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成田凌が味わった「天と地」。前田敦子は「仕事で夢見心地はないかも」

集英社オンライン / 2022年8月4日 16時1分

ドラマ『時効警察』シリーズなどで知られる三木聡監督の新たな映画『コンビニエンス・ストーリー』(8月5日公開)に出演している成田凌と前田敦子。コンビニが別世界に繋がる“異世界ファンタジー”の映画のテーマに合わせて、2人の異世界体験やコンビニで売ってほしいものなどを聞いてみた。

映画『コンビニエンス・ストーリー』
成田凌・前田敦子インタビュー後編

監督は「世界のマエアツ」と演技を絶賛

ドラマ『時効警察』シリーズなどで知られる三木聡監督の新作映画『コンビニエンス・ストーリー』に主演した成田凌と前田敦子。三木監督は成田について、「自己顕示欲とか、いろんな欲から僧侶のように脱していて、映画に向き合う姿勢がすごく良かった。この映画を見ていて迷ったら、成田さん演じる加藤を見ていると、ついて行ける」と話す。



また、前田については「日本の女優としては、誰もついて来られないんじゃないかと思うくらい、規格外。仕上がった印象は世界レベルで、『世界のマエアツ』。……というと、何か面白い数え方する人みたいになっちゃいますけど(笑)」と語っている。成田、前田の2人は、お互いの魅力をどう考えているのだろう。

——映画、ドラマ、舞台と共演が続いていますが、成田さんが「三木組」で感じた前田さんの魅力は?

成田凌(以下、成田) 今回は前田さんにしかできない役。三木さんもそう言ってたし、僕も絶対、そう思います。

前田敦子(以下、前田) 良かった(笑)。

成田 どの国の人が見ても「この人は誰だ?」と引きつけられるような異様な存在感がある。今回は三木組独特の照明やトーンがマッチしていて、すごかったですよ。前田敦子が、惠子としてスクリーンにいると思いました。

——前田さんが、三木組で感じた成田さんの力は?

前田 今回は、ずっとあやふやにいる感じが、私は素敵だなって。フワッとしてるのに、ちゃんと作品の軸になっているし、現実と異世界を繋ぐツールになれている感じが、すごいなと思いました。

成田凌「5年前、電気を止められて現実を見た」

——『コンビニエンスストーリー』は、コンビニから異世界に迷い込む物語。2人はこれまでの人生で、異世界に迷い込んだ、夢のような経験はありますか?

成田 あります。5年前に、映画繋がりで、さいたまスーパーアリーナでコンサートをしたことがあって。

前田 『キセキ-あの日のソビト-』(2017年)のとき?

成田 そう。そのステージが華やかで、歓声を受けて、ものすごい拍手も浴びて。でも、その日、家に帰ったら、電気が止められてしまっていました……。当時、金がなかったので。

前田 リアルな現実だね。

成田 まさに天と地で、ステージに上がったことが夢だと感じられました。公共料金を払えないと、最初に電気が止まるんです。そしてガスが止まり、水道が止まる。水道までいっちゃいました。

前田 私は、仕事で夢見心地になったことはないかもしれない。舞台に立っていても、やってるほうは冷静だったりするじゃないですか。

成田 そうなんだよね。舞台上の人間って、見てる人より絶対冷静。

前田 俯瞰で自分を見ている自分がいるんですよ。そういう意味では「不思議な仕事だなぁ」と思うことは多々あります。

成田凌、前田敦子の「コンビニにあったらいいな」

——もしも何でも買えるコンビニがあったら、何がほしいですか?

成田 おばあちゃんが手で握ったおにぎり。

前田 おばあちゃんが、「素手」で握ったおにぎりね。

成田 そうそう! もう熱さを忘れた手で握ってくれたおにぎり(笑)。

前田 わかるわかる。「何でそんな熱いの素手で触れるのー!」って思ってた(笑)。

成田 おにぎり、好きなんですよ。コンビニのおにぎりも大好き。

前田 私はコンビニで、24時間、お刺身が買いたいです。

成田 確かに。コンビニで刺身買えたら最高だわ。

前田 どれだけ便利になっても、それだけは叶わないよね。

成田 刺身で、お酒を飲みたいじゃないですか。だから近くのスーパー行って、なかったら、ちょっと遠出してでも刺身を買う。それがコンビニで売ってたらいいね。

前田 でしょ〜。何でもあるのに、刺身だけないんですよ。

成田 しめさばくらいは置けるんじゃないかなと思うんだけど。

前田 しめさばは、売ってるんだよ。でも「何日もつんだろう?」っていう、パックされたしめさばしか売ってないんだよ、まだ。

成田 生の白身魚も普通に食いたいなぁ……。いいね、刺身。やっぱ僕も刺身にします(笑)。

この作品を三木聡ワールドの入口に

——『コンビニエンス・ストーリー』をこれから見る人に、どのように感じてもらえるとうれしいですか?

