いまや全国の各自治体で過熱化が話題となっているふるさと納税の返礼品だが、その中でも異色といえる小説単行本のセレクト――そもそも、歴史・時代ものを執筆し実績のある赤神諒氏に注目した前市長・首藤勝次氏から竹田市を舞台にした新作を書いてもらえないかと提案されたことがきっかけだという。
「私の作品に豊後(今の大分県)の大友氏を描いた『戦神』があり、それに感銘されたという首藤さんが“大友サーガ”とされる一連の作品もお読みになって、この作家に書いてほしいと。地元出身の方が銀座でやられているお店で美味しいお酒をいただきながら、熱く口説かれました(笑)」
その数日後には資料がどっさり送られてきたとのこと、それをきっかけに執筆中の作品のクライマックスが竹田のとある場所にハマッたことでも縁が繋がり、新作の書き下ろしを決意。『小説すばる』(集英社)での連載が2020年3月にスタートした。その間に赤神氏は竹田市の「文化大使」にまで任命されていた。