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102時間耐久のゲームの祭典「RTA in Japan Summer 2022」とは?

集英社オンライン / 2022年8月4日 11時0分

「連続30時間プレイ」「同一ソフト800本保有」達人に聞くRTAの魅力〉から続く

ただクリアをめざすだけでなく、100分の1秒の世界でクリアタイムを競い合うRTA(リアルタイムアタック)。その走者(プレイヤー)たちが持ち前のワザを披露し合う国内最大級のイベント、「RTA in Japan」の開催が間近に迫っている。本記事ではRTA in Japan を運営する中島和希(もか)氏、中村圭宏(Naka)氏に、RTA in Japanを楽しむためのポイントを聞いた。

国内最大級のRTAイベント。100時間ぶっ通しで行われるRTA in Japanとは?

「RTA in Japan」は国内最大級規模のオフラインRTAイベントだ。例年4〜5日間を通して開催され、期間中は24時間休みなくRTAが行われる。



RTA(リアルタイムアタック)とは、ゲームのスタートからクリアまでの実時間を競う、タイムアタックの一種だ。一般的なゲームのタイムアタックと異なり、リセットややり直しの時間も計測される。失敗の許されない、一発勝負の世界だ。

RTAには記録の証拠としてプレイ動画をYouTubeやTwitchなどでライブ配信する文化があり、RTAは走者(RTAプレイヤーのこと)それぞれの自主的な活動が中心となっている。

そんなRTAの普及を目的とし、半年に1度、夏と冬にRTA走者が集まり自身のプレイを披露するイベントがRTA in Japanなのだ。

その2022年夏大会「RTA in Japan Summer 2022」が、8月11日から15日にかけて開催される。今回のRTA in Japan Summer 2022では、合計74タイトルのRTAが行われ、参加者は総勢119名。スーパーマリオブラザーズなど有名タイトルも多数ゲームスケジュール に組み込まれ、開催時間は通算で102時間にも及ぶ。

会場での観戦はもちろん、イベントの模様はTwitch上でも配信予定である。例年は開催期間中、会場へは自由に足を運ぶことができていたが、今回はコロナの影響もあり来場は完全事前申し込み制となっている。なお、申し込みは7月23日をもって終了しており、これから観戦しようと考えている人はTwitchでの配信を視聴するのがいいだろう。

「コロナの影響で近年はオンラインのみでの実施だったのですが、RTA in Japan Summer 2022は2年半ぶりに会場を借りての開催となります。会場に来られない方もオンラインで、走者と観客が一体となって盛り上がっている様子をぜひ楽しんでいただきたいです」(RTA in Japan・中島和希氏)

タイムはビンゴ次第!?  2022年夏大会はここにも注目

RTA in Japanの見どころはなんと言っても、世界トップクラスのプレイヤーによる洗練された動きにある。

「どの参加者もタイムを縮めるためにゲームの研究や操作精度を突き詰めています。計算され尽くした精密な動きを見るのももちろん楽しいですが、早さを追求するあまり、そのゲームを知らない人が見ても『変な動きをしているな』とわかる場面も結構あるんです。壁をすり抜けたり、高速で移動したり。初めてRTAを見る人は不可思議なプレイの数々にも注目してみてください」(RTA in Japan・中村圭宏氏)

また、RTAはルールに応じてがらりと攻略方法が変わる。例えば同じゲームでもバグの利用が認められているルール、禁止されているルール、一部の区間だけのクリアタイムを競うルールなどがあり、それぞれ全く別の走りを見ることができる。過去には目隠しをし、音や感覚だけを頼りにクリアを目指すRTAも行われた。

特殊な条件下でどのようにゲームが攻略されていくのかを見るのもRTAの楽しみ方の一つといえる。今回のRTA in Japan Summer 2022でも一風変わったRTAがいくつか実施される予定だ。

1日目には『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』のビンゴRTAが行われる。ビンゴシートにはボスの撃破や特定アイテムの取得といったミッションが書かれており、それらを達成することでマスを埋め、ビンゴとなるまでのタイムを競う。

「ビンゴRTAは2名の走者によるレース形式で行われる予定です。ビンゴシートはスタートまで非公開なので、走者はその場で埋めるミッションや攻略順を決めなくてはなりません。それぞれに走り方が異なってくると思うので、その違いにも注目です」(中島氏)

また、2日目にはファミコン向けソフト『忍者龍剣伝』のシリーズ3作品をリレー形式で攻略するRTAも実施予定。こちらのルールでは1作目が終わったらカセットを入れ替えて次の走者へバトンタッチしていく。プレイングだけでなく、走者交代というオフラインイベントならではの課題をどうスムーズに行っていくかも見逃せないポイントだ。

さらに、視聴者参加型のRTAも。こちらは3日目に予定されている『機動戦士ガンダム ギレンの野望 アクシズの脅威V』のRTAで、本タイトルは機動戦士ガンダムに登場する「地球連邦軍」と「ジオン公国」の2つの陣営のシナリオが遊べる。どちらのシナリオでRTAを走るか、イベント開始日に始まる寄付額投票の結果で決めるのだ。

「RTA中は『今何やっているの?』と疑問に思う場面が頻繁に出てくるのですが、走者本人や解説の人がしっかり説明してくれるので、置いてけぼりになることはあまりないと思います。RTAだからといって身構えず、気楽に楽しんでもらえるとうれしいです。とはいえ、100時間すべてを見るのは大変だと思うので、やったことがあるゲームや、面白そうだなと思ったルールのRTAから見ていただければと思います」(中村氏)

「RTA in Japanの目標は、走者が気持ちよくRTAを走ること」

今回のRTA in Japan Summer 2021には合計848タイトルの応募があったという。採用タイトルの選定には5週間を要した。さらに、コロナ対策としてヘッドフォンを10個用意。配信機材や会場のレンタル費用なども含めると、数百万円の費用がかかっているそうだ。

「どうすればイベントが良くなるか、を考えながら毎回開催しています。良い機材を揃えようとするとやはり費用はかかりますが、トラブルがあったり、機材が足りなくなったりして進行が止まってしまうと、せっかく参加してくれた人に申し訳ない。

RTA in JapanはRTAを披露する場を国内にもつくりたい、という気持ちで立ち上げたイベント。規模が大きくなった今でも、走者に気持ちよくRTAを走ってもらうという目標はずっと変わりません」(中島氏)

なお、大会費用はTwitchのサブスクリプション料金などから捻出されている。また、開催中は視聴者も寄付を行うこともできるのだが、開催期間中に集まったお金は税金分を引いて、すべて国境なき医師団に寄付しているそうだ。実は、海外で行われているRTAの大会も多くがチャリティイベントとなっている。

ゲームを早くクリアするためには、そのゲームを知り尽くし、途方もない時間、練習を繰り返す必要がある。ゲームを心から愛する人たちが中心となっているからこそ、RTAは今なお盛り上がりを見せているのだろう。

「RTA in Japanの視聴者数は順調に増えているのですが、RTA走者自体の伸びは鈍化している印象です。RTAはとても奥の深い遊び方。ぜひ多くの人に体験してもらいたいと思っています。視聴を機に走者が増えてくれればうれしいです」(中島氏)

取材・文/笠木渉太

#1  0.01秒の戦い! ゲームクリアのスピードを競うRTA(リアルタイムアタック)とは
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