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ブラックな社長が1万円の水を売られて震撼。起業家の凄すぎる営業術

集英社オンライン / 2022年7月31日 16時1分

何の変哲もない、500mlの水を1万円で売る――。そんな無謀な企画に、営業自慢の起業家たちが挑戦する『この水を俺に1万円で売ってみろ』(以下、水売り)の動画がYouTubeで人気を集めている。今回は水売り動画を配信して、企画では営業を受ける側に立つトゥモローゲート株式会社代表取締役・最高経営責任者の西崎康平氏に、印象に残る起業家の営業術について聞いた。

営業自慢の起業家たちが続々と挑戦!

――自身のYouTubeチャンネルでは、『水売り』が話題となっていますが、そもそもこの企画はどのように立ち上がったのでしょうか。

一時期、YouTubeで水やペンを1万円で売る動画が流行っていて、多くのYouTuberがこぞって配信していました。これを観た社員が「著名な経営者がやればもっと面白くなる!」と提案してスタートしました。



実際にメディアにも多数出演している起業家をはじめ、多くの経営者の方に挑戦してもらい、大きな反響を得るまでになりました。

――出演交渉をはじめ、制作はどのように進めているのでしょうか。

実は出演交渉というほど、こちらからお願いしている例はほとんどなくて。起業家の方からTwitterのDMなどで連絡いただく方が圧倒的に多いんですよね。

インタビューに答える西崎氏

現在Twitterのフォロワーが9万7000人いて、その中には経営者の方も沢山いらっしゃいます。私も興味のある経営者はフォローしてるんですが、相互フォローの状態から「Youtube見てます。もしよければコラボしませんか?」というメッセージを直接いただきコラボさせていただくことがほとんどです。

メディアなどにも取り上げられる有名起業家さんとは、その方が主催のイベントに私が審査員で参加した際に声をかけていただいたことがきっかけでした。イベントで初めて面識を持ち、互いのYouTubeチャンネルの話題になり、「水売りとかをやっています」と話したところ「めちゃくちゃ面白いですね。僕もやっていいですか?」という流れから出演が決定しました。

出演する方が決まったら、制作は自社でチームを組んで、撮影から編集まで社内で完結させます。チャンネルを立ち上げた当初は私1人で撮影から編集まで行っていましたが、ある程度メドが立ったのと、内製化の方が自分たちのやりたいことができ、微調整や修正などもやりやすいので制作チームを立ち上げました。

オシャレなオフィスを見たいがために、水売りに挑戦する起業家もいるとか

印象に残る”起業家”の営業術

――数多くの起業家たちが挑戦していますが、その中で震撼した”ヤバい営業術”はありましたか。

前提としてどの起業家の方々も面白く、強く印象に残っています。ただ、その中でも特に印象に残っているのは、知名度も実績も抜群に高いある起業家の営業です。

彼自身、「営業の経験はほとんどない」と語っていましたが、いざ水を売るとなったら一変しましたね。とにかく、自信に満ち溢れているんです。自分の発する言葉に一点の曇りもないかのように、水の価値を堂々と語り始める。やはり起業家として大きな実績を残している経営者はすごいなと。

私も簡単に買うわけにはいきません。面白い動画に仕上げるために、無理難題や理不尽なことを交えながら「買わない理由」を伝えて抵抗します。それでも最終的には「この人から水を買いたいな」と思わせてしまう。圧倒的な人間力で引き込まれてしまいましたね。

水売りの撮影で使用されているミーティングルーム。ここで、数々の起業家たちが営業の極意を披露している

また別の起業家の方は、そのロジカルな営業術の前に言葉が出ないほど圧倒されました。

通常、水売りをする起業家の方はシチュエーションを設定して営業術を1つ披露するのがほとんどです。しかしその起業家は「シチュエーションは3つ考えられる」と仰って、その全ての営業術を披露してくださいました。しかも、水を売るシチュエーションからその中で展開するトークの内容まで、論理的な破綻が一切ありません。1万円の水を1本売るのに2分かからず、それをどんどん進めてしまう。数多くの起業家たちの水売りを受けてきた私ですら、抵抗する余地はほとんどありませんでした。

――起業家たちの営業の様子をお聞きすると、営業は持って生まれたセンスがものを言うのかなと思ってしまいます。

経験によって伸びることもあるはずですが、営業適性のような素養も必要ではないかと思います。伸びしろはある程度は決まっていて、どこまで限界まで近づけるかは人それぞれで異なる気がします。

水売りに出演する起業家たちに共通しているのは、その社長だからこそできる営業であり、誰も真似できないやり方だということです。見ていても「すごい」としか思えなかったりします。

注目して欲しい、起業家たちの2つの能力

――そうすると、起業家たちの営業から私たちが学べることはないのでしょうか。

そんなことはありません。起業家たちの営業を見ていると手法はそれぞれ異なるものの、営業における本質的なポイントが随所に垣間見れます。

その一つが「聞く力」です。どうやって相手から話や考えを引き出しているかを見るのは、ビジネスパーソンにとって参考になるはずです。

例えば、私が話している時の起業家たちの「リアクション」。しっかり相槌を打ったり、身振り手振りで相手に対して理解している様子を伝えています。こうやってリアクションがあると、私もより話しやすくなりますし、相手の熱量が伝播してくるほどです。

また聞く力の根底には「相手への好奇心」が欠かせません。とにかく相手に興味を持ち、どんな性格なのか?何に困っているのか?というのを自己の好奇心から引き出していきます。

そして、もう一つ大切なことは「提案力」です。どの動画を見てもらってもわかると思いますが、どんな場面だろうと、あらゆる角度から提案を投げてきます。「こういうやり方はどうですか?」や「別のやり方だとこんな方法もあります!」など相手の課題を解決するための提案を沢山投下してくるわけです。

――「聞く力」と「提案力」、これらは新卒の営業職にも参考になりそうですね。

はい。実際、内定者研修で私たちの動画を見せているというお声が届いたりもしています。

あと著名な経営者の営業術を目の当たりにできる機会はなかなかありません。私なら絶対に見たいと思いますし、それほど価値があるものだと自負しております。

――最後にYouTubeチャンネルの今後の展開について、聞かせてください。

継続的にYoutubeで数字を伸ばしていくために必要なことは「刺激」です。人間は飽きる生き物なので同じ企画ばかりで変化がなければ視聴者はすぐに飽きてしまいます。

私たちのチャンネルの価値は「生の声」だと感じてます。今後は私の話や経営者の営業だけではなく、多くの社員を巻き込みながら、色々な角度から仕事に対する考え方を実践を交えながら届けていきたいです。

エンタメ要素を盛り込みながら楽しく仕事の学びがある。ここに向けて常に変化していくことが必要だなと感じているので、ぜひ今後も注目していただきたいです。

文/鈴木友 撮影/山田雄一朗



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