成田 (日本映画のメッカである)テアトル新宿で流してくれる、イコール、僕が好きな映画らしい映画。不思議な世界観ではあるんですけど、そういう映画らしい映画を、今、映画館で感じられる幸せはあると思います。あと、本当に「三木聡イズム」がここに入ってるので、もしこの作品で初めて三木さんの作品に触れる中学生・高校生の子がいたら羨ましい。ここから、昔の三木さんの作品も見てほしいです。

前田 私も、「三木さんっぽい作品だなぁ」と思いながら見てました。すごく嫌なことがあるわけじゃないし、落ち込むこともない。すごく怖いわけでもないし、どちらかというと笑いながら見てもらえるような作品。だから今の時代、見やすい映画なんじゃないかなって思うんです。誰にでもオススメしやすい、楽しい作品です。

——最後に、三木聡ワールドの魅力、好きなところを教えてください。

成田 演出も面白いですけど、単純に脚本が面白いです。

前田 頭の中が気になるよね。

成田 本当に、頭の中を見てみたい。小ネタも面白いし、言葉のチョイスも面白い。普段からそういうことばっかり考えているんだろうなって思います(笑)。

前田 私はまず、人となりが好きです。

成田 「カワイイ、カワイイ!」って言ってるもんね(笑)。

前田 うん。もじゃもじゃ頭に野球帽をかぶって、メガネかけて、みたいな。そういうのを全部ひっくるめてカワイイと思う。「どこに住んでるだろう?」とか気になって、いろいろ質問しました、私(笑)。

——作風的にはいかがですか?

前田 自分の頭の中を、楽しんで作品に変えている方だと思うんです。子ども心をずーっと持ち続けていて、作品を通してでも人に媚を売らないところも好きです。

成田 あと、本当にいい人なんですよ。そんな昔から大好きな三木さんの作品に自分が出られていることが、不思議で不思議でしょうがない。昔の自分に「三木監督のスクリーンに出たよ!」と言ってあげたいです。

終わり

取材・文/泊 貴洋
撮影/柳岡創平
場面写真/©2022「コンビニエンス・ストーリー」製作委員会

『コンビニエンス・ストーリー』(2022年)
監督・脚本/三木聡
企画/マーク・シリング
出演/成田凌、前田敦子、六角精児、片山友希、岩松了、ふせえり、渋川清彦ほか
配給/東映ビデオ

スランプ中の売れない脚本家、加藤(成田凌)は、ある日、恋人のジグザグ(片山友希)が飼っている愛犬・ケルベロスに腹を立て、山奥に捨ててきてしまう。その後、探しに戻るが、レンタカーが故障。霧の中のコンビニ「リソーマート」で店員の妖艶な人妻・惠子(前田敦子)に助けられ、彼女の夫のコンビニオーナー・南雲(六角精児)の家に泊めてもらうことに。加藤は、すでに異世界にはまり込んだことに気づいていなかった——。

8月5日(金)テアトル新宿ほか全国公開
公式HPはこちら https://conveniencestory-movie.jp

成田 凌 なりた りょう
俳優
1993年、埼玉県生まれ。2013年、『MEN'S NON-NO』専属モデルとなり、2014年に俳優デビュー。2018年の映画『スマホを落としただけなのに』、『ビブリア古書堂の事件手帖』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。2019年の主演映画『カツベン!』で毎日映画コンクール男優主演賞を受賞。2022年は、映画『ニワトリ☆フェニックス』、ドラマ『逃亡医F』、舞台『パンドラの鐘』などに出演。2023年1月上演の舞台『宝飾時計』に出演予定。

前田 敦子 まえだ あつこ
俳優
1991年、千葉県生まれ。2005年のAKB48結成時からメンバーとして活動。2007年、『あしたの私の作り方』で映画デビュー。2012年にAKB48を卒業し、映画、ドラマ、舞台などで活躍。近年の主な出演映画に『町田くんの世界』、『旅のおわり世界のはじまり』、ドラマに『伝説のお母さん』『逃亡医F』、舞台にNODA・MAP『フェイクスピア』など。映画『もっと超越した所へ。』が2022年10月14日より公開。

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