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もはや子育て出費のひとつ? 今「キッズ脱毛」が激増している理由

集英社オンライン / 2022年8月2日 16時1分

子ども一人当たりの子育て費用は、大学卒業までで約3000万円。衣食住に教育費はもちろん、スマホ代などの新しい項目も増えてきている。さらに現在、「脱毛」という費用も新たに加わりつつあることをご存知だろうか。どんな親子が利用しているのか「キッズ脱毛」を展開する脱毛サロン「エピレ」に聞いた。

新規顧客の3人に1人が、7歳〜15歳の女の子

――エピレでのキッズ脱毛プランは、どのような内容なのでしょうか。

エピレでは、7歳〜15歳の女の子を対象にした脱毛を「キッズ脱毛」と呼んでおり、キッズ専用のプランとして展開しております。2011年当初はエピレの新規顧客全体の中で0.6%ほどだったのが、2021年には33.2%となり、約3人に1人はキッズ脱毛のお客様となっています。


新規顧客に占めるキッズの割合は、スタート当初から約55倍に(エピレ提供)

――この10年でキッズ脱毛がかなり一般的になってきたのですね。お子さんに人気の脱毛部位はどこなのでしょうか。

両腕・両脚が最も人気な部位です。中学生くらいになると、ワキの脱毛も増えてきますね。

――7歳から15歳向けのプランということですが、年齢別で見ると何歳が一番多いのですか。

10〜12歳が49%と最も多く、次いで13〜15歳が31%、7〜9歳が20%となっています。
やはり小学校高学年くらいから、ムダ毛を気にされることが多いようです。
※2021年1月〜12月エピレファーストプラン予約件数に基づく。

――キッズ脱毛の施術の内容は、どのようなものなのでしょうか。

エピレのキッズ脱毛は、黒い色に反応する光を利用して、肌に光を照射する処理方法です。照射前にジェルを塗布し、肌を保護します。コラーゲン、プラセンタ、ヒアルロン酸の3つのうるおい成分が配合されたジェルなので、脱毛しながら美肌効果も期待できます。

基本的には大人と同じ施術ですが、最初は少しずつ様子を見ながら照射していくので、初めての方も安心です。

――施術の際に注意する点はありますか?

ご来店前にあらかじめシェービングをお願いしております。脱毛コース施術前後は日焼けをしないようご注意いただき、施術後は激しい運動を避け、当日は湯船につからずぬるめのシャワーで流す程度にして、十分な保湿ケアを行っていただくことをお伝えしています。

価格はいくらくらいかかる?

――肝心のプランですが、大体いくらくらいかかるのでしょうか。

脱毛にかかる期間は仕上がりの希望によって異なるので、一概に費用を断言することは難しいですが、例えばワキの脱毛であれば6回500円から始めることができます。大体2ヶ月に一回の施術をおすすめしておりますので、約1年間分ということになりますね。

――なるほど。では、子どもたちに人気の両腕、両脚はどうですか?

エピレでは腕や脚などの面積の広い部分のことを「Lパーツ」と分類しており、例えばLパーツ6回分で30,360円というプランがあります。

腕だけ、脚だけの場合は上記のプランでよいかもしれませんが、「全身をきれいにしたい」という方は、複数のパーツを脱毛できるコースがいいかもしれません。例えばLパーツ4カ所、Sパーツ6カ所(膝や鼻下などの細かな部分)の計10カ所を6回で148,500円、というコースがあります。

脚や腕は、子どもに人気の脱毛部位なのだそう(エピレ提供)

――わかってはいましたが、やはり安くはないですよね……。

まずはお試しからという方もいらっしゃると思います。そのため初回に好きな場所2カ所の脱毛を490円で受けることができる特別価格も用意しています。脱毛をするかどうか悩んでいたり、お肌に合うかどうか不安だったりする方は、こういったところから試す方も多いですね。

うちの子は人よりも毛深いのではないか

――脱毛される方は、どのような理由から受けられているのでしょうか。

一番多いのは、バレエやダンスなどの習い事の衣装で、腕や脚を出す際に美しく見せたいというお客様です。そのほか、思春期に入り自分の見た目を気にする中で、自分は人より毛深いのではないかと気にしてしまうパターンもありますね。

――人と比べて気になってしまうんですね。

そうですね。思春期のお子様は、実際はそこまで毛深いわけではないのに過度に気にしすぎてしまうこともあるようです。

その結果、間違ったケアをして肌が荒れてしまったり、カミソリで切ってしまったりすることも考えられます。そうなる前に、肌を健康に美しく保てるサロンを選択されて来店される方も多いです。

――7〜9歳くらいのお子さんは、どういった理由で来店されるのですか?

