる「RE:RE:garden(リリガーデン)」をオープンさせた。



ネットでも手軽に安く服を買うことができる昨今、iotグループが古着ファンから愛されている理由はなぜなのか。その理由や、空間づくりのポイント、古着の楽しさまで「RE:RE:garden」スタッフの工藤駿哉さんにお話を聞いた。

「RE:RE:garden」スタッフの工藤駿哉さん

コンセプトは「リメイク古着と隠れ家」

古着屋が立ち並ぶメインストリートから1本裏道へ。1階に小さな工場がある雑居ビルの階段を登った先に「RE:RE:garden」はある。

「本当にここに古着屋が…?」そう思いながら階段を進んだ先、まず目についたのは、色とりどりのドライフラワーに囲まれた圧巻のエントランスだった。

さらに、その奥にある小さな扉を開けると柔らかな照明に照らされたリメイク古着と、店内を流れる滝の水音が。

オープン前からInstagramにて「下北沢の隠れ家にてオープン」と謳っていたのにふさわしく、知る人ぞ知る秘密基地のような場所だ。

この空間作りに関して「RE:RE:garden」スタッフの工藤駿哉さんは「リメイク古着と隠れ家をコンセプトにしています。空間に関しては、SNSでお店を見つけてくれた方や、ふらっと看板を見て入ってきてくれた方々が、古着屋の喧騒から離れてゆっくりと過ごせる空間であってほしいです」と話す。

また、もう1つのコンセプト「リメイク」の通り「RE:RE:」で一部取り扱いのあったオリジナルのリメイク商品を取り揃えているとのこと。デザイン性の高い古着だけでなく、一点もののリメイク古着と出会えることも「RE:RE:garden」の強みだ。

iotグループがシモキタにこだわる理由

iotグループの系列店舗は『RE:RE:garden』で5店舗目。すべて下北沢に位置している。

東京の古着タウンといえば、高円寺や原宿もある。そんな中で、iotグループが下北沢での店舗の拡大を続けていくのには理由があるのだろうか?

「下北沢を一緒に盛り上げたいという理由が大きいです。飲食店は飲食店で盛り上げている一方で、僕たちは古着屋でそれぞれ街を盛り上げようと。いくつかの古着屋さんが出店して路上で古着を売る地域密着型のイベント『古着フェス』も、元々はiotが独自に始めたものでした。段々と参加を希望してくれる古着屋が増えて、今ではシモキタの名物イベントの一つになりました」

新しい商業施設が増えていく下北沢で、依然として古着の街としての一面が残り続けているのは、下北沢を愛する人々の努力があってのことだと感じるエピソードだ。

また、昨今、SDGsが広まってきていることもあり、古着に対する注目度が上がってきていると工藤さん。

「店舗によって、メインとなるお客様の層は変わりますが、高校生から高齢者の方まで幅広い層の方がお店にいらっしゃいます。また、季節を問わず楽しめる良い物をピックアップしているので、夏でも冬物のデザインジャケットを求めてきてくださる方も。年間を通して、良質なアイテムを求めているんだなと感じます」

「運命の1着に出会える」古着の楽しさ

古着と聞いて「値段の安さ」を思い浮かべる人も多いだろう。実際、下北沢の街を歩いていると、1枚数百円の値段で販売を行っている古着屋も少なくない。

「一口に“古着屋”と言っても、求めているものによって、お店選びはだいぶ変わると思います。安いものが欲しい方もいると思うし、高いお金を払っても自分の気に入った物を着たいという方もいますよね。

それに、世の中には安くて良い商品もありますが、安いものには安い理由があるはず。iotグループの商品は、正直なところ安いとは言えないかもしれません。ただ、その分、質やデザインは圧倒的に良いと自信を持って言えます」

商品の値段、デザインの系統、店の雰囲気。自分の求めるこだわりを追求しながら店選びができることも古着屋の楽しいところだ。

さらに工藤さんは「先人たちの洗練されたデザインを身に纏えること、サイズや質感を含めて、自分にとって運命の1着を見つける楽しさがあると思います」と笑顔で話してくれた。

しかし、古着に馴染みがない人の中には「敷居の高さを感じる」「試着をしたら買わないといけない雰囲気になるのではないか」とクローズドなイメージを抱く人もいることだろう。だが、工藤さんはそれを否定する。

「あんまり深く考えずに、好きなお洋服を気軽にきていただけたら良いなと思っています。iotグループに関しては、フランクな店員ばかりですし、一点ものだからこそ、本当にその服を気にいった人に買ってほしいと思っているので、無理な接客も全くないです。もちろん着たい服が分からない方には、どんな服がいいかというところから、お手伝いをさせていただきます」

最後に、この「RE:RE:garden」を含めたiotグループの各店舗が、古着屋激戦区の下北沢で愛され続ける理由について伺った。

「1つは商品の質の良さ。もう1つは、店員との距離感を含めた空間作りのエンタメ性の高さです。『RE:RE:garden』の『garden』には、店員との会話を含めた空間を、古着屋というエンターテインメントとして気軽に楽しんでほしいという想いを込めています。家の庭のように自由な空間を、お客様に楽しんでもらえるお店でありたいです」

「RE:RE:garden」が大切にしている空間作りには、内装へのこだわりはもちろん、接客を含めた古着選びを楽しめる空気感を作り出すことも含まれている。質の良い商品はもちろん、顧客目線での接客への信頼の点でも、他の古着屋にない買い手が安心できる隠れ家としての空間になりそうだ。

取材・文/すなくじら
撮影/小川遼

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