このくらいの年齢のお子様は、親御様の勧めでいらっしゃることが多いですね。親御様が子どものころにムダ毛が気になったり処理で苦労した経験をしたりしたために、お子さんに同じ思いをさせる前に、という気持ちから来店されるのかもしれません。

――10歳以上は習い事や思春期によるお悩みから、それ以下は保護者の経験上から、という場合が多いのですね。

キッズ脱毛をきっかけに、親子で脱毛を始めることも

――脱毛を受けられた方からの反響はどうですか。

やはり堂々と腕を出しておしゃれができるようになった、体育で半袖半ズボンを着ることに抵抗がなくなったという反響をいただきます。また、お子様と一緒に脱毛をするお母様もいらっしゃいます。

――親子で、ですか?

はい。昔脱毛をしていたけれど途中で行かなくなってしまったり、脱毛をしたことがなかったりするお母様が「私も一緒に」と受けられることは多いです。そういった親子のみなさんは、ペアでカウンセリングを受けられる場合もあります。親子の共通の話題として楽しく通っていただいていると思います。

キッズ脱毛を経験した親子に話を聞いてみた

今回、実際にお子さんが医療レーザー脱毛をしたというお母さんにお話を聞くことができました(※エピレとは別のサロンで脱毛した方)。こちらのご家庭の女の子は、7歳の頃から2年間ほど脱毛に通われているそう。費用のことや感想を詳しくお聞きしました。

――脱毛をするきっかけは何だったのですか?

「もともと娘の口まわりや脛(すね)、腕の毛などが濃いことが気になっていましたが、小学校に入学後、ますます心配になりました。当時、本人はまだ気にしていませんでしたが、そのうちコンプレックスになるのではないかと思ったんです。

そんな時に私が通っているエステサロンで子ども向けの脱毛サービスが始まったので、夫と相談したところ、夫も昔ムダ毛に悩んでいたようで、すぐに行かせようという話になりました」

こちらのお母さんやお父さんは、ご自身も若い頃にムダ毛について悩んでいたけれど、親にも友達にも相談することができなかったとのこと。娘が思春期になって1人で悩んでしまう前に、と決心されたようです。

――費用はどのくらいかかったのでしょうか。

「最初は3,000円でできるトライアルからスタートして、VIO以外、顔から脚までの全身脱毛をしています。これまでにかかった合計金額は13万円くらい。全身脱毛のコースが終わった後も数ヶ月に一度、メンテナンスとして脱毛を続けています」

――子ども脱毛をやってよかったと思われますか。

「以前は娘がマスクを外したときに、つい口まわりの毛に目が行っていましたが、今はそのようなことがなくなりました。半袖・半ズボンも気にせず穿かせることができています。ムダ毛がなくなるということ以外にも、肌がモチモチ、スベスベになるという嬉しいメリットもありました」

施術を受けた娘さん本人も、サロンで脱毛したことには満足しているようで、「行く前は『痛くないかな』と不安だったけれど、全然痛くなかった。『毛がない子もいるのに、どうして私にはあるんだろう』と思っていたから、なくなってよかった」と話していました。

今回は女性専門のサロンでのお話でしたが、男の子の脱毛を取り扱っているサロンもあり、大人と同様、ムダ毛処理は年齢や性別を問わず身だしなみとして浸透しているよう。

「脱毛なんてまだ早い」と言い切ってしまわず、お子さんの悩みの解決策として検討してみるのもアリかもしれません。

※第二次性徴期前の子どもの場合は、一度脱毛をしても再び生えてくることがあります。

取材・文/マサキヨウコ

取材協力/エピレ

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